ヤリスクロスとヴェゼルの前席を比較! コスト主義のトヨタとデザイン重視のホンダ、思想の違いが明らかに!?【人気コンパクトSUV比較】
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
ホンダの人気コンパクトSUV「ヴェゼル」が2021年4月22日(木)、フルモデルチェンジを実施した。先代は長くクラスTOPの人気モデルだったが、後発のライバル車「トヨタ ヤリスクロス」が2020年に登場して以来、流れが変わった。
今回は宿命のライバルである新型ヴェゼルとヤリスクロスの内装、特に前席の居心地や使い勝手に特化し、2台の違いをチェック。2台を比べてみると、ホンダとトヨタの考え方の違いが明確に表れた内装だった!
コスパ高い「ヤリスクロス」の内装はコンパクトカー「ヤリス」そっくりだった
新車価格179万円から! 新型ヴェゼルに比べ断然安いヤリスクロス
2020年8月31日に発売を開始するや、瞬く間に人気モデルとなったトヨタのコンパクトSUV「ヤリスクロス」。
その人気の理由はいろいろとあるが、大きいのはコストパフォーマンスの高さだろう。
消費税を含む販売価格は、1.5リッターガソリンモデルで179万8000円から244万1000円。ハイブリッドモデルでも228万4000円から281万5000円と、メインは200万円台の価格帯に収まる。
消費税が10%になったことや、先進運転支援システムなど高価な装備の数々が標準化されたこともあり、近年クルマの価格は上昇傾向にある。そんな中で、いま流行りのSUVが100万円台から手に入るのだから、大人気なのもうなずける。
ちなみにライバルのホンダ 新型ヴェゼルの価格は227万9200円から329万8900円。決して高価ではないのだが、ヤリスクロスに比べると割高に見えてしまう。
ヤリスクロス低価格の秘密は内装に隠されていた!?
本題の内装を観ていこう。ヤリスクロスの内装に、特別な豪華さや派手さはないが、全体に質感は高い。そしてクルマに詳しい方なら、アッと思われるかもしれない。
ヤリスクロスはコンパクトカー「ヤリス」のプラットフォームをベースに造られたコンパクトSUVだが、運転席・助手席の正面にあるインパネ(ダッシュボード)のデザインは、そのヤリスに良く似ているのだ。
それもそのはずで、多くのパーツをヤリスと共通化している。そうすることでコストを抑え、結果として多くのユーザーをひき付ける低価格帯を実現している。
「インパネをヤリスと共有している」は、オーナー以外はおそらくほとんど誰も気にしないところであり、しかもコストを抑えた分はしっかりユーザーに還元されているのだから、誰も損はしていない。そうしたトヨタの狙いが見事に当たっている。
新型ヴェゼルはしっかりコストをかけた専用デザインの内装が好印象
続いて、新型ヴェゼルの内装を観ていこう。
ヤリスクロスがヤリスをベースに誕生したと記したが、新型ヴェゼルも同様に、ホンダの代表的なコンパクトカー「フィット」のプラットフォームやパワートレインをベースに誕生している。
しかし先代モデルもそうだったが、新型ヴェゼルからフィットの流用を感じさせる部分は極めて少ない。よくよく見較べてみると、エアコンの操作パネルなどが共通であることを発見できるが、インパネ全体の形状は新型ヴェゼル専用のデザインが与えられている。
ヤリスクロスの項で「(コンパクトカーとの)インパネの共有は、オーナー以外は誰も気にしない」としたが、実際に買うのはオーナーであって、やっぱり気になる人は多いだろう。外観デザインの良し悪しも大事だが、乗車中常に向き合う内装の満足度はもっと大事なポイントのはずだ。
専用デザインの内装で「プラスアルファの体験価値を提供」する新型ヴェゼル
ホンダが発表した新型ヴェゼルのプレスリリースには『日常生活の質の向上を重視し(中略)、実用性だけでなくプラスアルファの体験価値を提供することを目指して開発』したとある。
フィットとデザインを共有化し、コストを抑える手法もあったはずだが、ホンダはあえて手間のかかる専用設計を選んだ。
運転席に座ってみると、新型ヴェゼルは前方や周囲の視界が良好で、解放感がある。
実は新型ヴェゼルは、先代モデルと車体の全長がほとんど変わっていないのだが、乗り比べると新型のほうが広く感じられる。もちろん設計段階で前後シート位置や荷室空間の見直しなども行われているが、開放感のあるインパネデザインの効果も少なくない。専用設計の効果は、こうしたところにも表れている。
コスパを重視するトヨタと、ユーザーの感性を重視するホンダ、あなたの好みはどっち!?
コンパクトSUVのライバル車、トヨタ ヤリスクロスとホンダ 新型ヴェゼルの内装デザインの違いから、トヨタとホンダのクルマの設計に対する考え方の違いすらも浮き彫りになった今回の比較。
このように内装ひとつとっても、コストパフォーマンスに優れるヤリスクロスと、デザインや居心地の良さを重視した新型ヴェゼルという考え方の違いが現れている。
ライバルの2台と書いたが、ここまでキャラクターが明確に違うと、選ぶ側にとっても好みがはっきり分かれてくることだろう。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。