その名の通り、“最高のパフォーマンス”を発揮するランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテを世界屈指のサーキットで試す!

その名の通り、“最高のパフォーマンス”を発揮するランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテを世界屈指のサーキットで試す!
ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ海外試乗レポート/西川淳 ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ海外試乗レポート/西川淳 ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ海外試乗レポート/西川淳 ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ海外試乗レポート/西川淳 画像ギャラリーはこちら

最高出力の数値ではなく、総合性能の高さを狙ったマシン

最高のパフォーマンス=イタリア語でペルフォルマンテ、を目指すべくネーミングされたウラカンの高性能バージョン。先代のガヤルドにおける、スーパーレッジェーラに相当するモデルだ。

実は、ガヤルドスパイダーのスーパーレッジェーラ仕様がペルフォルマンテと既に名乗っていた。ランボルギーニマニアにはお馴染みの名前である。

ランボルギーニ社の開発部門を統括するマウリツィオ・レッジアーニは、筆者がウラカン ペルフォルマンテに乗り込む直前に、こうアドバイスしてくれた。

「とにかく、まずはエアロダイナミクスを体感してみてくれ。それからエンジンのトルクアップだ。あとは車体の軽さとシャシーの応答性の違いを、ぜひ感じとってほしい」

つまり、それらがこのクルマの注目ポイントだということだろう。そして、そのやりとりを聞いていたステファノ・ドメニカリCEOは、「最高出力の数値じゃない。総合性能の高さを狙ったマシンだから、存分に楽しんでくれ」、と、付け加えた。

その心が、トップニュースとなったニュルブルクリンク・ノルトシュライフェにおけるラップタイム『6分52秒01』というわけだろう。なるほど、ドメニカリがCEOに就任してすぐ、車名から馬力を表す数字を取り去ったことからも、その志の行き先が既に現れていたと言っていい。

馬力競争からの撤退は、決して後退ではなかった。むしろ、スーパーカーファンにとっては、ひとつの希望の光だと言えそう。安易なダウンサイジングターボの道を、彼らはまだ選んではいないということだからだ。

ウラカン ペルフォルマンテの最高出力は640psである。ライバルたちが軒並み700ps前後を謳い、ハイパワーサルーンでさえ600psを超えてくる昨今、スーパーカーの高性能仕様としては控えめな数字に思われるかも知れない。けれども、これは大排気量自然吸気エンジンのままで実現された数値であり、それでいて実に420Nmものトルクを、わずか千回転から発するようチューンアップされている。もちろん7速DCTも、そのパフォーマンスに見合うよう最適化された。ちなみに最大トルク値は600Nmだ。

空気の流れを大きく変えて、ダウンフォースをコントロールする「ALA」

ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ海外試乗レポート/西川淳

ウラカン ペルフォルマンテの見どころは、パワートレーンだけじゃない。

むしろそこではなく、レッジアーニが言ったように、空力デバイスにこそある。ドメニカリが言うところの“総合性能”もまた、空力デバイスの進化に拠るところが大きいと言ってよさそうだ。

新たに採用された「ALA(アエロディナミカ・ランボルギーニ・アッティーバ)」、アクティヴ・エアロダイナミクス・システムが、空力のキーテクノロジーである。これは、前後スポイラーに設けられた導風板(フラップ)を動かすことで、空気の流れを大きく変えて、ダウンフォースやドラッグをコントロールするというものだ。

フロントスポイラー(アゴの部分)の上下カウルの中には、フラップとエアチャネルプレートが挟み込まれていて、中央のアクチュエーターがフラップを動かして左右のエアチャネルを開閉し、空気をそのまま流したり、中へ取り込んだりすることができる。

リアスポイラーはもう少し複雑な仕組み。

エンジンカウル後端から取り込んだエアをウィングステーの根元にある左右それぞれのフラップを開くことでウィング内に取り込み、ウィング板裏面から吐き出させることができる。リアのフラップはそれぞれにモーターを擁し、左右独立して動かすことが可能だ。

いずれのフラップも電動で作動する。起動のタイミングは、ハンドル、アクセル、ブレーキからセンシングされた情報をマシンの頭脳にあたる統合制御システムLPI(ランボルギーニ・ピアッタフォルマ・イネルツィアーレ)によって常時解析されており、自動的に決められている。これらシステムを総称してALA(イタリア語で翼の意味)と名付けたというわけだ。

独立制御されているリアウィングのフラップにより旋回性能を高める

ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ海外試乗レポート/西川淳

ALAオフ、つまり前後のフラップが閉じている場合、スポイラーの働きはその形状に見合ったものとなり、設計最大値のダウンフォースを得ることができる。より安定した高速コーナリングやフルブレーキングが必要なときに、ALAはオフになっている。

ALAオンでは、前後のフラップが開く。フロントスポイラーのダウンフォースは減じられ、インナーチャネルから導かれたエアは空力デザインの施された車体底部を抜けていく。リアウィングでは前述したとおり、ステー内のチャネルからウィング裏面へとエアが抜けていく。そうすることでドラッグが劇的に低減され、加速性能が増し、最高速度への到達時間も短くなるという寸法だ。

