輸入車コンパクトハッチバック 徹底比較(3/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
すべてが向上した2シリーズの最新版
ドライバーズシートに座った感覚は、206の後継モデルという印象ではない。Aピラーは相当に寝ており、ダッシュボードの面積など、このクラスのクルマとは思えないほど広くなっている。
前下がりのウエストラインにより、前席の横方向の開放感も高く、視界も良好。内装の質感も206に比べ大幅に高められた。インテリアデザインは外観ほど新しさを感じさせるものではないが、あえて素材感の異なるパネルを複雑に組み合わせることで、ユニークな空間を構築している。とくにダッシュ部の素材は新しい感覚で、グラフィックが面白く、かつ触った感じが柔らかく、日差しの反射も小さいというもの。これをサイドウインドウ下の部分にも採用している。
シートは大柄に見えるが、平均的な日本人の体型でも大きすぎることはない。ソフトな中に固さのある絶妙な設定となっている。 後席は、外見から想像するよりもレッグスペースが小さく、ボディ後端を絞り込んでいるため、頭上空間も予想したよりも小さめ。座面長を短めとし、ヒップポイントを下げて斜めに座らせるようになっている。
横幅こそ拡大しているが、前後長はそれほど大きくなく、やはり307とは違うクルマとして位置づけられているようだ。また、右ハンドル化による悪影響は、206ほど顕著ではなくなった。
固定式の大型ガラスルーフである「パノラミックウインドウ」は、ガラス面積が広く、日本では現実的な装備といえる。ぜひとも装着したいアイテムである。
とにかく全体の質感が大きく向上しており、このクラスと思えない空間を実現している。
不満点を解消しつつ個性をより強調
今回のモデルチェンジは、先代に見られた不満点の解消が主な目的だったのだろう。
ヘッドランプを固定式として光軸のズレを抑えたこともあるが、インテリアも大幅に洗練された。先代で使い勝手が悪いとされた部分を徹底的に改良している。たとえば、操作スイッチ、収納スペース、シートアレンジなどの設定の変更が見受けられる。
さらに、センターメーターを極端に大きくし、カラーコーディネートにこだわり、間接照明を採用するなど、持ち前の個性を伸ばし、新しい装備を積極的に採り入れているところも評価したい。
シートについても、レザーの組み合わせ方やカラーコーディネートが上手い。着座感は硬めで、各ウインドウが立っているため、ボディサイズから想像するよりも居住性に優れる。運転席側には横方向のサンシェードも備わる。
リアシートは、絶対的なスペースとしてはいうまでもなく小さいが、思ったよりも広いことに気づいた。小柄な女性や子供なら、座ってしまえばそれほど苦にならないはずだ。
今回の中で唯一の2ドアモデルであり、ドア開口部は大きく、インナードアパネルは、えぐりを入れつつ、後席のパネルと連続性を持たせつつ、収納性も高めた、非常に面白いデザインとなっている。 ラゲッジスペースの広さには期待できないが、基本的に2人乗りのクルマとして捉え、必要なときは後席を倒すべきと考えれば問題ないだろう。
秀逸なパッケージングに感心
直線基調の構成で、最新のフォルクスワーゲン車に比べると、デザイン的に一世代前のクルマという印象があるのは否めない。
メーター類の青いイルミネーションが特徴的。インテリア各部にクロームパーツを配し、質感を高めているのも最近のVW車の手法である。
居住性についての不満はなく、このサイズのボディながら、横方向も頭上空間も十分に広く確保されている。
前席にはドイツ車らしくボディサイズのわりにたっぷりとした、硬質な触感のシートが備わる。ただ、ダイヤル式のリクライニング調整機構は、微調整ができるなど、よい点もあるのだが、スペースに余裕がなく、操作しにくいのは難点である。座面全体が上下するシートリフターを備える点は歓迎したい。
後席は、さすがにニースペースは小さめだが、シートバックを立て気味とし、ヒップポイントを低めに設定することで、狭さを感じさせないように構成されている。
ダブルフォールディングにより、ボディサイズから想像するよりもはるかに大きなラゲッジスペースを創出することもできる。日常的な使用に不満はないだろう。
内装・装備の総評
デザイン的に、乗っている間ずっと興味深い気持ちで接することができるのは、やはりダントツでMINI。このデザインの面白さは、他のどのクルマも持ち得ない。実用性について、ボディサイズの観点ではプジョー207が有利ではあり、実際、ファミリーユースにも耐えうるほどのスペースユーティリティを備えている。あらためて感心させられるのはポロ。このサイズの中で、非常に合理的にスペースを創出し、後席の居住性、ラゲッジスペースとも、制約の大きい中でスペースを確保しているのである。
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