自動車メーカーが用意するクルマのサブスクは本当にお得なのか!? デメリットとメリットを解説

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自動車業界に限らず、このところ「サブスク」という言葉を目にすることが増えている。

一般にサブスクと呼ばれているのは「サブスクリプションサービス」の略称で、毎月や毎年といった定額の支払いによって製品や機能を使うというもの。“所有から利用”へユーザーマインドがシフトしているという面もある。

そんなことから、クルマの新しい利用方法としてサブスクが注目を集めている。自動車の買い方としてはリースやローンなどもあるが、サブスクで購入するメリットはどこにあるのだろうか?

目次[開く][閉じる]
  1. サブスクは支払い額が明確! サブスクとリースは何が違う?
  2. 新車から選ぶ? 中古車に乗る? 各社で異なる取扱い車種
  3. 使用期間にも大きな差が! 最短1ヶ月、最長7年までさまざま

サブスクは支払い額が明確! サブスクとリースは何が違う?

さて、自動車業界でいうともともとカーリースやオートリースと呼ばれるビジネスモデルが存在している。期間を決めて、定額の支払いで自動車税や自賠責保険を含めてクルマを利用するという点ではサブスク的だが、メンテナンス代や任意保険などをリース料とは別に負担することが多く、トータルでの支払い総額がわかりづらい面もあった(メンテナンスを込みにしたリースプランも存在している)。

そこで、完全にワンストップで、一定額を負担することによりクルマを利用しようというのが、最近増えているクルマのサブスクサービスに共通する特徴だ。つまり、車両の使用料に各種税金、維持メンテナンス費用、そして任意保険までカバーするというのがスタンダードとなっている。

そんなクルマのサブスクサービスを展開しているのは、以下の自動車メーカー5社6ブランドだ。

トヨタ:KINTO

レクサス:KINTO for LEXUS

日産:ClickMobi

三菱:ウルトラマイカープラン

ホンダ:Honda Monthly Owner(地域限定)

スバル:SUBARUサブスクプラン(地域限定)

新車から選ぶ? 中古車に乗る? 各社で異なる取扱い車種

大きな違いとして、新車を対象としているかどうかという点があげられる。トヨタ・レクサス、日産、三菱のサービスは新車を選ぶことが基本となっているが、ホンダとスバルのサブスクはすでにナンバーのついた車両から選ぶことになる。

ホンダ、スバルとも高年式なモデルを用意しているが、分類すれば中古車といえる。

言い方を変えると、トヨタ・レクサス、日産、三菱のサービスは新車の新しい乗り方だが、ホンダ、スバルの場合はレンタカーを長期割引で借りるのに近い印象だ。

いずれにしても車両の使用料にメンテナンスや車検などの整備代、各種税金、そして任意保険を含んでいるのは各社サブスクサービスで共通だ。

メーカーによって契約期間や選べる車種に違いが! トヨタは全車種選べる

そして、ホンダは名前通りに最短1ヶ月、スバルは12ヶ月と24ヶ月という短期間の設定となっているが、トヨタ・レクサス、日産、三菱のサブスクサービスは最短3年間、そのほか5年、7年のプログラムとなっている。

また、トヨタについてはヤリスやアクアからヴォクシー、ハリアー、アルファードにランドクルーザーまで選べる車種が幅広く、三菱も商用車を含めたほぼ全ラインナップから選べるが、日産はデイズ、ルークス、ノート、キックス、エクストレイル、セレナと絞られているのも違いだ。

ホンダとスバルについてはナンバー付き車を用意するので、中古車を検索するような感覚で、車種やボディカラー、装備などから希望に合うものを探すというカタチだ。ホンダは軽自動車やコンパクトカー中心だがS660が用意されていたりするのはユニーク。

スバルはアイサイトを搭載したインプレッサが中心の設定となっている。なお、ホンダとスバルについては地域限定でサービスをローンチしているので、それ以外の地域では利用することができない点は注意したい。

トヨタのKINTOはサブスクでしか選べない限定車も設定

また、ユニークなのは、トヨタが用意しているGRヤリスのモリゾウセレクションで、モータースポーツからのフィードバックを活かして、サブスクで利用している間でもクルマを進化させるというコンセプトになっている。

コスト感については主観もあるだろうが、意外に各社で異なっている。

使用期間にも大きな差が! 最短1ヶ月、最長7年までさまざま

たとえば、トヨタKINTOでアクアを利用する場合3年プランで月額4.7万円程度、7年プランであれば3.8万円弱となる。

その一方で、日産のClickMobiでノートを利用した場合は3年プランで月額6.2万円、7年プランでは4.2万円ほどの負担だ。7年プランでの料金差は4000円程度であるが、これが84ヶ月も続くとなれば、安易にわずかな差とはいいがたい。

ただし、日産と三菱のサブスクではドライブレコーダーが標準装備になるなど装備が異なるので、単純比較はできない部分もある。

そもそも自動車メーカーが行なっているサブスクサービスの対象となるのは自社モデルだけである。好きなクルマに乗りたいという思いが優先されるのであれば他社サービスがどうであろうが関係ないといえるかもしれない。

ホンダは割高に思えるが短期間で乗り換えできる付加価値も

そうはいっても、1ヶ月という短期からサブスクを利用できるホンダの場合、どうしても料金は高くなりがちで、現行型のフィットハイブリッド(中古)で月額5万円弱となる。

こう聞くとホンダのサブスクは割高に思えるが、1ヶ月単位で利用できるということは、転居や家族構成が変わったときなどに、マイカーを買うまでのつなぎ的に利用するのが正解だ。そもそも、このコスト感で長期利用を考えるのはおすすめできない。

支払い総額は127万円もの差が! 三菱の場合サブスクの方がお得になるケースも

自動車の場合、サブスクサービス以外にも残価設定ローンで購入、現金一括で購入など様々な選択肢がある。

その事実は、とりもなおさず条件次第でどの買い方・使い方がトクになるのかケース・バイ・ケースとなることを意味している。

ちなみに、三菱ウルトラマイカープランで試算すると、エクリプスクロスPHEVを3年プランで利用する場合の料金は月額8万円程度。車両価格は約415万円だから、現金一括で購入したとして36で割ると11.5万円程度となる。

さらに所有している場合は各種保険や税金、点検などのメンテナンスコストが発生する。負担は比較できないほど大きいのだ。

サブスクは下取りを利用した車格のステップアップはできない

単純な負担感としてはサブスクを利用することで豊かなカーライフは送れるだろう。ただし、サブスクの場合は契約期間がくれば車両は返却することになるので、3年後にクルマが残る現金購入と比べるのはアンフェアであろう。手元に車両があるということは、本来的なコストは下取り分を考慮しなければいけないからだ。

こうした視点でいうと、一度サブスクサービスを利用してしまうと下取りを利用したステップアップができなくなる。ただし、それは残価設定ローンでも同様であり、サブスクサービスだけのデメリットとはいえない。

【筆者:山本晋也】

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山本 晋也
筆者山本 晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ1969年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、雑誌編集長などを経て、2010年代からWEBを舞台に自動車コラムニストとして活動している。タイヤの数や有無にかかわらずパーソナルモビリティの未来に興味津々。「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることもポリシーのひとつ。個人ブログ「クルマのミライ」やYouTubeチャンネルでも情報発信中。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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