ドイツプレミアムコンパクトセダン 徹底比較(4/4)

  • 筆者:
  • カメラマン:山口敏尚
ドイツプレミアムコンパクトセダン 徹底比較
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期待される要素を慢心に備えて登場

走行走行

従来は、過剰品質なまでの作り込みがもてはやされていたメルセデスだが、90年代後半のメルセデスは、それまで培ってきたものを、いかにローコストでつくるかに傾倒した感があったのは否めない。

そしてメルセデスは、なぜか意図的に、多くのユーザーが期待していた重厚なルックスを、あえて薄める方向にシフトしていた。しかし、最近のメルセデスはいずれも、従来のメルセデスらしさが戻ってきた。そして新型Cクラスは、いい意味で、クラスの王者たる3シリーズの良さをも併せ持ったクルマになったという印象がある。

まずは、ルックスがこうなっただけでも大いに歓迎したい。そして、ドライブフィールにおいても、メルセデスファンの期待により応えるテイストとなった。おそらく新型Cクラスは、従来のCクラスよりもはるかに日本でも売れることだろう。率直にいって、新型Cクラスは現行Eクラスよりも立派に見える。

正直、従来のCクラスは、つかみどころのないクルマだった。ハード的には悪いクルマではなかったが、高級感をはじめプレミアムコンパクトセダンとしてライバルに負けている面が多々あったと思う。

しかしそれは、メルセデスが自社内のプロダクツの序列において、Eクラスとの格差を意図的につけていたのではないかと思っている。ところがマーケットはそれに如実に反応した。Cクラスにおいて、メルセデスが目を向けるべきだったのは、宿命のライバルである3シリーズであり、A4という伏兵だったのではないか…。

その意味で新型Cクラスは、大いにファンの期待に応えたクルマであり、販売的にも3シリーズに一矢報いることは間違いないだろう。

やはり揺るぎないクラス王者の商品性

走行走行

日本市場における輸入コンパクトセダンの販売実績もそうだし、本国~欧州など世界的に見ても、このカテゴリーは3シリーズの独壇場となっている。

当初は現行モデルも、大きすぎるとか、5シリーズとの差別化において不可解などと、とやかく言われたものだが、結局このパッケージングは正解だったようだ。また、このカテゴリーでは、3シリーズを買っておけば間違いないというイメージが定着しているし、それをさらに確固たるものとしたように思える。

3シリーズの中でも335iは、かなりのハイパフォーマンスモデルである。価格的にも、5シリーズのボトムである525iを買うよりもお釣りがくる。

では、CクラスやA4と比べるとどうかというと、Cクラスにアバンギャルドが設定され、グッとスポーティになったことで、「スポーティ指向派には3シリーズ」と一口にいえなくなった。

また、A4とはカテゴライズすると、同じ中に属するが、性格はまったく別のクルマといえるだろう。そして、3シリーズが評価されているデザインセンスや、このクラスにおける「3シリーズ」というブランドイメージの魅力などは、いまだアドバンテージといえる。

ただし、ここでも何度か述べているが、個人的には、このクルマと別に何かを複数所有する場合に、アクティブステアリングの問題があると思っている。同システムは、単体で見ると非常に洗練されているのだが、このクルマに乗ったあとに他のクルマに乗ると、若干鈍いと感じてしまうこともある。

控えめな中に秘めたる赤い実力

走行走行

アウディの業績は非常に好調と伝えられる。ルマンをはじめ、モータースポーツでの実績も結実したといえるだろう。そして、R8のような、アウディ初の本格的プレミアムスポーツも登場した。アウディの周りにあるのは、いい要素ばかりである。

多くのモデルがここ2年ほどに登場したわけで、A4も2005年に現行モデルに移行したわけだが、すでにいささか古くなった感があるのは正直な印象だ。

そして、アウディのユーザーは、FFモデルで十分満足している人も多いようだが、たとえ悪条件下を走ることをそれほど重視するわけでなくても、やはりクワトロに本流があると思っている。それは、ハンドリングである。FFモデルとは明らかに異なるのだ。また、アウディブランドが好きで、走りにこだわるのであれば、「S」や「RS」も存在する。

逆に、十分な内外装の質感の高さやクワトロシステムという凝った内容を持ちつつも、メルセデスやBMWに比べ割安な価格設定となっているところも魅力といえる。

とはいえ、メルセデスやBMWに比べると、アウディというクルマは、美味しいところが見えにくいというところもあるだろう。その控えめさこそ、アウディの持ち味でもあるわけだが。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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