日本にない日本車 ホンダ 「欧州シビック」/桃田健史(1/2)
- 筆者: 桃田 健史
ジュネーブショーで明らかになった、様々な事実
「なるほど、そういうことなのか!?」
ジュネーブショーで、”欧州シビックの今後”がハッキリと見えた。そこには、次期「タイプR」の日本導入の可能性が見え隠れしていた。
ホンダは今回のショーで、2台をアンベールした。
1台は、「NSXコンセプト」Ver.2。今年1月北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)で世界初公開されており、これは欧州デビューの場となった。
もう1台が、メインターンテーブルに置かれた、「シビック・ツアラー・コンセプト」だ。今年9月フランクフルトショーで量産型を発表。来年に発売予定だ。
このCセグメントワゴンは最近、注目されるセグメントだ。欧州では長期の景気低迷のため、クルマのダウンサイジングが進んでいる。そのなかで、DセグメントからCセグメントへの移行では、「少しでも車内が広い方が良い」という、ユーザーの声が多い。そのため、VWは新型「ゴルフ・ヴァリアント」、トヨタは「オーリス・ツーリングスポーツ」を投入する。ホンダもこのトレンドをキャッチアップするのだ。
さて、ホンダブース内には、もっと目立つクルマがあった。それは、2012年からWTCC(世界ツーリングカー選手権)に登場している、「シビック」ベースのレーシングカーだ。 2013年からのフル参戦が決定している。
今回の記者発表では、同車の技術をフィードバックした次期「タイプR」の開発を、今年中に独ニュルブルクリンクで開始することも明らかになった。欧州での発売は2015年である。
こうした欧州でのホンダの動きは、当然ながら、ひとつの綱で強く結びついている。
日本では、古くからのホンダファンとって、F1など「ヨーロピアン・レーシング・スピリッツ」のイメージが強いホンダ。ところがホンダ、いまだに欧州ではマイナーブランドなのだ。
ではどうして、ホンダは欧州で売れてないのか?
「最も大きな原因は、インセンティブ(販売奨励金)をつけないからだ。元来、ホンダは安売りをしないのが企業方針だ」(欧州ホンダ関係者)という。
さらには、各セグメントでベストタイミングで商品が投入できていない、という実情もある。今回発表の「シビック・ツアラー」でも、VW、トヨタのライバル車を後追いするカタチになっている。
こうしたなか、ホンダは欧州戦略の見直しを図っている。
その根幹にあるのが、1992年に稼働開始した英国工場での製造車種の転換だ。
年産能力は25万台あるのに、現在は年産15万台程度。昨年800人の人員整理も発表した。組立ラインを流れているのは、欧州「シビック」、「ジャズ(フィット)」、「CR-V」だ。
これが今後、「ジャズ」生産を取りやめ、他地域からの輸入に転換。その分、空いたところに「シビック・ツアラー」と「タイプR」を入れ込む。これにより、部品コストを削減につながるのだ。
そしてもうひとつ、大事な戦略が、「真のスポーティブランド」への飛躍だ。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。