マツダ 新型アクセラ(マツダ3)がワールドプレミア│スカイアクティブXは?日本導入はいつ?? 最新情報

次世代マツダのスタートバッターがついに登場!

2003年に登場した「マツダ3(日本名:アクセラ/アクセラスポーツ)」。最近はCX-5をはじめとするクロスオーバーに人気が移っているものの、累計600万台、130ヶ国で販売を行なう実績を持つマツダのエースと言っても過言ではない。その4代目がロサンゼルス・オートショー2019で世界初公開された。

2012年に登場したCX-5以降のモデルは、マツダ社内では「第6世代」と呼ばれる商品群だが、新型マツダ3は「第7世代」と呼ばれる次世代マツダのスタートバッターだ。ちなみに2016年に2代目となったCX-5や日本向け3列SUVのCX-8、大幅改良されたマツダ6(アテンザ)は7世代のデザインや技術の一部を先行的に取り入れた第6.5世代に分類される。

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お客様に『一目惚れ』してもらえるクルマとして開発

開発の陣頭指揮を取った別府 耕太さんは、マツダ初の事務系出身かつ最若手の主査で、かつては国内販売や将来商品のポートフォリオを担当した経歴を持つが、今回主査に選ばれた理由をこう分析する。

「人間中心のモノ作りはこれまでと変わりませんが、それをどうやってお客さまに“価値”として届けていくべきか? 独りよがりではなくお客さまに“感動”してもらうには、エンジニアではなくマーケットやユーザーに近い視点を持った人間に開発を担当させる。そんな目論見があったのではないでしょうか?」

どのメーカーも販売面を支えるエースは保守的になってしまいがちだが、新型マツダ3は相当攻めている。開発コンセプトは?

「次世代を担うために、ライバル車をベンチマークして……と言った従来の方法論ではなく、基本は人間中心の考え方に基づき、『人間はこうあるべき』、『機械はこうあるべき』と愚直に行なった上で、お客様に『一目惚れ』してもらえるクルマとして開発を行ないました。そのために『心が動く』要素を随所に盛り込んでいます。」(別府)。

ハッチバックとセダンはデザイン的には別のクルマ

新型マツダ3は先代モデル同様に5ドアハッチバック、4ドアセダンをラインアップするが、驚きなのはそのデザインだ。ハッチバックは東京モーターショーでお披露目された「魁コンセプト」を忠実に再現しているのはもちろん、かつての「ランティス(1993-1997)」を彷彿とさせるような情熱的&エモーショナルなプロポーション。

セダンはクール&フォーマルかつハイデッキでクーペ的フォルムが多い中「ザ・セダン」と言ったプロポーションと印象が全然違う。一般的にはマツダ3が属するCセグメントのモデルの多くはハッチバックがメインでセダンはサブ……と言った印象が強いが、新型はどちらもメインと言っていいだろう。

「従来モデルはデザインもウリでしたが実際の評価がそれほどではありませんでした。その理由は『ハッチバックはハッチバックらしく』、『セダンはセダンらしく』が実現できていなかったな……と。そこで新型は二通りのお客様を頷かせるデザイン、ハッチバックは塊感と色気、セダンは様式に則った上での美しさとエレガンスさを表現するようにチーフデザイナーにお願いしました」(別府)。

チーフデザイナーの土田康剛さんは、「各々が求めるモノを愚直に表現して形にした、シンプルに言えばそういう事です。その結果、エクステリアの共通部分はボンネット、シグネチャーウイング、ヘッドライト、フロントガラスくらいで、デザイン的には別のクルマと言っても過言ではありません。今回は作り手の都合ではなく『ハッチバック/セダンはどうあるべきか?』を愚直に表現できました。

クロスオーバーシフトでハッチバック/セダンがメインストリームでなくなったからこそ、攻めたデザインができたのだろうか?

「ある意味、そうかもしれませんね。デザインで魅力を取り戻したい、そんな想いも込められています。実は主査の別府とは同期で入社時からよく知っている仲で、仕事がやりやすかった上にお互いのゴール(=ハッチバック/セダンで表情を変える)が明確だった事も大きかったですね」。

また、従来の魂動デザインはパッと見た時の驚きや美しさを重視していたが、新型は見る度にジワーっと響く奥深さも感じる。

「造形を線でコントロールするのではなく、柔らかな断面の変化で表現しているので、ライティングや周りの映りこみで表情が異なるので、毎日変わって見えます。また、ドアノブの形状やエンブレム内蔵のリアゲートスイッチ、見えにくいワイパーなど、細かなディテールにもこだわっています」(土田)。

ハッチバック専用に新色「ポリメタル・グレー」を設定

ボディサイズはハッチバックが全長4459×全幅1797×全高1445mm、セダンは全長4662×全幅1797×全高1440mm、ホイールベースはどちらも同じで2725mmだ。ちなみに、ハッチバックのデザインはリアの視認性などが気になりそうだが……。

「リアドアはかなりキックアップさせていますが、振り向いて見る際の直接視界は我々の要件を満たすようにmm単位で調整を行なっています。また、BSM(ブラインドスポットモニタリング:車線変更時などの死角情報を支援するシステム)や360°モニターのようなデバイスで支援しているようにしていますので、日常の不便はないかと(別府)」。

ボディカラーはソウルレッドクリスタル/マシングレープレミアムメタリックに加え、ハッチバック専用に新たに「ポリメタル・グレー」が開発された。

「実はCX-3で採用したセラミックホワイトの続編と言っていい色です。プラスチックと金属の融合を目指した新しい質感が特長で、一見マットな印象ですが光が当たるとキラキラ見えると二面性を持っています」(土田)。

