マツダ 新型アクセラハイブリッド・ディーゼル 新型車解説 -マツダ初のハイブリッド、燃費は「30.8km/L」-/渡辺陽一郎(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
新型アクセラ「ハイブリッド vs ディーゼル 対決」動力性能
新型アクセラの「ハイブリッド vs ディーゼル」だが、まず動力性能はディーゼルが圧倒的に勝る。
ハイブリッドの動力性能は、ノーマルエンジンでいえば2.4リッタークラスだが、ディーゼルは前述のように4リッター並。ハイブリッドにも静粛性が優れるなどのメリットはあるが、動力性能、運転の楽しさなどを競えばディーゼルの圧勝だ。
新型アクセラ「ハイブリッド vs ディーゼル 対決」燃費・コスト
次は燃費だ。
前述のようにディーゼルの燃費が「未定」となっている、仮定で「21km/L」としておこう。対するハイブリッドは「30.8km/L」だから、もちろん数値の開きは大きい。ただし、ディーゼルは軽油を使うので、燃料の単価は安い。
そこで、レギュラーガソリンの価格を1L当たり160円、軽油を138円、実用燃費をJC08モードの85%として走行コストを計算してみよう。
1kmの走行に要する燃料代は、ハイブリッドが6.1円、ディーゼルが7.7円だ。となれば1万km当たりの燃料代は、ハイブリッドが6万1,000円、ディーゼルは7万7,000円になる。比率に換算すれば、ディーゼルの燃料代はハイブリッドの126%。一方、動力性能は前述のようにハイブリッドがノーマルエンジンのば2.4リッタークラス、ディーゼルが4リッタークラスだから、ディーゼルはハイブリッドの166%に達する。
燃料代を競えばハイブリッドが安いが、「動力性能 対 燃料代」というバランスで見れば、ディーゼルが勝るともいえるだろう。
新型アクセラ「ハイブリッド vs ディーゼル 対決」価格
次は価格の割安感。
ディーゼルを搭載したアクセラスポーツXDは、車両価格が6速AT/MTともに298万2,000円となる。対するセダンのハイブリッドは、C/S/S・Lパッケージの3タイプを設定し、車両価格は237万3,000~262万5,000円だ。
価格だけを見るとディーゼルは割高に感じるが、装備も充実している。
大半のグレードがオプション設定にしているBoseサウンドシステム(オプション価格は7万3500円)、電動ガラスサンルーフ(同8万4000円)まで標準装着した。
さらにXDの専用装備として、車線逸脱警報&ハイビームコントロール(アテンザのオプション価格は5万2,500円)も備わる。これらの装備差を補正すると、2リッターのノーマルガソリンエンジン車(20SツーリングLパッケージ)に対するクリーンディーゼルターボの単体価格は、33万6,000円の上乗せだ。同様の計算をCX-5で行うと38万円、アテンザは40万円だから、アクセラのディーゼルは意外にも価格の上昇は抑えられている。
とはいえ、快適装備はオプションにして車両価格を280万円前後に設定した方が購入しやすい。特にガラスサンルーフは「使わないし、重心も高まるから不要」と考えるユーザーが多いのではと思う。XDの装備見直しは、今後の検討課題だろう。
一方、ハイブリッドは損得勘定以前に、安全装備で解決すべき課題を抱えている。
アクセラスポーツでは、XDを含めて20Sツーリング以上のグレードに、衝突回避を支援する低速域のスマートシティブレーキサポート、高速域のスマートブレーキサポート、運転を快適にして疲労を抑えるレーダークルーズコントロールが装着されるが、アクセラセダンでは1.5リッターの15Sにスマートシティブレーキサポートがオプション設定されるだけ。ハイブリッドでは衝突回避の支援機能を一切装着できない。
おそらく今後はハイブリッドにも対応を図ると思うが、後日、報道試乗会において理由を尋ね、改めて報告させていただくつもりだ。
そして安全装備の違いは、価格の割安感にも影響を与える。ハイブリッドS・Lパッケージの車両価格は262万5,000円でクリーンディーゼルターボを搭載したXDよりも35万7,000円安いが、前述の装備の違いにより、価格差はほぼ埋まってしまう。
となれば損得勘定に与える影響は、ハイブリッドが1km当たり6.1円、ディーゼルが7.7円という走行コストだけだ。
さらに正確にいえば、クリーンディーゼルターボを積んだXDでは、クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金の交付を受けることも可能。2013年10月9日時点で交付される補助金額は明らかにされていないが、8~10万円程度になると思われる。となれば、ますますディーゼルのXDが買い得になる。
それにしても、アテンザは2リッターモデルを含めて幅広いグレードで安全装備を充実させたのに、アクセラは1.5リッターとハイブリッドが課題を残す。
そしてエンジンの組み合わせは、5ドアのスポーツが1.5/2リッターとディーゼル、セダンは1.5リッターとハイブリッドのみだから、アクセラで選ぶべきは5ドアのスポーツになるだろう。
今のところセダンのハイブリッドは、「プリウスよりも燃費性能の優れたハイブリッドもありますよ」と環境対応をアピールする手段になっている。
そして日本では、ハイブリッドの人気が高い。その安全装備が乏しければ、日本のユーザーの安全を軽く考えていると判断されかねない。
現時点における勝負はディーゼルの圧勝。ハイブリッドは安全装備を含めて今後の発展に期待したい。
新型アクセラスポーツ(5ドアハッチ)のグレード・価格
機種 | 駆動 | エンジン | 変速機 | 価格(税込) | 減税レベル |
---|---|---|---|---|---|
15C | 2WD | SKYACTIV-G1.5 | SKYACTIV-MT (6MT) | 1,711,500円 | 75%減税 |
SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 1,711,500円 | ||||
4WD | SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 1,921,500円 | (認可取得前) | ||
15S | 2WD | SKYACTIV-G1.5 | SKYACTIV-MT (6MT) | 1,848,000円 | 75%減税 |
SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 1,848,000円 | ||||
4WD | SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 2,058,000円 | (認可取得前) | ||
20S | 2WD | SKYACTIV-G2.0 | SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 2,205,000円 | 75%減税 |
20STouring | SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 2,310,000円 | |||
20STouring LPackage | SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 2,436,000円 | |||
XD (クロスディー) | 2WD | SKYACTIV-D2.2 | SKYACTIV-MT (6MT) | 2,982,000円 | (認可取得前) |
SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 2,982,000円 |
新型アクセラセダン(4ドア)のグレード・価格
機種 | 駆動 | エンジン | 変速機 | 価格(税込) | 減税レベル |
---|---|---|---|---|---|
15C | 2WD | SKYACTIV-G1.5 | SKYACTIV-MT (6MT) | 1,711,500円 | 75%減税 |
SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 1,711,500円 | ||||
4WD | SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 1,921,500円 | (認可取得前) | ||
15S | 2WD | SKYACTIV-G1.5 | SKYACTIV-MT (6MT) | 1,848,000円 | 75%減税 |
SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 1,848,000円 | ||||
4WD | SKYACTIV-DRIVE (6EC-AT) | 2,058,000円 | (認可取得前) |
新型アクセラハイブリッド(4ドア)のグレード・価格
機種 | 駆動 | エンジン | 変速機 | 価格(税込) | 減税レベル |
---|---|---|---|---|---|
HYBRID-C | 2WD | SKYACTIV-HYBRID (SKYACTIV-G2.0+モーター) | 電気式無段変速機 | 2,373,000円 | 免税 |
HYBRID-S | 電気式無段変速機 | 2,499,000円 | |||
HYBRID-S LPackage | 電気式無段変速機 | 2,625,000円 |
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。