ホンダ 軽オープン「S660」(プロトタイプ) 試乗レポート/今井優杏(1/5)

ホンダ 軽オープン「S660」(プロトタイプ) 試乗レポート/今井優杏
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そうそうそう、ホンダのワクワクってこうだった!

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久しぶりにホンダがホンダらしいやりかたで斬り込んできたな、とワクワクした。クルマ好きならそのプロフィールと誕生までのバックグラウンドを知った時点で、もうメロメロになっちゃうと確信している。そうそうそうだった、ホンダってこういう風にユーザーと同じ視線に立って、そして一緒にエンジンルームを覗き込んでクルマ談義を夜通しさせてくれるような、そんな、絶頂にいい意味での油臭いクルマづくりを得意としてきた会社なんだった!って思い出させてくれた気がする。

待望の軽オープンスポーツ、「ホンダ S660」がついにヴェールを脱いだ

超・超・超期待の注目モデルであることに間違いはない。もう購入を心に決めている人もいるだろう。発売を目前に、報道陣向けに開催されたプロトタイプ試乗会へ、幸運にも参加する機会に恵まれたのでレポートしたい。

都会的かつ先進的、もうカンペキなプロポーション

ホンダ 軽オープン「S660」(プロトタイプ) 試乗レポート/今井優杏

さてまずエクステリアから見てみよう。

すでにコンセプトモデルが2013年の東京モーターショーにて公開されてきたS660だが、あのスタイリッシュで先進的な印象はきちんと踏襲されて出された。先に発売された同社フラッグシップモデル「レジェンド」にも共通するかのような近年の強い目力を持つ“ホンダ顔”でありながらも、軽自動車ならではの小さなボディのバランスを崩すようなエグさはなく、まとまり感としてはあくまでも都会的で、さらに先進的ですらある。あまりに完成品としてのバランスがいいからか、クルマだけで撮影すると実寸よりもかなりワイド&ローに感じるのだが、実際に横に立つとまるで人間のほうがガリバーみたくおっきくなっちゃった!かのような、アイコラ的奇妙な縮尺のズレを錯覚してしまう。

そのスタイルの元は「電気自動車」だった!?

ホンダ 軽オープン「S660」(プロトタイプ) 試乗レポート/今井優杏

もともとのデザインのソースになったのは、さらに遡ること2011年、同社の小型電気自動車のコンセプトモデルとして発表された“EVスター”(EV-STER)だった。その時からのデザインのブレなさをどうか写真で比較してほしい。

コンセプトモデルから量産モデルになるにしたがって、普通はちょっとずつ崩れていくのが常だ。衝突安全や歩行者安全保護、また空力や軽量化など、コンセプトモデルには求められないものの市販モデルになるからには越えなければいけない壁がわんさか山積している。

ホンダ 軽オープン「S660」(プロトタイプ) 試乗レポート/今井優杏

しかし今回はコンセプトからのデザインを死守することも開発の初期段階から大きなテーマになっていたそうで、『このまま走らせるためにはどういう機能が必要か』という推敲がなされていったという。そのため、S660は『コンセプトモデルから量産になるにつれ、どんどん格好よくなっていったんです』とは若き開発主査、椋本陵氏の談だ。

その魂は細部に宿る

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特に個人的に「これエエやん!」となったのはドアミラーの形状で、左右に大きく張り出さなくてはいけない性能特性上、市販モデルではややもすれば不恰なくらいに肥大されるが常なのだが、このしゅっとすっきりまとまった感じは感動ですらある。前方から見ると、真ん中でスっと横に入ったステーのラインが視覚的にもスリムに見せてはいるのだが、実はこれ、ステーを中心に上下同じ形状のシェルカバーでそのステーをサンドすることによって、デザインだけではなくコストの面までもをカバーしているという。

[独自のルーフ開閉方法とは・・・次ページへ続く]

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

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