ホンダ 新型 アコードハイブリッド[2013年・9代目モデル] 試乗レポート／松下宏(3/3)

宿命のライバル「トヨタ カムリ ハイブリッド」と徹底比較！

新型「アコードハイブリッド」の価格は、ベースとなる「LX」が365万円で、「EX」が390万円[※価格は全て消費税込み、以下同]。

EXには完全停止するなど進化した追突軽減ブレーキ(CMBS)と、全車速対応型のアダプティブクルーズコントロール(ACC)が標準装備されるのが大きな相違点。今どきの上級セダンなら、追突軽減ブレーキは標準装備にするのが当然ではないか。

アコードの価格をライバル車「トヨタ カムリ」と比較してみよう。こちらも日本ではやはりハイブリッド専用車で、アメリカで販売競争を繰り広げているカムリの価格は302万円から382万円である。単純な比較ではアコードのほうがずっと高い。

しかし、これはカムリが最上級グレード以外はカーナビがオプション設定になっているのが大きな理由で、中間グレードである“Gパッケージ”の322万円にカーナビを装着すると355万円ほどになる。パワーシートを始めとするほかの装備の有り無しを含めると、アコードハイブリッドLXとの実質的な価格差は縮小する。

さらに新型アコードハイブリッドは燃費が良い。カムリの燃費は23.4km/Lにとどまるのに、アコードハイブリッドは30.0km/Lも走るから、この差はけっこう大きい。距離を走る人だと互角かアコードハイブリッドのほうが有利になるといった印象だ。

プラグイン ハイブリッドモデルも新たにデビュー

なおアコードには、一般ユーザー向けに広く販売する「アコードハイブリッド」のほかに、「アコードプラグインハイブリッド」モデルも用意されている。価格は500万円。こちらは官公庁や法人ユーザー向けのリースなど、限定的な形で販売される。

基本はアコードハイブリッドと共通のi-MMDだが、プラグインハイブリッドはリチウムイオン電池の搭載量を増やして6.7kW/hとし、この電池に外部から電気の供給を受けることで、EVモードでの走行距離を37.6kmとした。プラグインハイブリッド車としての走行モードを基準にすると燃費は70.4km/Lになり、電力消費率は9.26km/kWhという性能を持つ。

価格が500万円とハイブリッドに比べて大幅に高くなるので、一般ユーザー向けの市販は難しいとの判断のようだ。

[レポート：松下宏／Photo：和田清志]

ホンダ 新型 アコードハイブリッド「EX」[2WD]　主要諸元

全長x全幅x全高：4915x1850x1465mm／ホイールベース：2775mm／車両重量：1630kg／駆動方式：FF(前輪駆動)／エンジン種類：直4 DOHC／エンジン総排気量：1993cc／エンジン最高出力：143ps(105kW)/6200rpm／エンジン最大トルク：16.8kg-m(165N･m)/3500-6000rpm／電動機(モーター)最高出力：169ps(124kW)/3857-8000rpm／電動機(モーター)最大トルク：31.3kg-m(307N･m)/0-3857rpm／動力用主電池：リチウムイオン電池(5.0Ah)／トランスミッション：固定比減速機／燃料消費率：30.0km/L[JC08モード]／タイヤサイズ：225/50R17 94V／メーカー希望小売価格：390.0万円[消費税込み]