ホンダ 新型N-BOX(NBOX)/N-BOXカスタム(プロトタイプ) 先行試乗レポート|発売直前! 超人気軽自動車のニューモデルをいち早く徹底評価(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志・Honda
内装の使い勝手や運転席からの見晴らし・取り回し性はさらに進化
新型N-BOXの内装だが、インパネの基本デザインは先代型に似ている。ただし助手席の前側にはワイドなトレイが装着され、使い勝手を向上させた。
メーターはインパネ最上部の奥まった位置に配置した。走行中の確認がしやすく、ドライバーとの間隔が離れたから目の焦点移動も少ない。インパネの上下方向の厚みが増して圧迫感が強まった印象も受けるが、運転席に座るとフロントウインドーの下端(インパネとの接合点)は辛うじて視野に入る。つまり前方視界を損なわない範囲でメーターを持ち上げた。
フロントウィンドウは直立しており、インパネの両側には縦長のウィンドウが備わる。新型NBOXのピラー(柱)は先代型よりも細く、斜め前方の視界は向上した。
サイドウィンドウの下端の位置は先代型に比べて10mm弱高まったが、側方はおおむね見やすい。右側のサイドウィンドウから顔を出して後ろを振り返ると、後輪が視野に収まる。これは側方視界が優れた証しで、駐車場で白線と平行に停車させる操作もしやすい。後方視界も良好で、先代型に比べるとピラーを少し細くした。
新型N-BOX(NBOX)から初採用の助手席スーパースライドシートは子育て世代に最適なレイアウト
新型N-BOXの居住性は、先代型と同様に優れている。
前席は軽自動車としては座り心地が柔軟で、乗員の体が少し沈んだところでしっかりと支える。背もたれは腰を適度に包む形状でサポート性が良い。肩まわりの高さも不足していない。
助手席はベンチタイプに加えて、新たにセパレートタイプのスーパースライドシートを用意した。前後に570mm動かせる。身長170cmの同乗者が助手席に座って最後端までスライドさせると、膝とインパネの間隔が握りコブシ4つ分に広がった。インパネの下側は深く掘り込まれているから、足をゆったりと伸ばせる広さになる。この時には「運転席/助手席/後席の右側」が三角形に配置され、助手席の同乗者は運転席と後席の両方と会話がしやすい。
また助手席を前端までスライドさせると、インパネの下側に座面の前方が収まり、後席左側の足元空間を大幅に拡大できる。後席のチャイルドシートに子供を座らせる作業もしやすい。ベンチシートタイプのフロントシートでは、前後席間の移動が困難だから、チャイルドシートの着座作業を行った後、車外に出てから運転席に座る必要がある。その点で、新設定されたスーパースライドシートであれば、車内の前後移動も可能だ。
ちなみに新型NBOXに搭載されるスーパースライドシートのアイデアは、開発者が3名で乗車している時に生まれた。高速道路では車内のノイズが大きく、前後席間の会話がしにくい。そこで助手席に座る開発者が背もたれを大きく後方にリクライニングさせたら、後席の乗員と会話がしやすくなった。このような経緯もあってスーパースライドシートの商品開発が始まったという。
この車内を三角形に配置する座り方もユニークだが、車内の移動がしやすかったり、後席の足元空間を広げられるメリットが大きい。子育て世代にも適した機能だ。
新型N-BOX(NBOX)の後席空間は相変わらずの圧倒的な広さ
新型N-BOXの後席は先代型に比べて座面の柔軟性が増した。コンパクトに畳める機能を備えながら、座り心地が快適でサイズにも不足はない。折り畳みと前後スライドは左右分割して行える。
後席の足元空間はきわめて広く、後席を後端までスライドさせると、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ4つ少々だ。軽自動車に限らず、日本車全体で見ても最大級の足元空間になった。実際にはここまで広くする実用性はなく、むしろ前方にスライドさせるのが実用的(後席を前端位置にセットしても、足元空間は握りコブシ2つ半で十分に確保される)。後席を前側にセットすることで、4名で乗車しながら十分な量の荷物を積める利点もある。
このほか、キーを携帯した状態で左側スライドドアの下側で足をかざすと、自動的にスライドドアが開閉するハンズフリースライドドアもディーラーオプションとして設定した。機能を幅広く向上させている。
新型N-BOX(NBOX)、発売前からはやくも大人気の予感
新型N-BOXは従来型の欠点だった走行安定性と乗り心地を向上させ、安全装備と運転支援の機能は大幅に充実させた。居住性や荷室の使い勝手も洗練させたので好調に売れるだろう。
すでに受注も開始しているのでその状況を開発者に尋ねると「かなり好調で、ステップワゴンなどのホンダ車を含め、小型/普通車からの乗り換えがとても多い」という。
軽自動車の売れ行きがますます伸びそうだが、そこには軽自動車が破局に向かう危険も伴う。軽自動車が好調に売れて小型/普通車が減れば、軽自動車は税金が安いから税収が不足する。N-BOXは小型車以上に内容が充実して価格も高いこともあり、税金を高めるとか、軽自動車の規格を撤廃する方向での議論が進む。
この犠牲になるのが、公共の交通機関が未発達な地域に住む人達だ。これらの地域では、最近は65歳以上の高齢者比率が高く、2010年以前に届け出されたホンダライフなどの古い軽自動車が、通院や日常的な買い物の手段として使われている。軽自動車が立派になるほど、軽自動車のライフラインとしての機能が脅かされていく。
新型N-BOXのような商品はユーザーに与えるメリットも大きいが、日本の市場に適した小型車も併せて入念な開発を行い、軽自動車比率をむやみに増やさないようにしてもらいたい。日本の軽自動車には、社会福祉を含めて、いろいろな役割が果たされている。唐突に販売を開始したシビックなどと同列に、安直に考えてもらっては困る。
[レポート:渡辺陽一郎/Photo:和田清志・Honda]
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