LC/NSX/GT-Rを徹底比較 ~日本が誇る憧れの高性能スポーツカー~(2/4)

LC/NSX/GT-Rを徹底比較 ~日本が誇る憧れの高性能スポーツカー~
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【レクサス LC】デザインの斬新なボディにV8エンジンとV6のハイブリッドを搭載

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以前のレクサスのデザインはプレミアムブランド中では控え目な印象で、アウディに近い印象だった。それがフロントマスクにスピンドルグリルを採用してからは、ボディサイドも含めて鋭角的な形状に変わっている。

レクサス LCはLサイズの2ドアクーペで、後席を備えた4人乗りとなる。フロントマスクやリアビューには縦と横のラインが入って奇抜な印象だが、ボディ全体を見た場合、レクサス ISほど繁雑には感じない。

全長は4770mmと長く、全幅は1920mmとワイド、全高は1345mmだからGT-Rよりも低い。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2870mmと長く、ボディの四隅に4輪が踏ん張った形状だ。

サイドウインドウの下端は高めで、後ろに向けて大きく持ち上げた。そのために躍動感が伴い、小さなサイドウインドウによって塊感も演出されている。

ボディの基本スタイルは後輪駆動スポーツの典型で、プロポーションはアストンマーティン ヴァンテージなどに近いが、細部の形状に凝っている。外観の好みは見る人によって異なるが、目立つことは確かだ。

エンジンはLC500hにはV型6気筒3.5リッターをベースにしたハイブリッド、LC500にはV型8気筒の5リッターを搭載する。ハイブリッドのエンジンとモーターの駆動力を合計したシステム最高出力は359馬力。レクサス GS450hの3.5リッターハイブリッドが348馬力だから、LC500hの数値が少し上まわる。

V8エンジンは最高出力が477馬力(7100回転)、最大トルクは55.1kg-m(4800回転)。同じユニットを搭載するGS FやRC Fの477馬力(7100回転)/54kg-m(4800~5600回転)と同等だ。

トランスミッションはハイブリッドが無段変速に4速の有段機能を組み合わせており、V8は10速ATになる。

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【ホンダ NSX】鋭角的なミッドシップのボディに高機能なハイブリッド4WD

ホンダ NSXホンダ NSX

ホンダ NSXは2人乗りのスポーツカーで、エンジンとハイブリッドシステムを座席の後部に搭載する。

前後輪の間に重いエンジンと乗員が位置するため、カーブを曲がる時も慣性の影響を受けにくい。前後輪の荷重配分は42%:58%とされ、後輪側が少し重い。NSXは4WDだがエンジンの駆動力は後輪に伝わるため、この荷重配分は伝達効率を高める上でも有利だ。

エンジンをボディの中央に搭載するミッドシップレイアウトだから、LCやGT-Rと比べて外観の見え方も異なる。フロントピラー(柱)と前輪の間隔が短く、フロントオーバーハング(前輪よりもボディが前側に張り出した部分)は長い。フェラーリ 488、アウディ R8などミッドシップスポーツカーならではのプロポーションだ。

ボディサイズは全長が4490mm、全幅は1940mmに達して、全高は1215mmに抑え、GT-Rに比べると155mm背が低い。「ワイド&ロー」の典型で、LCやGT-Rとは異なるスポーツ性を感じる。

横方向から見た印象は、フェラーリよりもアウディR8に近い。

フロントマスクには横長のヘッドランプが装着されて6個のLEDを使う。NSXは日本ではホンダ車として売られるが、海外では上級のアキュラブランドに属するため、フロントマスクもレジェンド(アキュラ RLX)を薄型にしたような形状だ。

エンジンはV型6気筒3.5リッターのツインターボで、後輪には1個のモーター(最高出力は48馬力)、前輪には左右それぞれにモーターを備え(1機当たり37馬力)、合計3個のモーターを使うハイブリッド4WDとした。エンジンとモーター駆動を合計したシステム最高出力は581馬力と強力だ。トランスミッションは9速ATとなる。

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【日産 GT-R】複雑な4WDシステムを備えた高性能スポーツカー

日産 GT-R(2017年モデル)日産 GT-R(2017年モデル)

日産 GT-Rは、もともとスカイラインの高性能モデルとして設定され、現行型(R35)の外観も一般的な2ドアクーペの形状だ。ボディサイズは全長が4710mm、全幅は1895mm、全高は1370mmだから、今回取り上げた3車種の中では最も背が高い。ホイールベースは2780mmだから、全長を考えれば平均的な長さになる。

LCはレクサス、NSXは海外ではアキュラに属するが、GT-Rはインフィニティではなく日産ブランドだ。そのためにレクサス LCのスピンドルグリルのようなブランドの統一性はなく、GT-Rとして独自の顔立ちに仕上げた。機能を優先させた印象で、LCに比べると外観の見え方は大人しい。

エンジンはV型8気筒の3.8リッターにツインターボを装着した。最高出力は570馬力(6800回転)、最大トルクは65kg-m(3300~5800回転)となる。

駆動方式はトランスアクスル方式の4WDで、リアデファレンシャルギアの前側に、2組のクラッチを使う6速ATを配置した。そのために前後輪の重量バランスも54:46と優れている。

トランスアクスル方式の4WDはメカニズムは複雑だ。エンジンの駆動力は、カーボンコンポジットプロペラシャフトによってボディの後部に配置されたトランスミッションに伝わり、そこから改めて前輪に、フロントプロペラシャフトで伝える。つまりGT-Rは2本のプロペラシャフトを備えている。

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デザイン・スペックの総評

最近は二酸化炭素の排出抑制も重要な課題になり、高性能スポーツカーにも環境技術が求められるようになった。「高性能車のユーザーは燃料代を気にしない」という次元の話ではない。

ハイブリッドのLC500hはJC08モード燃費が15.8km/L、NSXは12.4km/Lだから、燃費数値は2リッターの自然吸気エンジンを搭載するトヨタ 86、マツダ ロードスターRFと同等だ。動力性能を考えると燃料消費量は少ない。

ところが同じLCでも、V型8気筒5リッターのLC500は7.8km/Lで、燃費数値上は約2倍の燃料を消費する。GT-Rも8.8km/L(プレミアムエディションは8.6km/L)だ。

大排気量エンジンはアイドリング時の燃料浪費も多いが、アイドリングストップ機能はハイブリッドを除くと装着されていない。

この点をLCの開発者に尋ねると「V8エンジンは昔ながらの豪快な運転感覚を重視しており、アイドリングストップは馴染みにくいと判断した」と返答した。このV8は設計が古く、アイドリングストップを装着しにくい事情もあるだろうが、2017年に発売する新型車としては不可欠の装備になる。

副次的な要素としてエコカー減税にも触れたい。

レクサス LC500hはハイブリッドとあって2020年度燃費基準プラス20%を達成した。今はプラス30%でないと免税にならないが、取得税が60%、重量税は75%の減税対象に入る。そのために購入時に納めるこの2つの税額は合計14万2500円だ。

減税対象外のLC500と比べると、車両価格はLC500hが50万円高いが、税額の違いで実質差額は23万1600円に縮まり、ハイブリッドが購入しやすい。高価格車ではエコカー減税の違いが税額を大きく左右する。

NSXは2015年度燃費基準プラス10%を達成したが、平成17年度排出ガス基準は、75%をクリアできず50%にとどまった。後者のためにエコカー減税には該当せず、高価格車だから取得税だけでも59万2500円に達する。重量税は4万9200円だ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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