ランドローバー 新型レンジローバー 試乗レポート/森口将之(1/2)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:島村栄二
今や激戦区となったラグジュアリーSUV市場に挑む「新型レンジローバー」
セダンがライバル。
横浜で行われた新型レンジローバー試乗会のプレゼンテーションで、何度も聞かれた言葉だ。
1970年に初代レンジローバーがデビューした時は、たしかにセダンがライバルだった。まだSUVという言葉が一般的になる前で、この種のクルマは走破性や耐久性だけを考えた無骨な面々ばかり。セダンに匹敵する上質感と快適性を備えたのは、レンジローバーしかいなかったのだから。
でもその評価が確立されるにつれて、日本やドイツやアメリカから次々にライバルが参入し、いまやラグジュアリーSUVは激戦区。しかも多くのモデルが、同クラスのセダンに劣らぬ加速とハンドリングを備えるに至っている。
一方のレンジローバーは、BMW傘下だった時代に開発された旧型で、モノコックボディに4輪独立懸架サスペンションという大刷新を図ったものの、近年は味わい勝負のSUVに落ち着いていた雰囲気が強かった。
個人的には、背筋を伸ばしたドライビングポジションや、繊細なステアリングフィール、ゆったりしたコーナリングは好きだ。だからオートックワンの2009年ベスト・バイ・カーの輸入車編ベストハンドリングカーには、旧型レンジローバーを選んでいる。
でも現在のトレンドは、スポーツカーみたいにキビキビ走るSUV。ライバルだけじゃなく、同じレンジローバーを名乗るイヴォークさえ、斬新なデザインとともにそんな走りが受けて、世界的な大ヒットとなっている。
40年以上の伝統をキープしたまま、いかにして最新トレンドと向き合うか。そんなテーマを追求するために、今一度セダンをライバルに見据えて、ゼロから構築し直したのが新型レンジローバーなのではないかという気がした。
より大きく、低く構えられたエクステリアデザイン
ボディサイズは5005×1985×1865mmで、35mm長く、30mm幅広く、15mm低くなった。ホイールベースは2920mmで、40mm伸びている。でも見た目はそれ以上の違いがある。
ノーズはスラントし、Aピラーは寝て、ルーフはスロープし、サイドはウエッジシェイプを描く。
前後のライトまわりを含めて、イヴォークのエッセンスを融合した雰囲気。空気抵抗の低減が主要テーマだそうで、0.34のCd値は旧型より10%良くなったそうだ。
フロアは高い。乗降時に車高を落とすアクセスモードを使えば、最近のSUVの平均ぐらいになるけれど、レンジローバーの威厳を感じる。
やたらと飾らず、センスの良いインテリア空間
たっぷりしたサイズと厚みのあるクッションを持ち、座ったことはないけれど社長のイスみたいな前席は、旧型よりやや低く、座面を傾かせて背もたれを寝かせた、セダン的な運転姿勢が似合うようになった。
インパネまわりはイヴォークに似ている。
スイッチの数を半分に減らしたという言葉どおり、1000万円超えのクルマとしては異例にすっきりしていて、ウッドパネルも腰の位置より下に集中してあるから目立たない。
高級車だからとギラギラ飾るのはセンスが悪い証拠。趣味の良さとは何たるかを教えられる空間だ。
後席は身長170㎝の僕ならヒザが組めるほど広いだけでなく、座面の高さや背もたれの傾きなどすべてが絶妙で、くつろげる。乗り降りに支障がない方ならショーファードリブンも良さそうだ。
伝統どおり上下2分割のテールゲートが電動になったことも目立つ。
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