マツダ アテンザセダン 試乗レポート
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:小宮岩男
セダンは5グレードを用意。ベーシックモデルにも質の高い走行フィールが与えられている。
200万円の壁を大きく切ったセダンの『20F』は、シリーズの中では最もベーシックなグレードという位置付け。ホイールキャップでお茶を濁した足元の見栄えはちょっと寂しいが、オートエアコンにキーレス・エントリーシステム、チルトステアリングに照明つきグローブBOXなどと、装備的は十二分な水準を確保している。
走りの力感では2.3Lモデルとの差は小さくない。単なる排気量の差にとどまらず、そこには使用ガソリンの違いによる基本チューニングの違いや、可変バルブタイミング・システムの有無なども存在をするからだ。惜しいのは旧態依然としたATで、これが5速ATへとグレードアップをされれば、加速性能やフィーリング上に大きな威力を発揮すること間違いなしなのだが…。
アテンザの偉いところは、ベーシック・グレードだからと言って走りの質感が安っぽくならない点。ワイドバリエーションを誇る多くのセダンの場合、トップグレードはまずまずの質感を達成していても下位グレードになるとまるで全く異なるクルマへと変わったかのごとく何とも寂しく、安っぽい走り味の持ち主へと変身してしまう場合が少なくない。が、このクルマの場合はそうした姑息な手抜きが感じられない。基本的な走り味は2.3Lのトップモデルと共通。これは大いに評価に値する事柄と言っておきたい。
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