【比較】SLK・Z4・フェアレディZロードスターを徹底比較 ~ロングドライブも快適な上級オープンモデル~(1/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
ブランドの看板と伝統を背負って走り続ける名門のスポーツカー3車が勢ぞろい
ようやく春めいてきた。この季節に相応しいオープンスポーツを取り上げたい。後輪駆動の上級モデル、メルセデス・ベンツ SLK、BMW Z4、日産 フェアレディZロードスターの3車種だ。
メルセデス・ベンツは今でこそ4ドアクーペ風のCLSやCLA、SUVのGLやGLKなどをそろえるが、かつてはボディの数が少なかった。ワゴンの初登場も1978年で、歴史は比較的浅い。
しかしクーペの歴史は古く、第二次世界大戦前から設定されている。初代SLは1954年に登場した300SL。「SL」はSuper Leicht(Super Light)の略称で最軽量を意味した。
注意したいのは、300SLの歴史はこのモデルのみで途絶え、今日のSLの系譜は、ひとまわり小さな190SLから始まっていること。190SLが拡大して現在のSLまで発展した。
この流れを考えると、今のコンパクトなSLKこそが、190SLに始まる本来の血筋ともいえるだろう。
BMWも古くからクーペを手掛け、1956年には美しいロードスターの507を生み出した。商業的には成功せず、BMWのミドルサイズスポーツカーといえば近年のZ1やZ3を思い浮かべるが、伝統はしっかりと受け継いでいる。
そして日本を代表する本格的なスポーツカーが日産 フェアレディZだ。ルーツは1953年に登場したダットサンスポーツ(DC-3)で、フロントサスペンションはリーフスプリングを横向きに配置する戦前型シャシーであった。この後、2代目ダットサンスポーツの輸出仕様にフェアレディの名称が使われ、1962年登場のモデルは国内でも好評を得た。1969年にはフェアレディZに発展し、現行Zは6代目に当たる。
クルマの魅力の根源は、月並みな表現だが、運転する楽しさと外観のカッコ良さ。各ブランドの看板と伝統を背負って走り続けるのが、今回取り上げる3車種のスポーツカーになる。
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