ホンダ 軽オープン「S660」(プロトタイプ) 試乗レポート/今井優杏(5/5)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:茂呂幸正
S660の開発に秘められた、ドラマチックなストーリーとは
個人的にこのS660の魅力は、クルマ本体だけにないところにも注目して欲しいと思う。ここ20年間失われてきたホンダらしさ、ホンダだからこそ出来ることが、ふんだんに散りばめられたドラマティックな物語性を秘めたモデルであるということだ。
開発主査は若干26歳。大抜擢だ。本田宗一郎氏に憧れ、エンジニアを目指したというピュアな若者で、社内の栃木研究所創立記念イベントにて「新商品提案企画」というモノにこのS660の原案を出し、グランプリを獲得したところからストーリーは完成に向かい始める。その軽自動車スポーツモデルと、もともと小型EVのコンセプトモデルとして発表されていたEV-スターが出会い、そしてこのS660のベースが出来たのだ。
とはいえ企画キックオフ当初はかなりの弱小チームだったそう。専用の開発ルームも与えられず、研究所の片隅にてまるで同好会のように地味に検証や設計を行ってきたという(実際に一度、2011年に東日本大震災にて開発が凍結されている)。しかし、若いメンバーが多かったこのチームをベテラン勢が支え、「自分たちが本当に欲しいクルマ」を完成に向かわせた。軽自動車なら、飲み会を月一回我慢すれば若者でもスポーツカーが持てる。長く愛せるクルマであるために、努力を重ねた。
そこには往年の”ホンダらしさ”がしっかり息づいている
私が感動しちゃったのは、その、26歳の男の子(って敢えて言っちゃうけど)にすべてを任せ、GOサインを出したホンダの漢気、企業姿勢の潔さだ。そういうのもう、胸アツすぎる。
普通なら主査を挿げ替えたり、コンセプトをズラしたりしちゃうと思う。だけどそうじゃなかった。ここにホンダらしさがまだ残っていたと感じるのは、ちょっとセンチメンタルすぎるだろうか。多分この開発ストーリー動画みたいなの、観たらみんな涙が出ると思う。これからどんどん放送されていくはずだと思うから、そのあたりにも注目して欲しい。
凝り固まった既成概念ではなく、これからのホンダの姿の縮図がここに表わされているような気がした。
[レポート:今井優杏]
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