ホンダ「ステップワゴン」の新型と旧型を比較してみた/渡辺陽一郎(2/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
内装のデザイン&居住性
水平基調のインパネは、新旧モデルとも似た形状だが、メーターの配置は異なる。旧型はハンドルの奥側に装着したが、新型ではインパネ上部の奥まった位置にある。新型のメーターは視線と目の焦点移動が少なくて見やすいが、圧迫感は少し強まった。
居住性は、1列目は旧型と同等。腰の収まりは新型も良好とはいえず、もう少しボリュームが欲しい。
2列目は、新型ではセパレートタイプが標準装着されてベンチシートはオプションになった(旧型は逆であった)。新型は座面のボリュームが増して快適になったが、セパレート/ベンチともに折り畳んで前方に寄せることはできない。荷室のアレンジは旧型の方が豊富であった。
3列目は新型が快適。足元空間が旧型よりも広く、硬い部分のあった背もたれの造りも改善されている。ただし床下格納の都合で、3列目の座面は旧型よりも奥行寸法が60mm短い。大腿部の支え方に不満を感じる場合があるので注意したい。
進化度数:5点/10点(順当に進化した)
動力性能
旧型が搭載したエンジンは、直列4気筒2リッターのノーマルタイプ。最高出力は150馬力(6200回転)、最大トルクは19.7kg-m(4200回転)であった。
一方、新型は直列4気筒の1.5リッターに、ターボを組み合わせる。性能は150馬力(5500回転)/20.7kg-m(1600~5000回転)だ。
最高出力の数値は同じだが、新型では最大トルクが1kg-m高まり、しかも1600~5000回転という幅広い領域で発揮される。アクセルを踏み増した時に、動力性能が遅れて立ち上がるターボのクセも抑えたから、新型は運転がしやすい。旧型は最大トルクの発生が4000回転を超えることもあり、実用域の駆動力もいまひとつであった。
新型の欠点は1500回転以下で駆動力が落ち込むこと。これはターボの特性だが、ステップワゴンのATは無段変速のCVTだから、不得意な回転域は巧みに避けて変速を行う。だから不都合はほとんど感じない。
進化度数:4点/10点(比べてようやく気付くレベル)
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