ステーションワゴン 徹底比較(4/4)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:島村栄二
クルマづくりに対する真面目な姿勢
03年に4代目に進化したレガシィツーリングワゴンは、05年5月にサスペンションを中心としたマイナーチェンジを受けている。この真面目なクルマづくりに対する姿勢が、スバルのよさといえる。
レガシィツーリングワゴンは、長年のステーションワゴンづくりのノウハウがつまっている。ラゲッジスペースは見た目よりもかなり広く、実用的。このような部分が多くの人たちの支持を得ているのだろう。
ツーリングワゴンのバリエーションはエンジンだけでも4タイプあり、さらにマニュアルミッションとATではパワーが異なるなどキメ細かい設定が行なわれている。
性格は、大きく分けて6気筒と4気筒で異なる。6気筒車は車両価格も高く、はやく走るよりも、トルクを楽しみながら流す走り方が似合っている。ただし、走りはスポーティだ。乗り心地もややかためになる。あくまでもパーソナルユースのワゴンだ。
一方、2Lモデルはスポーティと実用の2種類に分かれる。
スポーティならGT系のターボ。AT車もいいがMTのダイレクト感も捨て難い。ノーマルの2Lもトルクは太めなので、ATでもシフトすれば走りを楽しめるのだ。
ノーマル仕様でもスポーティに走る
エアウェイブは4月にデビューしたミドルクラスのステーションワゴン。発売後の人気は上々という。メーカーからの発表によるとグレード別の販売台数構成比は、Lスカイルーフがもっとも多く、41%を占めている。
続いてGスカイルーフの25%になる。つまり、スカイルーフ仕様で、全体の66%を占めているわけだ。
GとLの差はメカニカルな部分では、CVT。Lは7速マニュアルモードが付いている。そのほかはタイヤサイズと若干のアクセサリー類の差になる。
価格はFF車だと、Gスカイルーフが160万4400円、Lスカイルーフは175万3500円なので、約15万円の差だ。
しかし、両車を乗りくらべてみると、Gスカイルーフで十分。7速マニュアルモードのCVTも、15インチタイヤも、このクルマには必要性をあまり感じないのだ。
それよりも、15万円の差をナビゲーションシステムや、ディスチャージヘッドランプなどにまわしたほうが実用的だ。
リアシートやラゲッジスペースの広いエアウェイブは、ノーマル仕様でもスポーティに走ることはできる。Gスカイルーフがよい。
スポーティだけでなく、安全装備も充実
3車のなかではもっともデビュー年が古いのにもかかわらず、あまり古さを感じさせないクルマづくりはさすがにトヨタだ。しかも、マイナーチェンジでエアロツアラーは、よりスポーティ志向へと性格付けを明確にしているのだ。
エアロツアラーは、サスペンションをかためにしたスポーティモデルだが、フィールダーの魅力はそれだけではない。安全装備が充実しているのだ。
例えば、見通しの悪い交差点やT字路で、フロントノーズを少し出すだけで、特殊レンズが左右の交通状況を、室内画面にうつし出すブラインドコーナーモニターなどは、実用上での安全性をかなり向上させている。
グレードはシンプルな3グレード。エンジンは1.5Lと2種類の1.8Lが選べる。
1.5Lは走り出すとややエンジン音が大きくなるが、経済性は高い。一方、1.8Lは、ノーマル仕様はトルクも太く、扱いやすい。ハイパワー仕様(エアロフィールダー用)は、マニュアルシフトモードも装備され、スポーツムードは高いのだが、このタイプのワゴンで、ここまでのスポーツ性はあまり必要ない気がする。ノーマルの1.8L、Sで十分だ。
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