スバルのドコドコ音、どこいった!? 懐かしいスバル車の「不等長サウンド」が復活していた!
- 筆者: 井元 貴幸
- カメラマン:スバル/ポルシェ
スバルのクルマが奏でる排気音は、水平対向エンジンから発せられる音として、通称「ボクサーサウンド」と呼ばれています。
「ドコドコ」というスバルファンの人には馴染み深い音ですが、一体なぜこのような独特な音がするのでしょうか。
最近のスバル車では一般的な直列エンジンやV型エンジンに近い音になっている
2000年代前半までの多くのスバル車は、独特の排気音を奏でるのが特徴的でした。この排気音はスバルならではのサウンドとして認知されていて、いわゆる「ボクサーサウンド」「不等長サウンド」とも言われていましたが、2000年代に入り徐々にそのサウンドは一般的な直列エンジンやV型エンジンに近い音へと変わっていきました。
不等長サウンドは一般的なクルマの排気音と比べ、ドコドコとその独特なビートを刻む音は好みが分かれましたが、当時のスバル車を象徴する音といえます。通常、シリンダーから出る排気ガスは、エキゾーストマニホールドと呼ばれる排気管でシリンダーの数分の本数を1本にまとめ、触媒やマフラーへと接続されます。
この各シリンダーから1本にまとめる部分までの長さが異なる場合、集合部分で排気ガスがぶつかり合い、あの特徴的な音を奏でることから「不等長サウンド」といわれています。
直列エンジンなどはそのエンジンの形状から排気管の長さをすべて同一とする「等長」にしており、排気干渉と呼ばれるこの独特なサウンドは、スバルならではの音というより、水平対向エンジン搭載車のならでは音ともいえます。実際、初代フォルクスワーゲンビートルなどスバル車以外でもこうした排気音を聞くことができます。
スバル車では古くから不等長エキゾーストが用いられている!
スバル車では2003年に登場した4代目レガシィ(BP/BL型)から、排気効率向上を目的に等長等爆エキゾーストと呼ばれる排気系へ一新。1966年に登場したスバル初の市販小型乗用車「スバル1000」以来の等長エキゾーストが復活しました。
スバル1000は当時の最新技術を徹底的に取り入れ、コストもかけて作られていましたが「スバル1300」以降のモデルでは、コスト削減や排ガス規制対応などにより不等長エキゾーストへ変更されました。
現在でも純正以外のマフラーなどを装着することで懐かしいドコドコ音が楽しめる!
その後前述の4代目レガシィ以降、再び等長エキゾーストが順次採用されていき、直列エンジンとは異なる新世代のボクサーサウンドを奏でてきました。
不等長サウンドは2015年まで販売されていたエクシーガのターボモデルを最後にいったん消滅しましたが、2020年に登場した2代目レヴォーグや5代目フォレスター(SK型)、新型レガシィアウトバック(BT型)に搭載されるCB18エンジンで、再び不等長サウンドが復活しました!
従来はエンジンから4本出ていた排気を1つにまとめるエキゾーストマニホールドが、CB18エンジンでは、エンジン内部で2本の排気を1つにまとめる形状となっています。
理由はタービンまでの排気経路を最短とすることが目的ですが、不等長とすることで、“あの音”が復活しています。
ただし、ノーマルの状態ではほとんど不等長サウンドを聞くことができませんが、純正以外のマフラーへ交換すると、スバリストの皆さんにとっては、ドコドコという懐かしい音を奏でます。
【筆者:井元 貴幸】
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