マツダ 4代目「ロードスター」デザイナーインタビュー/マツダ株式会社 デザイン部 チーフデザイナー 中山 雅【DESIGNER’S ROOM】(2/5)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:小林岳夫
AO:新型は全長を短く、重量を軽くしていますが、そのあたりまでデザイナーは関与しているのでしょうか。
N:チーフデザイナーが入る前のアドバンスデザインの段階で、ホイールベースの数値は決まっていました。その後は私たちも入って、オーバーハングを縮めたい、全高を低めたいなどの要望を出していきました。
AO:デザインが固まるまでのプロセスは。
N:2011年にプロジェクトが再開したとき、まず国内外からアイディアを集めました。海外の人たちは放っておいても考えてくれますから。それらを見ていくうちに、ターゲットがはっきりしてきました。なので方向自体は早くまとまりました。翌年2月には日米2案に絞られ、9月に日本案に決定しました。その後1年間、熟成の時間が取れたことは良かったです。早めに決まったほうが開発部門や生産部門の深い検討が進められますから。
モダンな台形スタンスは「第二次性徴期」!?
AO:現行型との違いのひとつに、前後のフェンダーがグッと張り出して、オーバーハングの絞り込みが強烈なことがあります。
N:今のクルマっぽく台形のスタンスにして、タイヤを外に出し、前後を絞り込んで、斜めから見たときにオーバーハングが見えない姿を目指しました。それがモダンなプロポーションだと思ったからです。これまでのロードスターの進化は、次第に可愛らしくなっているのが、初代オーナーとしてはやや疑問でした。個人的にはこの新型を「ロードスターの第二次性徴期」と考えています。男性であれば声変わりしたり、女性であればより女性らしくなったり。そんな姿を表現したかったのです。
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