日本版コンシューマレポート-レクサス CT200h ユーザー試乗レビュー-(1/5)

日本版コンシューマレポート-レクサス CT200h ユーザー試乗レビュー-
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どアタマから、ズバリ結論!

使命は、欧州市場向け。でも、日本人にウケそう。

「欧州が(このクルマの)メイン市場です」

「CT200h」のチーフエンジニア・定方理氏はそう言い切った。

だが、コンシューマレポート日本版に集まった「CT200h」に対するユーザーの声は、筆者の予想を超える好評価だった。

以下、各分野での結論をまとめた。

~エクステリアでは~

レクサス CT200h

・ネガティブなコメントは極少

トヨタが想定した「CT200h」のライバルは、「BMW 1シリーズ」「アウディ A3」だ。

「CT200h」のイメージのデータ(全世代)では、「上質」「高級」が共に53.5%。また、「速そう」が同43.4%、「ちょっと背伸び」同33.3%、「男っぽい」同33.3%、「カッコいい」同30.0%。さらに「欧州車っぽい」が30.0%。

これはまさに、欧州上級コンパクトカーを連想させる傾向だ。

~インテリアでは~

レクサス CT200h

・運転席周りに高得点

「質感」の評価は全世代で4.3点。これを筆頭に、「メーターの見易さ」同4.1点、「メーターのデザイン」同4.1点、「スイッチの使い易さ、タッチ感」同4.0点、「乗り降り/運転席」同4.0点、「ハンドルやペダルの位置」同4.0点など、高得点が並んだ。 トヨタが目指した「走る楽しみ」は、運転席からも満ち溢れている。その雰囲気が確実にユーザーに伝わった。

~ドライビングでは~

レクサス CT200h

・「静と動」の二面性を、ユーザーは理解したような、しないような!?

試乗後の感想で、最も多かった意見は「車内が静かだった」が全世代で60.0%。次いで、「視界が良く、運転が楽だった」が同40.0%、「キビキビ走る感じがした」が同36.7%で続いた。

定方チーフエンジニアが目指した「CT200h」の「走る楽しさ」は、「静と動」の両面だ。

普段は静か、そして「走るか!」と思った時にはスポーティ性を開花させる。そうした狙いなのだ。

だがその二面性を、短時間の試乗でユーザーが感じ取ることは難しいのか?

筆者の総評

作り易そうで、作りにくかった。

それが、トヨタの「CT200h」に対する感想だと思う。

作り易い点は、ガチンコのライバルがいること。それは上記にあるように、「BMW 1シリーズ」と「アウディ A3」。だから、ボディサイズ、想定ユーザーの生活スタイルなどがイメージし易い。

作りにくい点は、「(現状での)レクサス車のなかで最安値」ということだ。つまり、高級ブランドのエントリーモデル、という「程合い」が難しい。さらに、プラットフォームを共用する「HS250h」との「(商品としての)距離感」も難しい。

こうしたなか、定方チーフエンジニアは「CT200h」開発の狙いを2点に絞り込んだ。

1つは「スタイル」。もうひとつは「走行性能」だ。

その理由を、トヨタは「Cセグメント(世界的な観点での小型乗用車)」と「Cプレミアム(同高級志向車)」で、ユーザーが求める優先順位が違うと説明する。

以下が、その内訳だ。

~Cセグメント~

①スタイル、②価格、③バリューフォーマネー、④室内スペース、⑤燃費、⑥走行性能

~Cプレミアム~

①スタイル、②走行性能、③安全性、④コンパクトサイズ、⑤プレステージ性、⑥燃費

こうした狙いから、まずスタイルに拘った。だがその過程で大きな課題が生じた。それを解決した「秘密」については、次ページのエクステリアにて紹介したい。

走行性能については、「走る楽しみ」という言葉へ置き換えた。

ドライビングポジションを突き詰め、ハンドル形状に拘り、スポーツモードによって「静から動」への変貌を演出し、リラックスとスポーティの両面を持たせた。

これら様々な内容を、レクサスのイメージを維持しながら、コストを抑えた。

定方氏は「部品は決して高価なモノを使わず、それで高級感を出すことが難しかった」と、本音を漏らした。

これぞ日本人の得意分野、「与えられた条件のなかで、最良のモノ造り」だ。

つまり、「CT200h」は日本人がその良さを理解しやすいクルマなのだ。だから日本人に好まれるのだ。欧州市場向きの商品なのだが、日本人の心に響く奥深さを秘めている。

それが、「CT200h」なのだ。

・メーカー月間販売目標・販売台数:

[ 1月 ] (目標)1,500台/(販売)839台

[ 2月 ] (目標)1,500台/(販売)1,660台

[ 3月 ] (目標)1,500台/(販売)2,460台

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

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