[速攻試乗]「異次元の旋回力」スズカでホンダ 新型「NSX」に乗ってきた!(4/5)
- 筆者: 五味 康隆
- カメラマン:茂呂幸正・Honda
「Sport +」(スポーツプラス)モードの走りは見事!のひと言
その走り、かなり異次元!
特にアクセルレスポンス、足回りの減衰力、ハンドルアシスト、シフトスケジュール、SH-AWD、クルマ全てのアイテムがハンドリングマシンとして最大に効果を発揮する「スポーツプラス」での走りは見事。
特に旋回力はフェラーリやマクラーレンなどにも勝るレベルで、路面に引かれたレールに引っかかるようにグイ~と曲がりこむ感覚が強烈で、首が痛くなるレベルの旋回も可能。
試乗日はSUPER GT第6戦『45th International Suzuka1000km』が開催された翌日で、鈴鹿サーキットの路面にはレースタイヤの溶けたゴムがアスファルトの隙間に溶け込んでおり、それが試乗車のタイヤに付着。タイヤコンディションが良い状態で走れたのは朝の走り出し2周だけで、あとはグリップレベルとコントロール性が急激に落ちてしまったのが残念だったが、その状態でさえ「すげ~ッ」と声をあげたくなる旋回力を備えていた。
世界の名だたるスーパースポーツをも凌駕する驚異の旋回力
なぜそんなに旋回するのか?
要になるのは、ハンドル操舵に合わせて、左右前輪が独立して駆動するトルクベクタリング。具体的には、ハンドルを左に切った時には、左前輪にはマイナス駆動力の回生ブレーキが掛かり、右前輪にはプラス駆動のモーター出力が加わる。この動きで、ハンドルを切っている量以上にグイグイとクルマが曲がりこむ。これはブレーキを踏みながら旋回し出す際にも積極的に効果を発揮するもので、アクセルを踏んだ時だけではないのが魅力。
もちろん低重心な造りや足回りのしなやかな動きなど、タイヤが的確に路面に接地しているからこそ可能なこと。ちなみに曲がらないと思ったら、通常だとタブーの操作だが少しハンドルを切り込むと、もう一段曲がりこむキッカケとなる動きを生み出してくれるなど、本気で使いこなすにはSH-AWDへの慣れと経験が必要ともいえる。しかしそれを知らずとも、積極的にアクセルを踏み込みながらグイグイ曲がれて、そこに前述した排気直結バルブ常時開放による低回転から刺激的な排気音が加わる世界はとても気持ちよく独自性を感じる。
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