ジャガー XF 試乗レポート／清水草一(1/4)
- 筆者： 清水 草一
- カメラマン：オートックワン編集部
XFは新型XJのプレリュードだった！？
ジャガーと言えば、メルセデス・ベンツやBMWに対抗するメジャーな高級車であり、スポーティでダンディなお金持ちが乗るクルマとして、高いブランドイメージを築いていました。でもなんか最近、サッパリ見なくなったと思いませんか？
実はここ数年、日本でのジャガー販売は、真冬の大吹雪状態にある。売れ筋だった廉価モデルのXタイプがモデル末期に向かい、折悪しく08年には、親会社だったフォードがジャガーブランドをインドのタタ・モーターズに売却。タタは「君臨すれども統治せず」で、エンジニアたちに自由にやらせるイイ旦那様らしいが、Sタイプからあまりにも大胆に変身したXFがまったく不振で、日本での販売減には歯止めがかからず、昨年度はついにピーク時の5分の1くらいにまで販売台数が落ち込んでしまったのです！
なにを隠そうこの私も、最初にXFを見た時は、「なんじゃこりゃ？」と思いましたよ。古典的ジャガーの面影はカケラもない。じゃカッコいいかと言えばそうも見えない。どこの誰かもわからない、「全然知らないクルマ」になっちゃったのだ。これじゃ売れるはずがない。
が、昨年、ジャガーのフラッグシップセダン「XJ」の新型を見て、背中に電気が走った。猛烈にカッコよかったのだ。カッコいいなんてもんじゃない。あれはもはやアートだ！魂の爆発だ！すげえ！すごすぎる！そうか、XFはこのXJ登場のプレリュードだったのか。
世界的デザイナーであるイアン・カラム先生の考えていることが、ようやく少し理解できました。
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか！？』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る
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