人間中心のためにはデザインも整える必要がある

インテリアも同様で操作系は大きく変わっていないが、シンプルなのに質の高さが伝わるデザインである。

RXヴィジョン/ヴィジョンクーペと共通モチーフのステアリングやスイッチ類やコマンダーと言った細部までこだわったディテールも効いており、全てが調和している印象だ。正直言うとラインアップのヒエラルキーが崩れてしまうくらいのクオリティを実現しているように感じる。

「上級モデルを意識せず理想を追求した結果ですね。まずチームには『デザインするな』と(笑)。従来モデルはドライビングポジションの適正化はできましたが、残念ながら空間は歪んでおり、結果として意心地はよくなかったと思っています。そこで新型は人間中心(=人とクルマがいかに一体になれるか)のためにはデザインも整える必要があると。違和感なく自然した上で引き算……要素を引きシンプルに見せ、そこからスタイリングを行なっています。ちなみにステアリングもこだわりの一つで、目をつぶって握っても『マツダだ!!』と解るような形状です」(土田)。

注目は量産車世界初採用の圧縮着火エンジン「スカイアクティブX」

パワートレインはガソリン(1.5リッター/2.0リッター/2.5リッター)、ディーゼル(1.8リッター)、そして初採用となる「スカイアクティブX(2.0リッター)」を仕向地の特性に合わせて設定。

注目はもちろん量産車世界初採用の圧縮着火エンジンのスカイアクティブXだろう。

今回は具体的なスペックは発表されなかったが、小型で効率的なハイブリッドシステム『M Hybrid』の組み合わせ。トランスミッションはどのパワートレインも6速MT/6速ATを用意するようだ。

「スカイアクティブXはディーゼル車のような実用域トルクとガソリン車のようなレスポンス/伸びの良さを両立していますが、燃焼自体がいいのでファイナルギアをハイ側に振っており、『楽しい運転をしていても燃費がいい』と言うユニットに仕上がっています。また、M Hybridは燃費に貢献するだけでなく、シフトチェンジの際にトルクの谷をモーターアシストで滑らかにするなど走りのクオリティアップにも寄与しています。そういう意味では、初心者でも運転が上手くなったかのように感じるはずです。このようなスペックに表せない良さも多く備えています。」(別府)

駆動方式はFFとAWD(i-ACTIV AWD)をラインアップ。LAショーではAWD推しのように感じたのだが?

「販売上はFFですが我々開発サイドとしてはAWDをお勧めしたいですね。今回は前後駆動力配分を50:50まで使える上にGVCプラスとの協調も相まって4輪をシッカリと使い切れるようになっています。その結果、悪路走破性だけでなく安定した挙動による乗り味の質向上にも貢献しています。

クルマに乗っている状態が『自然で違和感がない』を目指した

シャシーは刷新され、次世代車両構造技術「スカイアクティブ・ビークルアーキテクチャ」を全面採用。上下左右方向だけでなく前後方向にも骨格を連続させた多方向の環状構造、減衰ボンドによるいなし効果、バネ上に伝える力を時間軸で滑らかにするサスペンション(フロント:ストラット/リア:トーションビーム)、ジオメトリー、ブッシュ、タイヤ(205/60R16と215/45R18)などを採用。

「単純に『ハンドリングがいい』、『乗り心地がいい』ではなく、クルマに乗っている状態が『自然で違和感がない』を目指しました。具体的に言うと究極まで動きを滑らかにしています。従来は曲がる部分が中心でしたが、新型では『走る/曲がる/止まる』の全領域で人間感覚にあった車両挙動が実現できたと思っています。言い方を変えると、雑な運転をすると雑な動き、丁寧な運転をすると丁寧な動きをします」(別府)。

静粛性は発生源を抑えるのはもちろん、入ってきた音の変化と方向をコントロール。単に静かなだけでなく質の高さも追及。その効果の一つがオーディオだと言う。

「スピーカー数は従来と同じ(8つ)ですが、レイアウトを一新しています。低音域はカウルサイド、中高音域は人に向けたレイアウトに変更することで広がりや立体感のある音を奏でます。もちろんBOSEサウンドシステムがお勧めですがノーマルもかなりレベルアップしています」(別府)。

新型マツダ3は2019年内には日本で発売予定

昨今、クロスオーバーの走りが大きく進化し「背の高さを感じさせない」クルマが増えているが、基本素性の優れるハッチバック/セダンとしての優位点はどこにあるだろう?

「言葉での表現は非常に難しいですが、一つ一つの動きに対して安心、安定、余裕が増していることだと思います。実際の動きや時間は背の高いクルマとそれほど変わらないのですが、実際に乗った人は『シットリしているよね』、『ゆっくり余裕を持って動く』と言われることが多かったですね」(別府)。

ちなみに豊富なラインアップを持つが、その中でもお勧めはどれだろうか?

「もちろん“全て”ですが(笑)、個人的にはバランスの良さはガソリンの2.0リッターかな……と思っています」(別府)。

気になるのは日本での発売時期だが。

「現時点では2019年内には……とだけ(笑)。ラインアップは現行モデルから大きく崩すことはないですが、スカイアクティブXは新市場を作っていく存在ですね。Cセグメントはクロスオーバーに押されがちですが、マーケットの中でのビジネスではなく、新しいマーケットを作り出すイメージ・勢いで開発を行ないました。指名買いしてもらえると嬉しいですね」(別府)。

[筆者:山本 シンヤ 撮影:マツダ株式会社]

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

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