日・独・伊 コダワリのダウンサイジングカー 徹底比較(3/4)

日・独・伊 コダワリのダウンサイジングカー 徹底比較
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上級グレードは充実の快適装備

インパネフロントシート

シンプルな構成のインテリアだが、シンプルなデザインで終わらせたくないというデザイナーの想いを感じる。全体に微妙な膨らみをつけて、柔らかなラインで包む一方で、細部まで資材や形状にこだわり、質感を演出している。

シートも丸みを帯びていて、運転席はハイトアジャスターやランバーサポートも設定されており、居心地はよい。Aピラー前の三角窓は視界の向上に貢献している。

リアシートも座面長が長く、ヘッドクリアランスこそ少し小さいが、横方向も十分に確保。また、ダブルフォールディングが可能で、フロアが低い位置でフラットになる。

ラゲッジは、テールゲートを防犯のため外から開けられないように割り切ったところも特徴だ。

標準のデュアロジックのほか、装備の違いによって、「キロ」「メガ」「ギガ」「テラ」のグレードが設定されている。ギガ以上であれば、概ね上級装備は標準で付く。

パイピングを施したレザーシート、大きな開口面積を誇るサンルーフも付く。クリアランスソナーも設定される。

2008年3月より、ESPやブレーキアシストを始めとする最新の安全デバイスも全車に標準で装備されている。全体的に、この価格帯ながらライバルに比べてもひとクラス上の装備がおごられているところもグランデプントの特徴だ。

リアシートラゲッジメーターシフトサンルーフ

奇をてらわず素性を磨き上げたパッケージ

インパネフロントシート

このサイズの中で、ここまで突き詰めてパッケージングできることにチャレンジしたように思える。前後ドアやテールゲートの開口形状や、居住空間や荷室、室内の収納スペースの設定なども、本当によく考えて設定されたように感じられる。

運転席からの視界は、整然としており、いろいろなものが低くにある印象。ウインカーに連動してドアミラーのエッジも光るなど、細かな配慮も見られる。

頭上のグラスホルダーや、センターコンソールや、ドアポケットの容量や形状も、日本のミニバンを研究したかのような、工夫の痕跡がうかがえる。ただし、グレード体系的にいたしかたないのだろうが、トレンドラインでは、エアコンがマニュアルとなる点は惜しい。

後席へのアクセス性もよく、居住性も十分であり、理詰めのパッケージである。リアシートは、ダルブフォールディングではなく、そのまま前倒しするタイプ、少し段差は残るが、そのまま倒して使えれば簡単だし、十分に便利、という割り切りの設定のようだ。

安全装備も、ESPや8エアバッグを全車標準装備とするなど充実している。

トレンドラインは、標準では足元がスチールホイール+フルホイールキャップとなり、やや見た目が素っ気ないので、できれば手を入れたいところだ。

リアシートラゲッジメーターシフトラゲッジ

クラスを超えた広さとクオリティ感

インパネフロントシート

コンパクトカーの概念を破る居住空間と、クオリティ感あるインテリアが最大の特徴だ。

インパネを、より幅広く分厚いイメージとし、広々感を演出。内側に調整レバーを配したシートや、ドアトリムとの位置関係を拡大することで、もともと大きな空間を、より広く、より高品質に見せている。ブラック系だけでなく、こうしたベージュ系の内装が選べるところもポイントだ。

最大でシーマをしのぐニースペースを確保したという後席の空間も非常に広く、フロアがほぼフラットになっている点も特徴だ。後席アームレストもかなり大きい、リクライニングもできる。リアシートは240mmものロングスライドが可能で、ニールームと荷室長の配分を任意に調整できるようになっている点も特徴。これにより荷室を最大とした場合には、ステーションワゴンなみのスペースを創出することもできる。

安全面では、前席アクティブヘッドレスト、ABS標準装備は標準装備されるが、横滑り防止装置の設定がないところは、今となってはやや片手落ちか。逆に、バックビューモニター、サイドブライドモニター、インテリジェントキーなどがオプションで選べる点も、ティーダならではのアドバンテージである。

リアシートラゲッジメーターシフトドアオープン

内装・装備の総評

ボディサイズこそ近いが、室内空間に対する考え方の違いが、各車に表れている。価格帯は近いものの、車種の中でのグレードの位置づけの違いがあるので、一概に比較できないのだが、このクラスも、高級化、装備の充実が進んでいることは明白だ。

分割可倒式のリアシートは、ゴルフは右が大きく、グランデプントとティーダは左が大きくなっている。ただし、ティーダには、今や欧米では同クラスでも標準装備となってきた横滑り防止装置や、後席中央の3点式シートベルトなどが設定されておらず、グローバルな視点からすると、遅れているといわざるをえない部分ではある。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

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