ムーヴカスタム/ワゴンRスティングレー/N-WGNカスタムを徹底比較 ~人気絶頂!軽自動車ハイトワゴン~(2/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
LEDを多用して輝きを持たせた外観が特徴
ダイハツ ムーヴは背の高い軽自動車の主力車種で、長年にわたりスズキ ワゴンRのライバルになる。初代モデルの発売は1995年。2014年末に、6代目の現行型へフルモデルチェンジされた。
ボディサイズは全長が3,395mmで、全幅は1,475mm。この2つの数値は軽自動車の規格枠ギリギリの寸法で、ほかの2車種を含めて共通だ。全高は1,630mmで、ライバル2車よりも若干低い。
今回試乗したグレードは、最上級に位置する「カスタムRSハイパーSA」(166万8,600円)。フロントマスクはカスタム専用のデザインで、精悍な雰囲気だ。ヘッドランプやクリアランスランプ(車幅灯)にはLEDが使われ、ハイパーSAの装備として、フロントグリルの下側にもLEDのイルミネーションが配置されている。
テールランプは縦長のデザイン。フロントマスクと同様、きらびやかに仕上げた。現行ムーヴの特徴は、外観に輝きを持たせたことでもあるだろう。
ボディサイドにはストーンガード、リアゲートの上部にもスポイラーが備わり、エアロパーツも豊富だ。
現行型は、サイドウインドーの下端を少し高くした。視界が悪いと指摘するほどではないが、小柄なドライバーは、クルマに潜り込んだ感覚にならないか確認したい。ボディ後端のピラーは太めにデザインされ、斜め後ろの視界を少し損なっている。
エンジンは直列3気筒の660cc。ノーマルタイプとターボがある。カスタムRSハイパーSAは、ターボを装着して最高出力は64馬力(6,400回転)、最大トルクは9.4kg-m(3,200回転)。後者の数値はノーマルエンジンの154%に達し、1リッタークラスに匹敵する。
S-エネチャージの採用で優れた燃費数値を達成
背の高い軽自動車の先駆けがスズキ ワゴンR。初代モデルは1993年に発売され、ヒット作になってダイハツ ムーヴなどのライバル車を生み出した。今の軽自動車の売れ筋は、今回取り上げる全高が1,600mmを超える背の高い車種だが、この流れを築いたのが初代ワゴンRであったのだ。
現行型は5代目になり、2012年9月に発売された。外観は先代型と同様、直線基調で骨太感の伴うデザインだ。先代型はサイドウインドーの下端を後ろへ持ち上げたが、現行型は水平に近付けた。そのためにサイドウインドーの下端の位置は、リアドア付近では先代型よりも20mmほど低くなり、斜め後方の視界が向上している。
ボディの種類は、標準タイプと上級のスティングレーを設定。今回試乗したグレードは、ノーマルエンジンを搭載した「スティングレーX」(146万1,240円)。標準ボディのフロントマスクは、ヘッドランプやグリルに厚みを持たせたが、スティングレーは薄型にデザインした。左右にディスチャージヘッドランプが備わり、中央には透き通って見えるスケルトングリルを装着。LEDを内蔵したから、夜間はグリルが帯状に光る。
下側のバンパーは開口部を大きくデザインして迫力を持たせ、ターボを装着したスティングレーTでは、バンパーの両側にもLEDイルミネーションが備わる。
試乗したノーマルエンジンのスティングレーXは、S-エネチャージを採用している。1個のISG(モーター機能を備えた発電機)が、減速時を中心に電装系を作動させる発電を行い、アイドリングストップ後の再始動も兼任する。さらにエンジンの駆動力を支援するハイブリッドの機能も設けた。
これによりスティングレーXのJC08モード燃費は32.4km/Lとなり、全高が1,600mmを超える軽自動車では、最も優れた数値になる。
ボディサイドのデザインに特徴がありターボの動力性能も高い
最近のホンダは軽自動車に力を入れている。2011年の末にN-BOXを発売し、N-ONE、N-WGNと選択肢を増やした。N-BOXには派生モデルのプラスとスラッシュもあるので、ユーザーの幅広いニーズに対応している。
これらNシリーズの中で、中核に位置するのが今回試乗したN-WGNだろう。全高は1,600~1,700mmの間に収まり、ドアは4枚ともにスライド式ではなく通常の横開きタイプ。スズキ ワゴンRやダイハツ ムーヴと同じ位置付けになる。
外観の特徴は、ボディサイドのデザインだ。前後のドアパネルをブラックで縁取りして、ボディ後端のピラー(柱)にも、ブラックのパネルを装着した。これによって天井が浮き上がったような躍動感を与えている。
ボディの上側は流れるようなイメージだが、下側は前輪駆動の軽自動車では最長となる2,520mmのホイールベース(前輪と後輪の間隔)により、安定感のある見栄えとした。N-WGNもほかの背の高い軽自動車と同様、標準ボディと、エアロパーツを備える上級のカスタムを設定している。
試乗したグレードは、最上級の「カスタムGターボパッケージ」(155万3,143円)。エアロパーツが装着され、フロントマスクには専用デザインのグリルやバンパーが備わる。
ヘッドランプはディスチャージのプロジェクタータイプ。薄型にデザインして顔立ちを精悍に仕上げた。
ターボを装着したエンジンは、最高出力は自主規制によってほかの軽自動車と同様に64馬力(6,000回転)だが、最大トルクは10.6kg-m(2,600回転)に達する。10kg-mを超える高いトルクを実用域の2,600回転で発揮するために扱いやすい。登坂路の多い地域にも適したエンジンだ。
デザイン・スペックの総評
今回取り上げるグレードは、すべてエアロパーツを備えた上級シリーズ。売れ筋のデザイン路線が固まっているためか、どの車種も薄型のヘッドランプとグリルを装着し、その下側のバンパーには上下方向の厚みを持たせている。もう少し個性が欲しいと感じるが、スズキ ワゴンRの場合、標準ボディとスティングレーではフロントマスクの見栄えがまったく違う。それぞれの車種ごとに見れば、ユーザーの幅を広げている。
全長と全幅は全車共通だが、全高は異なり、ワゴンRスティングレーが1,660mm、N-WGNカスタムが1,655mm、ムーヴカスタムが1,630mmになる。
ボディサイドの造形は、ワゴンRは実用指向で視界が優れ、ムーヴとN-WGNはデザイン性も相応に重視した。
軽自動車の基本サイズは全車共通なのに、販売面では競争が激しい。そこで各車とも外観には工夫を凝らす。全幅が1,475mmを超えず、なおかつ室内幅も最大限度まで確保しながら、フェンダーやドアパネルに微妙な張り出しやヘコミを入れた。ボディをワイドに演出するためだ。
だからディーラーなどで軽自動車を見た時は、ボディの外板に注目して欲しい。数mmのわずかな違いが、立体感を生み出していることに気付くと思う。
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