リアウィングのフラップが独立制御されていると先に書いたが、これを積極利用することも可能だ。マシンが旋回中にインナーホイール側のフラップを閉じ、アウター側を開けることで、より旋回性能を高めることもできるというもの。ランボルギーニではこれを“エアロ・ベクタリング”と呼んでいる。

これは、ドライブモード制御ANIMAにおけるコルサ(サーキット)モードでのみ、自動的に起動する。ちなみにALAシステムそのものは、他のモードでも自動的に作用している(液晶パネルで状況チェックが可能だ)。作動のキャンセルはできない。

その他、フォージド・コンポジットというランボルギーニ独自のSMC成形を採用したCFRP(カーボン)を多用して40キロのダイエットを実現したことや、大幅に剛性アップを果たした前後サスペンションシステム、専用チューニングの施された可変ギア比電動パワーステアリングのLDS(ランボルギーニ・ダイレクト・ステアリング)や磁性流体パッシブダンパー、最新世代のESC、専用設計のピレリPゼロコルサ、望めばセンターロック仕様も選べる20インチ鍛造アロイホイール、クロルドリルタイプのカーボンセラミックディスクを持つ強化ブレーキシステムなど、ノーマルモデルとの違いは山ほどあって、語り尽くすにはさらなる字数が必要だ。

まるで直管!? 専用エグゾーストシステムが劇的サウンドを響かせる!

ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ海外試乗レポート/西川淳

そんなウラカン ペルフォルマンテの性能は、いったいぜんたい、どんなものなのだろう。高性能ウラカンを試す舞台として選ばれたのは、世界でも屈指の高速サーキット、イモラだった。

アルカンターラとフォージド・コンポジットCFRPで埋め尽くされたコクピットに座る。カーボンシェルのバケットシートの着座位置は明らかに低く、地面に近い。もっとも、これらはオーダーでいかようにも選べるのだが。

ハンドルの6時の位置にあるANIMAスイッチを動かして、ストラーダ(ノーマル)、スポーツ、コルサ(サーキット)とモードを変えれば、それに応じてTFT液晶メーターのグラフィックスが変わる。また、十分に暖まった状態でのアイドリング回転数は、ストラーダとスポーツが800回転、コルサで1200回転であり、スポーツとコルサでエグゾーストシステムのバルブが開くため、サウンドに迫力が増す。パイプの全長もぐんと短く、まるでレーシングカーのようにリアランプの間から後方へと突き出ている新デザインの専用エグゾーストシステムは、ほとんど直管に近い仕様だ。スポーツもしくはコルサで走行中は、劇的なサウンドを高らかに響かせる。

乗り心地は、明らかにノーマルより硬め。コンフォートシート仕様では多少マシになるとはいえ、また、アヴェンタドールSVよりも少しは当たりも柔らかになっているが、それでも、デートカー向きでは決してない。

その名に見合った完成度の高さ

ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ海外試乗レポート/西川淳

先導車がいきなりかなりのハイペースで走り出したので、コルサ・モードのまま走り出した。加速フィールは、はっきりとノーマルウラカンより速い。軽さを肌で感じることができる。ブレーキフィールも強力で、ペダルからの反応も芯がすさまじく太いから、踏みこんでいき易い。これなら安心してかっ飛ばせそう。

なにより加速の安定感がすさまじく、みるみる速度があがっていく。そして、コーナー手前でフルブレーキをかけると、ぐっと車体が沈み込んだ。ダウンフォースが効いている。面白いのはそこからで、そのままコーナリングを続けていくと、アウト側のオシリをぐんぐん押されると同時に、イン側だけしっかりとホールドされるような感覚を自分の腰に感じることができるのだ。

その勢いを借りて、コーナー出口に向けアクセルペダルを踏み始めると、こんどは嫌みのない程度に四輪駆動がパッシブに制御される。ドライバーの意欲を削がない頃合いで、前輪へより多めに、かつ適切な駆動力が配分され、脱出速度がいっそう早まる。最新版ESCに拠るところが大きい。

これまで、アヴェンタドールやウラカンに採用されてきたコルサ・モードとは段違いに楽しくて速い。これならもうテールハッピー系のスポーツ・モードなど要らないとさえ思った。実際、ウラカン ペルフォルマンテの場合、サーキットでスポーツ・モードは逆にちょっと危なっかしい。ワインディングロードを控えめの速度でちょっと楽しむ、といった使い方がベストだと思われる。

ストラーダ・モードでは、すべての応答が素直で扱い易い。それでも、ノーマルウラカンに比べれば十分に速いし、コントロールも楽しる。

総合性能の大幅な向上。ペルフォルマンテ=性能。なるほど、その名に見合った完成度の高さをみせてくれたのだった。

[Text:西川淳]

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西川 淳
筆者西川 淳

別名ボンジョルノ西川が示すとおり、大のイタリア好き。乗り手をワクワクさせる、刺激に満ちたクルマが好きなので、自然にイタリア車に接することが多い。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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