ビアンテvsステップワゴン、デリカD:5 徹底比較(2/4)

ビアンテvsステップワゴン、デリカD:5 徹底比較
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最後発モデルゆえの思い切ったデザイン

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鋭く個性的な形状のヘッドライトと、そこから三角窓につながるライン。その中にマツダのファミリーフェイスであるファイブポイントグリルを入れたり、両サイドに縦方向の切れ込みを入れたりと、非常に特徴的なフロントマスク。さらに、デザインテーマである“流れ”を表現するため、フロントからリアにかけて連続した造形とするなど、ミニバンとしてかつてないインパクトのあるスタイリングを見せている。ホイールのデザインもユニークで、タイヤサイズは205/60/16とそれなりに大径だが、ボディとの対比で小さく見えるほどだ。

一般走行ではそれほど気にならないが、動力性能は2Lでは少々不足気味。ライバルに対してボディが大きく室内が広いことがビアンテの訴求点だが、登坂や高速巡行からの再加速などでは、車重が大きい点では不利になる。その点では、2.3Lであればプラス300ccの余力が効いてくる。

足まわりは、リアがマルチリンク式の独立懸架となっている点がステップワゴンとの違い。大きなボディだが、高速巡航時でも静粛性は比較的高く保たれているし、後席の乗り心地も平坦な道路では概ね良好だが、荒れた路面では後席が若干跳ね気味となるので、もう少し抑えられているほうが好ましい。

ハンドリングは、センターにしっかりとした直進性があるが、そこから少し舵角を与えた領域でちょっと早く動きすぎるきらいがある。スポーティ感覚の演出としてはいいのだが、反面、油断すると切り返し等でフラつきやすい点は注意が必要だ。

全体としては、これほど大きく重く重心の高いボディながら、スイスイと軽快に走れ、スポーティな感覚を上手く盛り込んでいるあたり、スポーツカーづくりにも長けたマツダが手がけたミニバンであると感じさせる。

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乗用車のように軽快なフットワーク

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今回の唯一の5ナンバー車であり、車高も低いので余計にコンパクトに見える。エアロパーツに頼ることなくスポーティなイメージを実現したハイルーフミニバンの先駆者であり、ビアンテとコンセプトを同じくする部分も見て取れる。

3次元形状の鋭い目つきのヘッドライトや、押し出しの強いフロントメッキグリル、ボディサイドに大胆に入れた切れ込みと前進感あるサイドウインドウグラフィック、リアのランプやガーニッシュを低い位置に配した低重心イメージなど、ミニバンとして非常に特徴的なスタイリングを持つ。発売から3年以上が経っても、古さを感じさせない。

そして、いうまでもなく低床である。ステップワゴンはこうした新しいコンセプトに満ちたミニバンであり、このカテゴリーに吹き込んだ新風は小さくない。

低重心とセッティングの巧さによる軽快なフットワークも美点で、いたって乗用車的に違和感なくまとめている。ステアリングを切ったときの反応が、適度にスローレシオで、そこにしっかりしたステアリングインフォメーションがある。

エンジンは2Lと2.4Lのi-VTECで、それぞれにFFと4WDをラインアップ。ミッションが2L車では全車4速ATとなる点は少々泣きどころで、CVTを持つセレナやヴォクシー/ノアに比べると出足が遅い。2.4LではCVT(4WDは5速AT)となり、排気量差以上に違いを体感する。

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SUVとの融合を図ったハイルーフミニバン

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歴代デリカが築いてきたイメージを現代的に構築したスタイリングは、タフな力強さと都会的なイメージが同居している。直線基調の角張ったフォルムに、SUVのような大径タイヤの組み合わせ。万人向けではないかもしれないが、コレがいいという人も少なくない。

アウトランダー譲りのプラットフォーム、サスペンションに、2.4L直4エンジンや4WDシステムなどのパワートレインを譲り受け、快適な乗り心地と路面状態を選ばない走行性能を実現しており、SUVと比べても遜色ない悪路走破性を身につけている。

上記の2台に比べると、車高も地上高も高いのだが、それこそデリカD:5の持ち味のひとつ。十分なサスペンションストロークも手伝って、乗り心地が快適に保たれている。3列目の乗り心地もよく、路面からの入力が上手く抑えられていて、よほどの凸凹でないとショックを感じさせない。それでいて、車高が高いわりにスタビリティが高く操縦安定性に優れるという、非常に万能な設定である。

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デザイン・スペックの総評

ハイルーフミニバンとして、3台それぞれ個性的なスタイリングを持っており、好みは分かれるところだろう。

走りについては、動力性能面では、2L~2.4Lエンジンを搭載するが、実際には2Lではどれも不足気味。フットワークや取り回しについてはステップワゴンの機動性が光る。ロールーフミニバンに比べても遜色ない扱いやすさ、身軽さがある。この上にスパーダもあるが、スタンダードモデルでも十分にスポーティだ。

ビアンテも、居住性ではメリットとなる大きなボディながら、必死にスポーティなテイストを与えようとして開発されたことがわかる。

デリカD:5は、ゆったりとリラックスして乗れる味付けで、その意味では上記2台と対照的。ただし、SUV的かというとそうでもなく、もっと洗練された、快適性の高い乗り味となっている。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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