レクサス LFA 試乗レポート(3/4)
- 筆者: 松田 秀士
鋭いレスポンスで280km/hまで苦もなく加速する
エンジンは、ステアリング上にあるスタートボタンを押して始動する。エアバッグを内蔵しているゴツイ3点式ベルトをセットしプッシュ1発、キュルキュルっというスターターモーターの音と共にV10が目覚めた。
アクセルをあおりレーシングすれば0.6秒でアイドリングから9,000rpmに達するというピックアップは凄い!精密に組み上げていることはもちろん、チタン材など回転升のレーシングエンジン並みの軽量化をうかがわせる。
右手のパドルを1回引き、Dレンジをチョイス。まずはノーマルモードにしかない「ATモード」で走る。シフトラグは大きめだが、繋がりはわりとスムーズだ。
もう一度パドルを引けばいわゆる「MTモード」になる。さらに、メーターパネル右側のダイヤルを操作して「スポーツモード」に変更。
回転計のベースが白色に変化して、スポーツモードになっていることを知らせてくれる。さらにもう一つのダイヤルを操作してシフトのエンゲージスピード(変速タイミング)を「最速」にセット。このエンゲージスピードは7段階あり、最速にセットすれば0.2秒だ。
フルスロットル!レブリミットの9,000rpmまでストレスなく回転計が跳ね上がる。
そして、シフトアップの連続!シングルクラッチながら、同じ機構を持つアウディR8 V10よりもシフトショックが少ないと感じた。確かにツインクラッチに比べたらラグはあるが、よくここまでセッティングしたものだ。
アップもダウンもシフトが楽しくなってくる。用がなくても、とにかく全てのギヤを使い切りたくなる。 高回転型エンジンらしい排気音はたまらなくエキゾチックで、官能性能に着目した一つに音質にこだわったという説明があったが、確かにこのサウンドは素晴らしい。
そして、どこかに山があるパワーフィールではなく、下から上までストレスなくレスポンスが鋭い。最高速はメーターを目視していた時点で284km/h。
当日は低気圧の接近で強風が吹き荒れていたからまだ伸びる可能性はあるが、280km/hまではすんなり加速していたことを考えればダウンフォースを重視しているのかもしれない。
それを証明するかのように超高速域での安定感はとても高く、180km/hに抑えてくれと指示された1コーナーにはノーブレーキで飛び込んでいけそうなくらいに感じたほど。
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