国産スポーティ高級セダン 徹底比較(2/4)

国産スポーティ高級セダン 徹底比較
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個性的なルックスと刺激的な走り

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2代目となったフーガは、これまでの国産高級セダンの常識を破る、抑揚のある面で構成された個性的なルックスを手に入れた。

初代フーガに対し、全高がわずかに低められ、全幅が40mmワイドになったボディは、今回の3台の中でもっとも実寸が大きく、前後端にかけてギュッと絞り込んでいるものの、ずいぶん大きく見える。

撮影した370GT タイプSグレードには、専用のスポーティなエクステリアパーツや20インチタイヤ&ホイールが与えられるが、20インチを履いてもそう見えないほどの視覚的なバランス感だ。

エンジンは、初代フーガにあったV8の設定がなくなり、V6のみとされ、165kW[225ps]を発生する2.5リッターと、245kW[333ps]を発生する3.7リッターがラインナップ。

いずれも7速ATと組み合わされ、今回の中でフーガのみ唯一パドルシフトが付く。

VVEL付きの3.7リッターエンジンは、やや荒々しさは残るが、力強さではもっとも上。ATにはシフトダウン時に空吹かしを行なうシンクロレブコントロールが付く。また、ドライブモードセレクターなどの新機構を採用した点も特徴だ。

「エコ」に設定すると反力を生じることでエコドライブを意識させるエコペダルは、違和感はあるが面白いアイデアである。

ディスタンスコントロールアシスト機能を持つインテリジェントペダルは、状況によってはかなり強めの減速を行なう。シャシーについては、リアサスペンションが新しくされ、一連の日産のFR車において、半世代ほど進化したプラットフォームとなった。

さらにダブルピストンのショックアブソーバーを採用し、乗り心地と操縦安定性の両立を図っている。また、スポーティグレードの370GT タイプSには、4WAS(4輪アクティブステア)やスポーツチューンドサスペンションが与えられる。

乗り心地は固めで、ステアリング操作に過敏に反応するなど、やや過剰演出な印象もあるが、スポーティで刺激的なドライビング感覚を味わうことができる。

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アスリートとはいえ快適性を重視

トヨタ クラウンアスリートトヨタ クラウンアスリート

2008年2月からの12代目クラウンアスリートは、先代のゼロ・クラウンの基本コンポーネンツをキャリーオーバーしつつ、各部が洗練される形で登場した。

かねてからのクラウンユーザーのためか、全幅が唯一1,800mm未満に抑えられている。エクステリアデザインにもゼロ・クラウンの流れが残り、より各部が印象的に造形されている。

アスリートでは、メッシュタイプのフロントグリルや、バンパー形状、前後ランプなどがスポーティなルックスとされている。2010年2月のマイナーチェンジにより、フロントのフォグランプやホイールのデザインが変更されたことが目につく。また、ルーフアンテナがレクサスと同じシャークフィンタイプとなった。

エンジンはV6のみの設定で、232kW[315ps]の3.5リッターと、158kW[215ps]の2.5リッターを用意。いずれも6速ATとの組み合わせとなる。

走りの滑らかさは印象的で、エンジンはスムーズかつ力強く、シルキーな回転感を持つ。ステアリング操舵力やフットペダルの踏力も軽く、足まわりはしなやかに動き、サスペンションブッシュもソフト。

乗り心地の快適性は極めて高く、いたって運転しやすく味付けられており、静粛性にも優れている。

「アスリート」としてのスポーティテイストを追求しながらも、日本の道路事情において不満がないことを意識してセッティングされた印象だ。

これは、先代ゼロ・クラウンともニュアンスの異なる点で、おそらくクラウンユーザーにとっては、たとえアスリートといえども、こうしたテイストが好まれるとの判断があったのだろう。

なお、2010年1月のマイナーチェンジで、2.5リッターモデルがレギュラー仕様となり、2WDで10・15モード燃費12.4km/Lを達成し、エコカー減税の対象となった。

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万人向けのドライブフィール

レクサス GSレクサス GS

レクサス GSは2005年の登場と、それなりに時間が経過しているが、前後に長いキャビンを持つ伸びやかなプロボーションや、国産車らしからぬデザインセンスを随所に採り入れた先進性のあるスタイリングゆえか、あまり古さを感じさせない。

エンジンは、フーガにV8のラインナップが無くなったため、今回の中では唯一V8の設定があり、2007年10月のマイナーチェンジで、LSと同じ4.6リッターユニットと8速ATが設定されている。

GS350に搭載されるV6の3.5リッターユニットは、クラウンと同じく232kW[315ps]を発生する。クラウンとは、プラットフォームのルーツをたどると同じところに行き着くが、乗り味はだいぶ異なる。

そのフィーリングは世界の市場、特にドイツ車などと渡り合うことも意識したことを伺わせるもので、市街地のソフトさよりも高速巡航時のフラット感やスタビリティを重視している印象を受ける。

多少の突き上げ感はあるし、電動パワステの操舵フィールもやや重めとなっている。故に、いささかソフトな乗り心地に終始した感のある現行クラウンに比べると、GSのほうが走りを積極的に楽しみたい人にとっては、不満が無いのではと思われる。

また、フーガのタイプSのように、スポーティテイストを過度に演出しすぎている印象でもない。その意味では万人向けのドライブフィールといえる。

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総評

エクステリアは、北米を主体に中国でも売ろうというフーガ、中国でかなりの台数を売りながらも、あくまで日本を主体とするクラウン、もっともグローバルなデザインテイストのGS、という印象。ドライブフィールもそれぞれ合わせて味付けられており、3台のキャラクターはだいぶ異なっている。フーガは高級セダンとしては異例といえる刺激的な味を持っているのが印象的。クラウンは逆に、不快と感じられそうなものを徹底して排除することを狙ったように思われる。総合的に見ると、GSがもっともグローバルで標準的といえそうだ。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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