[試乗]ステップワゴン ”モデューロX”投入でライバル＜ヴォクシー＞＜セレナ＞を猛追せよ！(3/3)

これみよがしなスポーティではなく、理想のノーマルに仕上がった

気になるステップワゴン モデューロXの走りだが、結論から言えば、これみよがしにスポーツ性を引き上げたセットアップではなく、「本当はこうしたかったんだろうな」と言う“理想のノーマル”に仕上がっている。そう、いい意味で“普通”なのだ。

＞＞STEPWGN Modulo X(ステップワゴン モデューロX) フォトギャラリー

例えば、同じコーナーを曲がるケースで比較してみよう。ノーマルのステップワゴンでは、前後バランスの悪さから無駄な動きが多い上、フロント2輪の負担も大きく、それらがコーナリング時の不安感に繋がっていた。

モデューロXでは、サスペンションと空力の相乗効果で前後バランスが整えられたことで、コーナリング時はロールスピードもシッカリとコントロールされ、無駄な動きが抑えられている。

背の高いミニバンでも、走りを楽しく出来るのだ！

更に荷重も上手に分散され、4つのタイヤを上手に使えるようになったため姿勢も安定している。当然、タイヤの性能をより引き出すことが可能になるため、ドライバーの操作に対する正確性も上がり、結果的に安心感にも繋がる。

そう、背の高いミニバンでも、コントロール性を引き上げていけば、走りは自然と楽しくなるのだ！

この感覚は、ワインディングや高速道路のようなスピードレンジやGが高いところだけでなく、市街地などで交差点一つ曲がるだけで、誰でもわかるレベルだと思う。

「あれっ、何か運転しやすいかも」「運転が上手くなったみたい」と。

モデューロX、もはやこれは ”ミニバンのGT”である

 乗り心地の面では、ノーマルよりも若干硬めに感じる人もいるかもしれない(特に2／3列目)が、個人的には吸収性の高さや上下動が少なく、フラットライドでノーマルよりも快適に感じた。

走りの考え方や快適性とのバランスから考えると、キャラクター的には「ミニバンのGT」と呼ぶのが最もふさわしいのではないだろうか。

あとはシートとタイヤをリファイン出来たら・・・

このようにステップワゴン モデューロXは、最小限の変更で最大限の効果を感じさせる一台だが、気になる部分がないわけではない。

一つはシートで、現状はノーマルの表皮違い版を採用するが、表皮が滑りやすくコーナリング時に体を上手に支えるのが難しかった。

もう一つがノーマルと同じタイヤで、サスペンションのしなやかさに対して硬さが気になった。

どちらも専用品が設定できれば、乗り味はもっとよくなると思う。

ステップワゴン モデューロX、実はかなりお買い得です

ステップワゴン モデューロXの価格は税込み366.5万円。これだけ見ると高く感じるが、ステップワゴン スパーダの上級グレード「スパーダ クールスピリット ホンダセンシング」(299万円)に、9インチのギャザズナビゲーションとフロアマットをプラスするだけで333万632円なので、価格差は約33万円。ほかにも高価なドライブレコーダーやETC2.0機器まで標準装着されている。

見た目と乗り味の変更内容を考えれば、ステップワゴン モデューロXはかなりお買い得だと思う。

[レポート：山本シンヤ／Photo：茂呂幸正]

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HONDA STEP WGN Modulo X[FF]　主要諸元

全長x全幅x全高：4760x1695x1825mm／ホイールベース：2890mm／最低地上高：140mm／車両重量：1700kg／最小回転半径：5.8m／乗車定員：7名(8名仕様もあり)／エンジン種類：直列4気筒 DOHC 16V VTEC TURBO ガソリン直噴エンジン／総排気量：1496cc／最高出力：150ps(110kW)/5500rpm／最大トルク：20.7kgf-m(203N･m)/1600-5000rpm／トランスミッション：CVT(自動無段変速機/パドルシフト付)／タイヤサイズ：205/55R17 91V(前後)／メーカー希望小売価格：3,665,000円[消費税込]