【2022年】今から注文しても納車まで4年!? ホンダ 新型シビックタイプRに「待つ価値」はあるのか? 先代との違いを徹底比較

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:和田 清志/本田技研工業/MOTA編集部
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最近ではスポーツカーのモデル数が減少傾向にありますが、2022年9月1日(木)、クルマ好きにとっては待望の新型車となるホンダ 新型シビックタイプRが登場しました。

今回は購入を検討する方に向けて、価格や納期、先代とのスペック比較などを中心に、徹底解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型シビックタイプRの納期・価格
  2. 新型シビックタイプRのボディサイズ・デザイン
  3. 新型シビックタイプRの内装
  4. 新型シビックタイプRのエンジン・燃費・タイヤ・装備
  5. 新型シビックタイプRに近い価格のライバルとなる車種とは?

新型シビックタイプRの納期・価格

新型シビックタイプRはすでに4年ほど! 中古車市場での混乱も懸念される

今は以前に比べて運転の楽しいスポーツ指向の車種が減っていますが、ホンダ シビックタイプRは健在です。初代モデルを1997年に発売して以来、着実に進化してきました。

そして遂に新型シビックタイプRが、2022年9月2日(金)に発売されます。

クルマ好きには待望の新型車ですが、販売店に納期を尋ねて驚きました。「現時点(2022年9月1日)で注文をいただくと3〜4年はかかります」とのことです。販売店に出向いたのは発表日ですから、いきなり納期が3〜4年になったのでしょうか。

この点も尋ねました。「新型シビックタイプRは2022年7月21日に初公開され、販売店では23日から予約受注を開始しました。納期は23日に1年になり、24日には2年まで延びました」。

販売店の予約受注は公表されず、問い合わせないと分かりません。詳しいユーザーは予め情報を入手して、大急ぎで注文を入れたわけです。

ちなみに新型シビックタイプRは埼玉製作所で製造され、1か月の販売計画は400台です。納期が4年なら、単純には1万9200台を受注しています。人気が高まるのは喜ばしいことですが、納期の遅延に乗じて、中古車がプレミアム価格で販売されると市場を混乱させます。

新型シビックタイプRの価格(税込)は499万7300円ですから、中古車市場では700〜800万円で売られる可能性もあるでしょう。実際、先代シビックタイプRの新車価格は475万2000円でしたが、今の中古車価格は550〜700万円です。先代に設定されたシビックタイプRリミテッドエディションは、新車価格が550万円で、中古車価格は1000万円を超えています。

トヨタ ランドクルーザーなども中古車価格が高騰しており、メーカーはこのような状況を招かないように、生産と販売の体制を整える責任があります。

特にシビックタイプRのコンセプトは、2017年に発売された先代型で大きく変わりました。従来は高性能である代わりに乗り心地は硬く、突出したスポーツモデルでしたが、先代型では長距離移動時の快適性にも配慮されています。

新型も先代型の特徴を継承していますから、シビックタイプRを以前よりも多くのユーザーが購入することは、開発段階から分かっていたでしょう。

新型シビックタイプRのボディサイズ・デザイン

先代型の通常進化! ボディは少し大柄でゆったりと座れる

ここからは新型シビックタイプRの概要について紹介します。一言で言えば、先代型の進化版です。2021年に登場した現行シビックをベースに開発されました。新型シビックタイプRのボディサイズは全長が4595mm、全幅は1890mm、全高は1405mmです。特に全幅が注目され、先代シビックタイプRに比べると新型シビックタイプRは15mm広く、現行型のベーシックなシビックに比較すると90mmワイドです。

新型シビックタイプRのホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2735mmで、先代型よりも35mm長く、現行型シビックと同じです。シビックは前輪駆動であることもあり、最小回転半径は5.9mと大回りですが、この数値も先代型と等しいです。

新型シビックタイプRの外観はワイドなボディを生かして、フェンダーに強いボリューム感を持たせました。フロントフェンダーの後方には、アウトレットが備わり、内側の圧力を低減させて後方に向かう空気の流れを制御します。

ボディの後部も、上側にはリヤスポイラー、下側にはリヤディフューザーを装着してボディを安定させます。

新型シビックタイプRの内装

スポーツ性を高めた内装の装備がかっこいい!

