国産スポーティ高級セダン 徹底比較(4/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
「特別感」への期待に応える
2004年に「フーガ」へと車名変更し、そして2代目を迎えた現行モデルは、日本でのセダン市場の低迷を受けてか、初代よりもさらに海外市場を見据えたクルマという印象が強まった。
高級セダンとしては異例なほど内外装のデザインは個性的で、新たな装備の数々を積極的に採用するなど、日産のチャレンジ精神が全面的にアピールされている。
スポーティモデルと位置づけられた370GT タイプSは、ドライブフィールもかなり刺激的に仕上げられている。かつてスポーツカーに乗っていた人も納得のフィーリングは、日産がスポーティな高級セダンという「特別感」への期待に応えようとしたことが伺える。
反面、違和感も小さくはない。率直にいって、保守的な人にはあまり向かないクルマであり、普通の高級セダンとして乗りたいのであれば、タイプS以外を選んだほうがいい。
ただし、こうした取り組みは、いろいろなトライがあって、やがていいものができあがっていくのだろうから、否定するつもりはない。そのあたりが洗練されるには、もう少し時間が必要なのかもしれない。
あくまでクラウンらしく
初代フーガが登場した2004年には、クラウンもゼロ・クラウンとなり、ホンダのレジェンドもモデルチェンジした。
その際の第一印象というと、どのクルマも似たような感じになった、というものだった。というのは、いずれもグローバルな高級セダンを目指した結果、ドイツ製のEセグメント車への対抗心をうかがわせる、操縦安定性を過度に重視した、固めの乗り心地となっていたからだ。
クラウンも、アスリートだけでなくロイヤルもしかりで、クラウンなのにこれでいいのだろうかと思わせたほどで、少々やりすぎたクルマになっていたのだ。
それがマイナーチェンジによりだいぶ見直された。それぞれが次世代に移って、よりそれぞれの役目に即したクルマになった、という印象だ。
現行の12代目は、クラウンとして好まれる乗り味がどういうものかということを、よく吟味して仕上げられたという印象だ。アスリートでもどういう味が好まれるかっていうのをよくわかって作ったような印象を受ける。
あくまでクラウンは、クラウンらしく仕上げられている。マイナーチェンジで、実情に合わせて装備の見直しと価格の引き下げが行なわれたことは、このご時勢にあっては良いことだと思う。
グローバルな高級サルーン
レクサスブランドの中で、ISとLSの間を受け持つクルマであるGSは、フーガがインフィニティブランドのMとして投入される市場でライバル関係にあり、北米など海外市場では、BMW 5シリーズやメルセデス Eクラスとも戦うグローバルなEセグメント車である。
しかし、グローバルな高級サルーンとして見ると、やや薄味という感は否めない。
機会あるごとに装備面でのアップデートを図っているところはよい。しかし、日本市場では登場から時間が経過したこともネックになっていると思われるが、積極的に選ぶ理由が見えにくいのも正直なところではある。
ただし、グローバルなクルマゆえ、実はクラウン以上に万人向けのクルマであることが、触れてみると感じられる。実は非常に万能性の高いクルマである。
何もやりすぎていないところがいい。GSの中でも、V6を搭載するGS350がもっともバランスがよく、コストパフォーマンスに優れると思える。
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