【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー/マツダ チーフデザイナー 玉谷 聡(2/4)

  • 筆者: 森口 将之
  • カメラマン:オートックワン編集部・マツダ
【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー/マツダ チーフデザイナー 玉谷 聡
【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー マツダ チーフデザイナー 玉谷 聡とインタビュアーの自動車ジャーナリスト 森口 将之さん 【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー デザイン検討を行う際に用いる1/1のクレイモデル。 【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー  【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー 【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー 【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー アテンザの1/1クレイモデル 【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー アテンザのクレイモデル・フロント正面 【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー 【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー 【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー  新型アテンザ 1/1モデルのリアフェンダー表現 【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー 新型アテンザ 1/1クレイモデル フロントフェンダーの表現 画像ギャラリーはこちら

5ドアハッチをセダンに統合したワケ

【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ 新型ワゴン(左)と同セダン【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー マツダ チーフデザイナー 玉谷 聡さん

AO:ボディサイズが大きくなったのは、デザイナーの要求なのでしょうか。

T:デザインだけが原因ではありませんが、車格表現にはサイズが必要でした。

デザインを進めるうえで、タイヤの位置や前後の重量バランスなどの骨格はとても重要です。車格をしっかり表現すると言っても、長さだけではプレゼンスは高まらず、幅をぐっと広げ、踏ん張らせることが大切なのです。最後の車幅の+10㎜ぐらいはデザイナーのわがままですけど、それ以前の段階で、排気系を理想的な取り回しにする中で、運転席と助手席の間隔が30㎜ぐらい離れていました。スカイアクティブ・テクノロジーの性能を出すために幅を広げ、居住性向上とプレゼンス向上のために長さも伸ばしていったのです。

[※新型 アテンザ セダンの全長x全幅x全高:4860x1840x1450mm/ホイールベース:2830mm]

AO:5ドアをなくしたのはなぜでしょうか。

T:3つあったボディを2つにしたのは、経営判断による部分が大きかったようです。

市場を調べていくと、多くのハッチバックのお客さまが求めているのはスポーティなスタイリングでした。また本来あるべきテールゲートとしての活用は、年に1回か2回ぐらいしか無いという人も多かった。それならセダンにハッチバック並みのスタイリングを持たせれば、5ドアを統合できるのではないかと考えたのです。

コンセプトは「人とクルマの一体感」

【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ 新型ワゴン リアビュー[17インチホイール装着車]

AO:ワゴンのホイールベースや全長をセダンより短くしたのはどうしてですか。

T:セダンで表現しなければならなかったのは米、中、豪に向けてのマツダのフラッグシップとしてのプレゼンスでした。中国市場などで重視される後席のホスピタリティを確保したうえで、スタイリッシュに仕上げました。

一方ワゴンのメインマーケットはヨーロッパですが、現地では4800㎜という全長がボーダーラインで、それを超えるとラグジュアリークラスになってしまうので、その中でキャビンとラゲッジスペースのべストバランスを確保した結果、ホイールベースがセダンより短くなったのです。

AO:幼い頃に動物に興味を持っていたことは、デザインを進めるうえでメリットになりましたか。

T:このクルマのコンセプトは、人とクルマの一体感でした。フラッグシップなので品格を大切にしながら、ドライビングをおろそかにせず、クルマとの対話を楽しみたいというものです。それをデザインで表現するときに、動物やアスリートの美しい動きをクルマにキャプチャーして、走る生命体として考えたのです。クルマに生命感を表現していこうという作業は、はまり役だったかと思っています。 ただ生々しい表現では稚拙なものになるので、アーティスティックで抽象的な表現として入れようと心掛けました。

「社内に風が吹いた」センセーショナルなデザイン

【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー/「マツダ 靭(SHINARI)」【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー

AO:新型アテンザで個人的にもっとも印象的なのはボディサイドです。どう表現したらいいか分からないんですが、今まで見たことがない凝った造形ですね。

T:ここがいちばん苦労しました。当初は全く違うコンベンショナルな造形からトライしたのですが、これでみなさんの期待値を超えられるのかどうか悩んでいました。SHINARIのデザインテーマもトライしたものの始めはうまく処理できず、表現もこのクラスとしてはかなり強烈なものだったので「諸刃の剣」、危険なものとして一旦封印しました。

ところがSHINARIを発表すると、大センセーションが巻き起こった。会社に20数年いて、社内に風が吹いたと初めて思いました。SHINARIテーマをやるべきだと肌で感じました。

【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー  新型アテンザ 1/1モデルのリアフェンダー表現【DESIGNER’S ROOM】マツダ 新型 アテンザ デザイナーインタビュー 新型アテンザ 1/1クレイモデル フロントフェンダーの表現

AO:でも「靭(SHINARI)」テーマをそのまま市販化するのは難しい。

T:SHINARIではノーズからのラインがリアフェンダーまでスーッと伸びていますが、これをきれいに出すためには、SHINARIのようにドアのふくらみ幅が200㎜ぐらいの、スーパーカー的なワイドさがないとダメなんです。アテンザはせいぜい80〜90㎜なので、無理に通すとラインが弱くなってしまう。

そこでTAKERIと新型アテンザでは、前からのラインと後ろからのラインを、すれ違いさせる案をトライしてみました。結果、テーマ性は失わず、クルマに映り込む光もドラマティックに表現することができました。クルマが動いたり自分たちが歩くだけで光が動く。その動きがとても躍動的なのです。

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

森口 将之
筆者森口 将之

1962年東京都生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。自動車専門誌の編集部を経て1993年フリーに。各種雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで活動。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

マツダ アテンザの最新自動車ニュース/記事

マツダのカタログ情報 マツダ アテンザのカタログ情報 マツダの中古車検索 マツダ アテンザの中古車検索 マツダの記事一覧 マツダ アテンザの記事一覧 マツダのニュース一覧 マツダ アテンザのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる