日独伊スペシャリティクーペ 徹底比較(4/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
BMW全体でも屈指の“駆け抜ける歓び”
ハッチバックの130iがほぼ500万円という価格設定だったのに対して、1シリーズクーペは内容のわりに価格の上がり幅が小さかったと思う。とはいえ、1シリーズ中のトップモデルに違いなく、335iとの価格差も接近したことは事実である。335iに行きたくなるかもしれないが、335iにないMT車が選べるところは大きなポイントである。
そして1シリーズクーペは、コンパクトでスタイリッシュなクーペスタイルのボディに、ハイパワーエンジンという組み合わせとくれば、実に“走れる”クルマとして認識していいだろう。事実、このクルマに興味を持っているポルシェオーナーも少なくないという。そういう性格のクルマである。同じスペックのエンジンを積んだ3シリーズのトップモデルよりも軽量コンパクトであり、あるいはM3よりもずっとリーズナブルなコストで、同等のパフォーマンスを味わわせてくれる。BMW全モデルの中でも屈指の“駆けぬける悦び”ではないだろうか。
昨今、このカテゴリーのスポーティカーは、軒並みボディサイズが拡大し、重くなりすぎた。1シリーズクーペも、全長こそ4.4mながら、車重は1.5トンを超え、けっして軽くはない。それでも、乗れば速いし、身のこなしも軽いことも事実である。
ところで、右ハンドル仕様しか設定がないというのは、個人的には非常に残念だ。こういうクルマこそ、左ハンドル仕様で、右手でシフトノブを操りドライブしたいと思うのは、筆者だけではないだろう。
輸入車よりも“華”がある
スカイラインというクルマは、先代のV35以来、かつてのイメージと決別し、新たな価値を追求した。国内専売モデルから脱皮し、インフィニティブランドの中堅モデルとして、北米市場を主軸に捉えた商品開発が行なわれている。このクルマに日本車離れした雰囲気があるのはそのためである。そして、北米においては、同カテゴリーで幅を利かせていたBMW 3シリーズを凌駕するほどの大成功を収めているという。堂々たるボディサイズは、日本車の中ではかなり大柄に見えるが、北米では「この価格帯で、堂々たるサイズを持ち、走りがよく、スタイリッシュなクーペ」として人気を博しているという。乗るたびに、まさにそのとおりのクルマであることを認識させられる。
おそらくスカイラインクーペは、日本よりもまるっきり北米市場を向いて開発されたことが、このクルマの価値をより高めたのだろう。その優雅なルックスには、ありきたりの輸入車よりもよっぽど“華”がある。
走りのまとまりのよさにも、かつてとやかくいわれたFMパッケージ車ながら、ここまで洗練できることを実感し、感心させられた。輸入車に乗ることにこだわらず、あるいは逆に、国産車の中でコダワリの選択を、と考えている人には、実にオススメできるクルマである。
デザインが好みなら“買い”
一時期、アルファロメオは日本でも一世を風靡した。それも一段落し、アルファロメオの車種も相次いでモデルチェンジし、ヒットを象徴するモデルであったアルファ156もアルファ159にスイッチした。そのクーペ版として登場したのがアルファブレラ。まもなく消滅するであろう、アルファGTよりも現代的であり、ルックスではより個性の強さを増したモデルである。
発売からそれなりに時間が経過したアルファブレラだが、価格が高いこともあってか、あまり見かけることはない。あるいは、ジウジアーロが手がけたスタイリングが、日本人の好みとは少々違うような気もするし、ドライブを経験した人が持った印象の内容の伝播が、あまりよろしくなかったせいかもしれない。
コアなファンが求める味が薄れたことも事実だろうが、かわって高いクオリティを手に入れたことも事実。新世代のアルファロメオ車は、GMとの共同開発によるところが大きく、アルファブレラはクルマの完成度としてはいたって普遍性があり、誰でも普通に乗れるクルマではある。万人向けのスポーティカーになった。予算が許し、このデザインが好みであれば、乗り味には納得したものとして、“買い”のモデルだろう。
また、別の機会に2.2JTSにも試乗したが、エンジン、トランスミッション、駆動方式が違うとはいえ、同じ車種でこれほどドライブフィールが異なることは珍しい。こちらのほうが、ATよりスムーズに走れるし、重厚で安定した走りを披露する。これはこれで悪くない。筆者としては、この3.2JTSのほうを強くプッシュしたいと思う。
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