新型シビックタイプRの内装は現行シビックを基本にしながら、スポーツ性を強めました。

メーターパネルは、シビックタイプR専用の10.2インチデジタルグラフィックメーターで、目盛りは時速320kmまで刻まれています。

コンフォートとスポーツモードではアナログ表示になり、+Rモードでは、サーキット走行時でもエンジン回転数を直感的に把握できる高輝度LEDレブインジケーターを表示します。

トランスミッションは6速MTのみで、シフトレバーはアルミ製です。シフトレバーが収まるセンターコンソールにも、同じ素材が使われて硬質な印象です。

前席はバケット形状のシートを採用しました。サイドサポートがしっかりと張り出して、サーキット走行時でも着座姿勢が乱れません。背中から大腿部への支え方も優れているため、長距離を移動する時でも疲れにくいです。

後席には体が滑りにくいスエード調シート表皮が使われ、中央にはカップホルダーを装着して4人乗りにしました。新型シビックタイプRの後席の足元空間は現行シビックと同じで、先代シビックタイプRに比べると、前後席に座る乗員同士の間隔を35mm広げました。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ2つ半の余裕があります。ゆったりと快適に座れます。

新型シビックタイプRのエンジン・燃費・タイヤ・装備

日常使いからサーキット走行まで思いのままに! 今まで以上に機敏に動く改良を施した

新型シビックタイプRのエンジンは直列4気筒2LターボのK20C型で、基本的には先代型と共通です。それでも実用回転域の駆動力から高回転域の吹き上がりまで、動力性能が幅広く向上しています。

新型シビックタイプRの最高出力は330馬力(6500回転)、最大トルクは42.8kg-m(2600〜4000回転)ですから、自然吸気の4L並みの性能です。先代型に比べると10馬力/2kg-m向上しました。WLTCモード燃費は12.5km/Lです。先代型は13km/Lなので、燃費数値は若干下がっています。

注目すべきは、数値よりも運転感覚です。ターボなどにも改良を加えて、軽快に素早く作動するよう改善されています。アクセル操作に対する反応は、従来以上に機敏になりました。

サスペンションは、従来と同じく前輪がストラット式、後輪はマルチリンク式の4輪独立懸架で、セッティングを進化させました。大きな影響を与えたのがタイヤです。

先代型は20インチ(245/30ZR20)でしたが、新型では19インチ(265/30ZR19)に改め、ホイールの径を若干小さく抑える代わりにタイヤをワイド化しました。

タイヤの銘柄はミシュランパイロットスポーツ4Sです。タイヤの内部構造も改善され、接地面の剛性を高めました。これらの変更により、高速域でカーブを曲がる時でも、旋回軌跡が拡大しにくいです。ステアリングホイールの操舵角に応じて、車両が確実に回り込みます。

その一方で、後輪の接地性は前輪よりも優先してさらに高く保たれ、危険を避ける時でも進行方向が不安定になりにくいです。

ドライブモードセレクトも採用しました。エンジン特性/パワーステアリングの操舵感/サスペンション(ショックアブソーバー)の減衰力/エンジンサウンドなどを調節できます。走行モードには、街中などを走る時に使うコンフォート、機敏な運転感覚を味わえるスポーツ、サーキット走行などを考慮した+R、さらにエンジン特性やサスペンションを個別に設定できるインディビジュアルがあります。このほかブレーキ性能も向上させました。

安全装備も進化しています。先代型も衝突被害軽減ブレーキと運転支援機能を併せ持つホンダセンシングを標準装着していましたが、新型では、後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットインフォメーションなども標準装着しています。衝突時に作動する運転席と助手席のニーエアバッグも加えました。

運転技術を向上させる機能も備えています。サーキットを含めて、走行中の車両情報や操作を記録して、点数によるスコア表示ができます。

新型シビックタイプRに近い価格のライバルとなる車種とは?

価格、ライバル比較

そんな新型シビックタイプRの価格は前述の通り、499万7300円です。スポーツモデルで価格が近いのは、日本車なら日産 フェアレディZ標準仕様(524万1500円)とトヨタ スープラSZ(499万5000円)。輸入車ならフォルクスワーゲン ゴルフGTI(486万2000円)などです。フェアレディZとスープラは後輪駆動ですが、シビックタイプRは前輪駆動を採用しながら、ゴルフGTIを上まわる最高峰の走行性能を備えています。

新型シビックタイプRはこれらのスポーツモデルと比較しても、遜色のない性能を有していると言えるでしょう。スポーツカー好きの方であれば、納期が4年まで長引いたとしても楽しみに待てる価値ある一台だと思います。

【筆者:渡辺 陽一郎】

ホンダ/シビックタイプR
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新車価格:
499.7万円499.7万円
中古価格:
89万円1,019.9万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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