日・独・伊 コダワリのダウンサイジングカー 徹底比較(2/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:堤晋一
洒落たスタイリングと軽快な走り
従来のプントに代わり、Bセグのど真ん中からCセグに近づくサイズに上級移行して登場したのがグランデプントだ。
日本では、2006年6月から3ドアのスポーティグレードが先に発売され、2006年10月より、今回紹介するベーシックな5ドアのデュアロジック系モデルが追加された。77psの1.4L 8バルブSOHCエンジンに、ATモード付き5速シーケンシャルトランスミッションを搭載する。
ジウジアーロがデザインしたスタイリッシュなエクステリアは、ノーズ、ヘッドランプの造形美にはじまり、前進感のあるサイドビューに、リアビューはランプ類などの要素を上に寄せ、ボディパネルの造形を強調している。小洒落た印象で、スポーティで上品なイメージもある。
デュアロジックは、シフトチェンジ時にやや空走感はあるが、コツをつかめば、それほど気にならない。オートモードにすれば、一般走行では、ATのような使い方もできる。
エンジンは、低回転でも十分に扱いやすく、普及型といってもなかなか活発で、上まで回して楽しみたくなるたくなる味がある。
フットワークは、軽快な走り味ながら、直進性も高く、しっかり感がある。乗り心地もソフトに快適に保たれている。「CITY」モードにすると、ステアリングが軽くなり、車庫入れ時などに重宝する。
「これで十分」と感じさせる走行性能
すでに登場からずいぶん時間の経過したゴルフ5だが、世界標準たる立ち位置はゆるぎない。エクステリアは、端整でコンサバな中に、エモーショナルなテイストも見られる。
今回の中では唯一5ナンバー枠を超える全幅を持つが、居住性や安全性の時代の要求からすると、グローバルな視点では、この大きさが必要ということなのだろう。リアにマルチリンクサスペンションを採用していることも特徴で、操縦安定性と快適性を高いレベルで両立している。
2008年6月には、従来の「ゴルフE」に代えて、1.4LのシングルチャージャーのTSIエンジンに、従来の湿式クラッチの代わりに、乾式クラッチを採用した、7速DSGを搭載する「トレンドライン」が追加。
エンジン出力は、微低速域でややトルクの薄さを感じるが、2000rpmあたりで十分なトルクを発生し、過給機付きエンジンらしい盛り上がりのあるトルクを得られる。動力性能に不満はなく、ゴルフには3.2L V6を頂点に、多数のパワーユニットが用意されているが、ボトムに位置するこのエンジンでも、「これで十分」と感じさせる。半クラッチの制御もまずまずスムーズで、ややレスポンスにタイムラグはあるものの、クリープもある。
基本は骨太感のあるフットワークは、エコタイヤを標準装備するため、絶対的なグリップレベルはダウンしているものの、乗り心地の悪化は気にならず、ゴルフらしく前輪はしっかり路面をつかんでいる感覚がある。
コンパクトカーらしからぬ雰囲気と走り
現在、日本の自動車メーカーが生んだCセグの世界戦略車は多数存在するが、その中で、5ナンバーサイズを堅持しているのは、事実上ティーダのみとなった。スタイリングには、日本車っぽくもあり、日本車らしからぬ雰囲気もあり、なかなか華がある。2008年1月のマイナーチェンジで、フロント/リアまわりのデザインが変更され、より煌びやかな印象となった。
居住性向上のため、かなりサイドウインドウが直立気味に設定されているし、車高も高いのだが、巧みな面処理により、あまりそのハンデを感じさせない。室内空間とスタイリッシュさを上手くバランスさせたデザインだと思う。
1.5Lと1.8Lエンジンが用意され、基本的にはCVTが組み合わされる。1.8L車では、今やこのクラスでは貴重なMT車を選ぶこともできる。
動力性能的には、1.5Lでも十分。効率がよく、制御のこなれたCVTが、ゼロスタートからスムーズに加速し、燃費にも優れる。
フットワークでは、上級車なみのプリロード付きバルブやリップルコントロールを装備するダンパーを装備し、操縦安定性と快適な乗り心地を両立しているところも、ティーダらしい部分である。
デザイン・スペックの総評
ボディサイズは、グランデプントが4050×1685×1495mm、ゴルフが4205×1760×1520mm、ティーダが4250×1695×1535mmとなっている。
グランデプントは、この中ではコンパクトであり、BセグとCセグの中間的位置づけとなる。この中では、ハッチバックながらスタイリッシュである点に、ジウジアーロの仕事を感じる。
ティーダは、日本車ではあるが世界戦略車でもあり、それがルックスにも表れているが、もう少し若々しいイメージがあってもいいのではと思う。
走行性能面では、エンジンが、1.4L~1.5LのNAと、1.4Lターボだが、やはりNAとターボには明確な違いがある。トランスミッションは、3台ともAT免許でも乗れるが、AMT(2ペダルMT)が主流となりつつある欧州車に対し、CVTを推す日産の日本車という印象。いわゆるATは、今回はナシ。そして、この違いは明快にドライバビリティ面でも表れているので、購入検討の際は、ぜひ試乗して確認してから選びたいところである。
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