ホンダ CR-Z 試乗レポート/松田秀士(2/4)

  • 筆者: 松田 秀士
  • カメラマン:茂呂幸正/オートックワン編集部
ホンダ CR-Z 試乗レポート/松田秀士
ホンダ CR-Zと松田秀士氏 ホンダ CR-Zを試乗する松田秀士氏 ホンダ CR-Z ホンダ CR-Z ホンダ CR-Z ホンダ CR-Z ホンダ CR-Z ホンダ CR-Z ホンダ CR-Z ホンダ CR-Z ホンダ CR-Z 画像ギャラリーはこちら

軽量に仕上がったエクステリアと心地良いドライビングポジション

ホンダ CR-Zホンダ CR-Z

CR-Zのエクステリアは、全長が4mを少し超えた4,080mm、全幅は1,740mmとそれほど広くはないが1,395mmという全高と相まってショートでワイドなルックスだ。

そして、スポーティなワイド感を演出している大きな要素に、低いフロントのデザインがある。とくにノーズに行くに従い、グッと垂れ下がり精悍な印象だ。

このフロントマスクを手に入れるために、インテークマニホールド等の高さを低減し、低ボンネット化を実現している。歩行者傷害軽減を達成しながらの低いフロントマスクの実現は、よく頑張ったと褒めてあげたい。

CR-Zのベースとなっているのはインサイト。全長を-310mm、ホイールベースを-115mmとし、逆に全幅を+45mm、トレッドを+40mm(LS比)としているのだ。

つまり、トレッドも含めて全幅がかなりワイドになり、コーナリングをイメージさせる仕上がりだ。トレッドが広くなることはブレーキングの安定化にも寄与する。

そして、ホイールベースの減少はクイックでアジリティ(俊敏性)の高いハンドリングへの近道だ。

インサイトベースとはいえ、これだけのサイズ変更にはボディ剛性の見直しや、フロントサスペンションのロアアームを鍛造アルミ製として-4kgを達成しアルミホイールも-5kgとするなど、車両重量は1,160kg(CVT仕様)とかなり軽量に仕上がっている。

6速MT仕様は、さらに-30kgの1,130kg。フロント部分で30kg軽くなるわけで、インサイト同様リアラゲッジスペース下にバッテリーを搭載して前後バランスをアジャストしているから、6速MTはハンドリングも期待できる。

前後重量配分は、60:40とFFとしては理想的といえるだろう。

ホンダ CR-Z

シートに座ってまず感じるのは、スポーツカーらしい着座位置の低さ。ドライビングポジションを低くしたことで、適度な囲まれ感が心地よい。

ホンダのモデルでこんなに低いポジションなのは、S2000ぐらいじゃなかっただろうか。

視界を確保するためにAピラーを細くした上、後退させてフロントウィンドウにカーブをつけている。これによってワイドな視界を実現し、コーナーリング時における視界の欠損が極めて少ない。また、このAピラー後退はデザインにも貢献している。

さらに、チルト&テレスコ機能によりスポーティにもコンフォートにもドライビングポジションが取れる。

ホンダ CR-Zホンダ CR-Z

インパネはこれまで採用してきた2段、3段メーターを廃止し、速度計をメーターパネル上部から中央の反射鏡に投影して見せるデジタル表示とし、その周囲に8,000rpmフルスケールのタコメーターをアナログ表示させる「スーパー3Dメーター」と呼ばれるメーターを採用。

この速度計の周囲の色がグラデーションのかかった青⇔緑に変化してエコ状態を表示し、スポーツモードでは赤に変化する。

また、瞬間燃費表示を固定化して、その他のモード表示とあわせて瞬時に確認できるなど、エコマニアには嬉しいレイアウト。インパネの表皮をソフトタッチにするために1mmのウレタン層を敷き、インナードアハンドルにもホンモノの錫を蒸着させるなど高い質感を追及している。

シートもホールディングを含めてアコードベースの専用開発のものだ。

リアラゲッジは、運転席からも届くワンタッチのバックシートを倒せばゴルフバッグ2個が収納できる。また、純正ナビのリヤビューカメラの視界が180度ととてもワイドなものになったので、車庫入れや駐車の利便性を高めているのもポイントだ。

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松田 秀士
筆者松田 秀士

1954年高知県生まれ。僧侶の資格を持ち、サラリーマン、芸能人の付き人を経て、28歳でレースデビュー。92年には、デイトナ24時間&ル・マン24時間レースに出場。94年、インディ500マイルレースに日本人2人目のドライバーとして初参戦。2年目の95年には完走を果たし、翌年、当時日本人最高位完走という成績を残した。同じ頃から東京中日スポーツ新聞等で自動車評論活動を開始。現在も執筆活動の傍ら、レーシングドライバーとしても活躍中。記事一覧を見る

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