カーリースの残価設定とは? 仕組みとメリット・デメリットについて紹介

  • 筆者: MOTA編集部
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なぜ、カーリースでは月々の支払い費用を抑えられるのか。その秘密は「残価設定」にあります。今回の記事では、残価設定とはどのような仕組みなのかを詳しく解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 残価設定ってなに?
  2. 残価設定には2種類ある
  3. 残価設定ローンってなに?
  4. 残価設定ローンのメリット・デメリット
  5. カーリースが向いている人

残価設定ってなに?

残価設定とは「残存価格設定」のことです。残存価格とは下取り価格のことで、通常はその車種の中古車市場価格などを参考にして設定されます。リース契約が終了する際、残りの車の価格を設定することを残価設定といいます。

たとえば、車の本体価格が200万円だとします。残価を50万円で設置すると、残りの150万円を支払い回数で分割して月々のリース料金として算出します。

残価設定には2種類ある

残価設定には「クローズドエンド方式」と「オープンエンド方式」の2種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットなどを解説します。

クローズドエンド方式

クローズドエンド方式とは、リース会社が設定した残価や契約が終了したときの残価を契約者に開示しない方式です。

返却時に想定していたよりも車の価値が低くなったとしても残価の精算は発生しません。そのため、契約者は契約満了時に差額を請求される心配はありません。予期せぬ出費が発生しない点では、より安心してカーリースを利用できます。

オープンエンド方式

オープンエンド方式とは、リース会社が設定した残価を契約者に開示する方式です。

リース会社は、契約者に設定した残価を公開することで、月々の支払い金額を抑えられる代わりに、同意を得ることで残価を高く設定できます。

この時、返却時における残価精算の責任は契約者にあります。万が一、契約時の残価よりも返却時の残価のほうが低くなってしまった場合は、その差額分を契約者が支払わなければなりません。

クローズドエンド方式とオープンエンド方式の違い

残価設定の二つの方式における違いは、これで理解していただけたかと思います。

車の乗り方

クローズドエンド方式は契約者に残価精算の責任はありません。そのため「車の価値が下がったらどうしよう」といった心配を抱えることもありません。

対して、オープンエンド方式では、返却時に車の価値が想定よりも下がっていると残価精算を行わなければならないため、日頃から車の扱いにはより注意する必要があります。

傷やへこみがあれば、車を返却するときに原状回復をしなければいけませんが、任意保険に加入していたり、原状回復費用を補償してくれるプランに加入していれば契約者に大きな負担がかかることはないでしょう。

契約終了したときの選択肢

クローズドエンド方式では、契約終了した際の選択肢が大きく分けて2つあります。

・そのまま車を返却する

・リース期間を延長して再リースする

残価を契約者に開示しないので、残価がいくらなのかは契約者は把握できません。そのため「車を買い取る」といった選択肢はありません。

オープンエンド方式では、契約終了したときの選択肢が3つあります。

・残価精算して車を返却する

・リース期間を延長して再リースする

・残価を支払って車を買い取る

オープンエンド方式では残価を契約者に開示しているため、契約者が残価を支払えば車を買い取ることができます。

また、再リースを選択すれば同じ車にそのまま乗り続けられるため、ひとまず原状回復を回避できます。ただし、再リース契約するときには改めて残価や契約年数を設定するので、月額料金が高くなる可能性があります。

残価設定ローンってなに?

残価設定ローンとは、設定した残価を車の本体価格から差し引き、残った金額をローンで支払うというものです。

カーリースと似ている部分もありますが、月額の支払い費用に注目すると異なる点があります。

基本的にカーリースでは、契約期間分の税金や自賠責保険料といった維持費が月額の支払い費用に含まれています。

リース会社のプランによりますが、ガソリン代や駐車場代、任意保険料などを除けば、月額料金以外の費用は発生しません。

一方、残価設定ローンでは、月額料金に契約期間中の維持費は含まれていません。車のメンテナンス費用や車検費用、契約時の諸費用などが月々のローン費用とは別に発生します。

残価設定ローンのメリット・デメリット

残価設定ローンはうまく活用すれば大きなメリットになりますが、もちろんデメリットもあります。ここでは、残価設定ローンのメリットとデメリットについて解説します。

残価設定ローンのメリット

月々の支払い費用を抑えられる

残価設定は、車の本体価格から残価を差し引いて残った金額をローンで支払うので、月々の支払いを抑えられます。車にかかる毎月の負担をすこしでも減らしたい人におすすめです。

