5ナンバーミニバン 徹底比較(3/4)

ガラス面積も広く、明るい室内空間

2代目にくらべて床面は60mmも低いが、ドライバーのアイポイントは15mmしか低くなっていない。ガラス面積も広く、明るい。

インパネは3段重ねのデザインだ。上段はスピードメーターやエンジン回転計、燃料計などが助手席の前まで拡がっている。中段はエアコン吹き出し口とナビゲーション。下段はスイッチ類が中央部分に集められている。

フロントシートは座面前端が上下する方式。座面を高くするとヘッドスペースはやや圧迫感がある。ハンドルは上下だけでなく前後方向にも調整できるのは便利。シートは大きく、周囲に小もの入れも多い。

セカンドシートは着座はやや高め。床面にステップがなく、乗り降りしやすい。座面は大きく、座り心地はよい。6対4でスライドするほか、レバー操作で背もたれと座面がチップアップするが、作動は勢いがよく、体にあたると痛そう。

サードシートはセカンドシートを最後部までスライドさせても足元は広い。シートも大きく、座り心地は悪くない。サードシートは左右2分割でハネ上げるとことができるが、その操作は、定位置にシートを動かすなど、やや複雑。しかもシートはかなり重めだ。

扱いやすさがメインテーマ

最近の日産車はインテリアデザインが凝っていることで話題になっている。

セレナは左右対称を基本に、中央に大きなパネルを置いた。ここにナビゲーション画面が入る。ダッシュボードの下縁はトレイが設けられた。助手席用はエアコンの冷気でドリンクがぬるくならないというアイデアも。インパネ上部にもくぼみがあるが、ここに物を置くと、フロントウィンドにうつりこむので、これはあまり利用しないほうがよい。

小物入れのスペースは多いが、数ではステップワゴンか。しかし、セレナの特徴はフロントシートとセカンドシートの背もたれにテーブルが内蔵されていること。セカンドシートの中央部分が、アームレストになるだけでなく、フロントシート横までスライドするのだ。こうすることにより、セカンドシートからサードシートへのウォークスルーもできる。ウォークスルーはステップワゴンよりラクだ。

セカンドシートはフロントシートをうしろに下げても広い。天井にあるヘッドアップ画面も大きく、見やすかった。

サードシートはセカンドシートを下げるとやや狭め。身長165cmがリミット。2分割でハネ上げることもできるが、操作は軽い。

便利なブラインドコーナーモニターを装備

ヴォクシーがデビューした時代はセンターメーターが流行していた。もちろんその例にもれずセンターにスピード、エンジン回転計と燃料計が備わる。その下にナビゲーション画面が入る。操作系はセンターパネルに集められている。ATのシフトレバーはコラムから生えているが、ハンドルに近すぎる。

小物入れは、かなり多い。ただし容量が少ない文字どおりの小物入れが多い。

フロントシートは、体のホールドがよく、ボディに対してやや低めのポジション。ステップワゴンやセレナとくらべると、スポーティというか、閉じこめられている感じだ。便利なのはフロントグリルに設置されたブラインドコーナーモニター。これはノーズを少しだけ見とおしの悪い交差点や歩道に出せば、左右の交通状況が、モニター画面にうつし出される、という装置。歩行者や自転車の接近もわかるので、安全面からも役に立つ。

セカンドシートは床面もフラットで、足元は十分に広い。シートは6対4分割と4/2/4分割がある。

サードシートも足元のスペースは確保されている。さらにリアのラゲッジスペースの床下は、深いサブトランクも用意されている。

内装・装備の総評

インテリアを中心に3車をくらべてもそれぞれに特徴がある。ステップワゴンはオプションでフローリングの床や、ホワイトガラスのトップライトルーフなどがあるが、この趣味は女性よりも男性が好みそう。 セレナはすべての操作系が軽く、扱いやすい。 ヴォクシーはインテリアカラーを含め、スポーツ性が強く打ち出されている。