天国と地獄を分ける!? 人気車と残念なクルマの違いはここだ! SUV編
- 筆者: 渡辺 陽一郎
2019年にデビューした新型車の中でも、好調に売れた人気車と残念なクルマがある。販売格差はなぜ生じたのか、同じカテゴリー同士の車種を比べながら探ってみたい。今回はSUV編をお届けする。
トヨタRAV4 VS レクサスUX
最近はSUVの人気が高く、2019年には4月に登場したトヨタRAV4が話題になった。5月から10月には、SUV(軽自動車を除く)の最多販売車種になっている。
予想以上の人気!? オフロードも走破する新型RAV4
RAV4は海外向けに開発された3ナンバー車で、前輪駆動をベースにした4WDを搭載するシティ派SUVに含まれるが、外観は野性的。
駆動方式も4WDが中心で、グレードによっては、後輪左右の駆動力を変化させてカーブを曲がる性能を高める機能も採用する。舗装路、悪路ともに走りやすく、運転感覚は少しスポーティだ。
最近のSUVでは居住性や積載性が向上したが、オフロード感覚は希薄で、背の高いワゴンのように感じる。そんなSUVが少しマンネリ化したところに、原点回帰を思わせるRAV4が登場し、ヒットしたのだ。
またRAV4は後席と荷室に十分な広さがあり、ファミリーカーとしても使いやすい。
「カッコ良くて実用的」というSUVの本質を突いたことも人気の理由である。
後席や荷室が狭いにも関わらず、価格に割高感が伴うUX
一方、2018年11月27日に発売して2019年に入ってから販売を本格化させたレクサスUXは、同じSUVでも売れ行きが伸び悩む。月別の登録台数を見るとRAV4の20%程度だ。
レクサスUXの価格は、2Lノーマルエンジンを積んだUX200の標準仕様が397万2222円(駆動方式は2WDのみ)、2LハイブリッドのUX250hは2WDが432万8704円、4WDは459万3519円。
また、RAV4は、2Lエンジンに後輪左右の駆動力配分を制御できる4WDを組み合わせたアドベンチャーが319万5500円、ハイブリッドGは388万8500円(駆動方式は4WDのみ)になる。
レクサスUXはRAV4よりも高めの価格ながら、プラットフォームはひとまわり小さなC-HRと共通であるため、後席や荷室も狭め。内装はレクサスの割に上質とはいえず、運転するとステアリングホイールまで細かな振動が伝わるなど走りにも不満がある。しかし、その割に価格は高いという、SUVの原点回帰を感じさせて実用性も伴うRAV4に比べて売れ行きを下げた。
クルマだけが問題ではない? 販売方法にも違いが
もちろん販売店舗数の違いもある。
RAV4を扱うトヨタカローラ店とネッツトヨタ店は、全国に合計3000店舗弱を展開するが、レクサスは約170店舗。レクサスUXの販売網はRAV4の約6%のため、ますます売りにくくなっているのである。
次回はハッチバック&セダン編をお届け! お楽しみに!
[筆者:渡辺 陽一郎]
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