ほかの車に乗り換えしやすい

残価設定ローンは契約年数を3〜5年に設定していることが多く、同じメーカーであれば残価を据え置きで、ほかの車へ乗り換えもしやすいです。

いろいろな車に乗ってみたいと考えている人におすすめといえます。

また、3〜5年もすると経済状況や家庭環境も変わってくるかもしれません。その時々のライフスタイルに合った車を選べるのもメリットです。

下取り価格の保証

車の価値は年数が経つほど下がります。ただし残価設定ローンでは、契約するときに提示される条件を守っていれば下取り価格が保証されています。

車の価値が保証されているともいえる点は、残価設定ローンならではの魅力といえるでしょう。

残価設定ローンのデメリット

利息が高い

残価設定ローンの金利は残価を含めた元金にかかります。

そのため、最終的に利息が高くなる可能性があり、決してお得に車を購入できるというわけではありません。総支払額を考慮したうえで選ぶようにしましょう。

走行距離の制限あり

残価設定ローンでは、契約時に提示される条件を守ることが大切です。一般的に車は、走行距離が長くなればなるほど劣化して価値が下がります。

そのためローン会社によっては、走行距離に制限を設けているとこもあります。走行距離を超過すると追加費用が発生するため、長距離ドライブをされる方は注意が必要です。

車に傷が付くと追加費用が発生する

前述しましたが、車に傷やへこみができてしまうと車の価値が下がってしまうため、追加費用が発生します。

どんなに事故を起こさないように注意して乗っていても、予期せぬ事故に巻き込まれてしまう可能性もあるので、自分でコントロールが効きません。そういった場合に備えて任意保険への加入もかならず考慮するようにしましょう。

満期後に車がもらえない

契約期間が終了しても、残価を支払わない限り車をもらうことはできません。精算時にまとまった資金が必要になるので、事前にお金を用意しておく必要があります。

契約満了時にお金を支払うことなく車を買い取りたいと考えている人には、向いていないといえるでしょう。

人気の車種だと残価より価値が高くなる

残価設定ローンはあらかじめ設定した残価が変動しません。

車の再販価値に影響されないので、人気の車種は設定した残価よりも中古車市場での価値が高くなってしまうことがあります。

その場合でも残価以上の金額にはならないので、人気の車種を選ぼうとしている人には向いてないといえます。

カーリースが向いている人

車を所有する際の残価設定については、理解が深まったかと思います。

ここからは「カーリースに向いている人」の特徴をそれぞれ紹介します。当てはまる場合は、ぜひカーリースの利用を検討してみてください。

頭金を払いたくない

まとまったお金を工面することが難しいという理由などで、できる限り出費を抑えて車を手に入れたいと考えている人も多いでしょう。

車を手に入れるまでハードルを極力低くしたい人にとっては、頭金など初期費用の必要がないカーリースは、これ以上ない最高の選択肢といえるでしょう。

月々の支払いを一定にしたい

マイカーローンの場合だと、主な月々の支払いは車の本体価格です。車を所有している際の税金や車検代などの費用は別途各自で負担しなければいけません。

カーリースの場合は、車両本体価格と契約時諸費用のほかに、サービスによっては税金や自賠責保険料、維持費、メンテナンス費用などが月額料金に含まれているプランもあります。

維持費も含めた形で月々の支払いが一定になるので、家計管理がしやすくなるといったメリットがあります。

税金の手続きを軽減できる

車を購入するときは、ディーラーとのやりとりをはじめ、車の管理には案外面倒なことが多くあります。

事務手続きなども多く、とくに税金については自分の車がどのくらい税金がかかる車なのか把握していない人も多いでしょう。カーリースの場合、契約に関する手続きはリース会社が代行してくれます。

契約の手間をなるべく軽減したいという方にとってもカーリースはおすすめです。またネットで申し込みから契約まで完結できる点もカーリースならではの魅力といえます。

メンテナンスをプロに任せられるから安心

車は定期的にメンテナンスをしないと、故障リスクが高くなります。理解しているつもりでも時間がかかるうえ費用も決して安くはないため、面倒だと感じる人も多いでしょう。

カーリースであればプランによっては、月額料金に定期メンテナンス費用も含まれます。メンテナンスを自分で行う必要がないので、時期がきたら案内に沿ってお店に行くだけで済みます。

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筆者MOTA編集部

MOTA編集部。現在総勢9名で企画・取材・原稿作成・記事編集を行っています。編集部員は、自動車雑誌の編集者やフリーランスで活動していた編集者/ライター、撮影も同時にこなす編集ディレクターなど、自動車全般に対して詳しいメンバーが集まっています。

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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