国産上級ワゴン 徹底比較(2/4)

国産上級ワゴン 徹底比較
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シンメトリカルAWDとCVTの走り

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これまでは比較的オーソドックスなスタイリングだったが、現行モデルではややアクの強いテイストのデザインとなり、大幅に拡大されたボディサイズとともに、見た目の存在感は大きく増した。

2010年5月の年次改良では、エンジンや足まわりなど走りに関する変更はないが、駆動系のロスをなくすなどして燃費を向上させ、エコカー減税への適合の拡大を図った。

2.5リッター自然吸気SOHCのボクサーエンジンを搭載する「25i」では、標準モデル、スポーティなSパッケージ、上級かつ快適仕様のLパッケージがあり、それぞれ各種装備をはじめ、タイヤやサスペンションも異なる。

また、ベース車に対してわずかな価格上昇で人気の高いアイテムを標準装備させた特別仕様車「Sスタイル」が追加された。トランスミッションにCVTを採用する点は、今回の3台においても、また同クラスのライバル車と比較しても特徴的といえる。

リニアトロニックと名付けられたネーミングにふさわしく、同CVTは比較的リニアで過不足ない加速感をもたらし、実燃費にも優れる。

今回の改良で、Lパッケージのタイヤ&ホイールが16インチから17インチ仕様になった。走りは概ね気になる部分もなく、いたって運転しやすい。シンメトリカルAWDは悪条件下となるほど優位性を発揮してくれるが、ドライの舗装路を巡航するなど、ごく普通のシチュエーションにおいても、その安定した走りに寄与している。

ただし、乗り心地の面で、路面からの入力がキャビンに伝わりやすい点が少々気になる。これについては次の改良を待ちたい。

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軽快かつリニアなドライブフィール

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アテンザは、日本車離れした欧州風味のスタイリングが特徴。

マイナーチェンジで、マツダ車のデザインモチーフである5角形フロントグリルを採用し、リアコンビランプやアルミホイールのデザインを変更。また、ボディカラーに写真のクリアウォーターブルーメタリックをはじめ新色が加わった。

今回の改良では、2リッター車のエンジンが直噴化され、燃費向上を果たし、エコカー減税(50%減税)および補助金の対象となった。今回の撮影車両はその2リッター車だが、比較的軽量であることもあって動力性能に大きな不満はない。さらに上を求めるようであれば、2.5リッター車も用意されている。

むしろフットワーク面の変わり幅が大きく、サスペンションはスプリングやダンパーだけでなくブッシュなど細部まで見直されたほか、パワーステアリングのチューニングも変更された。

これにより従来は少々スポーティ色の濃かったドライブフィールが、しっとりとした落ち着いたものとなり、直進安定性が向上し、転舵時のステアリングフィールのしっかり感が増した。

乗り心地の快適性も向上し、荒れた路面での突き上げ感も減り、不快に感じることはなくなった。

従来の、路面コンディションのよい状況下での圧倒的なフラット感や、キビキビとしたフットワークも、それはそれで悪くなかったが、現行の乗り味のほうが、全体としては万人向けのオールラウンドな乗り味となったといえる。

軽快かつリニアで一体感のある走り味は、今回の3台の中でも特筆できる。

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パワフルでスムーズなi-VTECエンジン

アコードツアラーアコードツアラー

ボディサイズは4750mm×1840mm×1470mmと、全長はほぼ3台とも同じだが、アコードがもっとも幅広い。

従来の控えめな路線とは大きく変わり、特徴的なマスクや、フェンダーを強調した筋肉質なフォルム、大きく傾斜したDピラーなど、ワゴンでありながらワゴンっぽさの払拭を狙ったように感じられるほどで、個性的な空気を持ったクルマとなった。また、車格が従来よりもだいぶ上がったような印象もある。

エンジンは、オデッセイのアブソルートと共通の高性能ユニットが全車に与えられている。今回の中では唯一のハイオク仕様となるが、パワフルでスムーズな吹け上がりにはさすがのものがある。

剛性の高いボディに、引き締まったサスペンションがもたらすドライブフィールは、これまたワゴン離れした「上級」な印象。ステアリング操舵力はやや重めで、重厚感とスポーティな感覚の同居した走り味に仕上がっている。

ただし、ステアリングの中立付近にアソビがあり、直進性の甘さと、切り始めの不感帯がある点は少々難点。市街地ではあまり気にならないが、高速巡航時は常に修正舵が必要となりがち。

基本性能の高いクルマだけに、こうした部分の煮詰めが惜しまれる。

アコードツアラーアコードツアラーアコードツアラーアコードツアラーアコードツアラー

デザイン・スペックの総評

ドライブフィールに各車の基本コンポーネンツやコンセプトの違いがそのまま表れている。いたって運転しやすく、シンメトリカルAWDによる全天候型の走行安定性を実現しているのがレガシィ。アテンザは、従来よりもだいぶ大人になったものの、軽快でスポーティな感覚に仕上がっている。アコードは、同じくスポーティながら、パワフルなエンジンに、ややドッシリとした印象の、上級感のある乗り味となっている。

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筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

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