約6年ぶりにフルモデルチェンジした新型ムーヴキャンバスは2種類のデザインを設定┃価格は149万6000円〜191万9500円
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:MOTA編集部
約6年ぶりにフルモデルチェンジし2代目となったダイハツ 新型ムーヴキャンバス。デザイン性と機能性を両立した新感覚のスタイルワゴンとして女性を中心に幅広い世代に人気のモデルですが、新型で初代の可愛らしさを継承しつつ、すっきりと洗練したモデルに。そんな新型ムーヴキャンバスをカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎氏が解説します。
スライドドアを装着した“背の低い”軽自動車「ムーヴキャンバス」が2代目へフルモデルチェンジ
2022年1〜6月に国内で新車として販売されたクルマのうち、軽自動車が38%を占めました。しかも軽乗用車の過半数が、全高を1700mm以上に設定したスライドドアを備えるタイプです。ホンダ N-BOX、スズキ スペーシア、ダイハツ タントがその代表です。
このように今の軽自動車は、背の高い車種を中心に売れ行きを伸ばしています。その中で以前から注目されていたのが、2016年に投入されたダイハツ ムーヴキャンバスでした。
ムーヴキャンバスはスライドドアを装着しながら、全高はタントに比べて約100mm低く、外観を丸みのある柔和なデザインに仕上げました。ボディの上下が同色で、中央だけを別の色彩に塗り分けたストライプスカラーも注目されました。
そのためにムーヴキャンバスは息の長い人気車になり、ダイハツ ムーヴ全体の60〜70%を占めました。2022年1〜6月には、1か月平均で5000〜5500台のムーヴキャンバスが届け出されています。
この販売実績は、2020年に登場したダイハツ タフトよりも多く、スズキ ハスラーに匹敵します。つまりムーヴキャンバスは、ダイハツの国内販売を支える大切な存在になったのです。
新型ムーヴキャンバスでは「ストライプス」と「セオリー」2種類のデザインを設定
そこでムーヴキャンバスは、2022年7月5日(火)にフルモデルチェンジを発表しました。2代目になり、納車を伴う発売日は2022年7月13日(水)です。
先代ムーヴキャンバスは、丸みのある外観で人気を得たため、2代目の新型ムーヴキャンバスも外観の見栄えをあまり変えていません。
それでも細かな変更はあり、フロントマスクのエンブレムは、先代型の丸型から「CANBUS」に変わりました。ドアパネルも先代型に比べると丸みを増して、ボリューム感が強いです。マイナーチェンジのように見えますが、外装は刷新されています。
これに伴って、新型ムーヴキャンバスのモノトーンには「セオリー」という名称を与えました。セオリーはインパネの周辺をブラウン、シートを濃いブルーとしています。
外装が明るい2トーンのストライプスは、内装もホワイトを基調にしますが、セオリーは従来のムーヴキャンバスとは違って落ち着いた印象です。外装色は、2トーンのストライプスが8色、セオリーは7色が用意されています。
この新型ムーヴキャンバスの変更について、商品企画担当者は「ムーヴキャンバスは、もともとお母さんと娘さんが一緒に使うことをコンセプトに開発しました。しかし売れ行きが好調で、予想した以上にお客様の幅も広がりました。お父さんや息子さんが使うことも多いです。また先代型の発売から6年が経過して、若いお客様の価値観も、可愛らしさからシンプルな方向に変化しています。そこで新型ムーヴキャンバスはシンプルなセオリーを際立たせ、男性のお客様のニーズに応えて、ターボエンジン搭載車も追加しています」とコメントしています。
上質な質感に高い視認性や操作性も確保された新型ムーヴキャンバスの内装
新型ムーヴキャンバスの運転席に座ると、内装は軽自動車として上質です。水平基調なので、視認性や操作性も良いです。顔を少し持ち上げると、ボンネットが見えて、車幅やボディの先端位置も分かりやすいです。
新型ムーヴキャンバスのシート生地には伸縮性の優れたファブリックが使われ、座り心地が柔軟です。背もたれの下側と座面の後方をしっかりと造り込んだので、腰の支え方も良好です。
新型ムーヴキャンバスの後席は床と座面の間隔が不足気味で、大腿部のサポート性をもう少し向上させると良いでしょう。それでも足元空間は広く、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ3つ半に達します。
また先代型と同じく、新型ムーヴキャンバスの後席の下には、引き出し式の収納設備を装着しました。引き出した状態では、樹脂製のついたてがワンアクションで立ち上がり(先代型は操作が少し面倒でした)、上に置いた買い物袋などが倒れにくいです。
新型ムーヴキャンバスのWLTCモード燃費(2WD)は、ノーマルエンジンが22.9km/L、ターボでは22.4km/L
新型ムーヴキャンバスのプラットフォームは、同じダイハツ車であるタントやタフトに採用されるDNGAの考え方に基づいたタイプです。サスペンションの取り付け剛性などが向上して、走行安定性と乗り心地を改善しました。前述の通りノーマルエンジンに加えて、新たにターボも設定しています。
新型ムーヴキャンバスのターボには、CVT(無段変速AT)にギヤを組み合わせたD-CVTが採用され、変速比の幅を広げています。高速道路を巡航する時など、従来のCVTに比べるとエンジン回転数が下がり、燃費の向上を可能にしました。
動力性能を左右する最大トルクは、ノーマルエンジンが6.1kg-m、ターボは10.2kg-mで、後者の数値は1.7倍に増強されます。ところがWLTCモード燃費(2WD)は、ノーマルエンジンが22.9km/L、ターボは22.4km/Lと0.5km/Lしか悪化しません。これは誤差の範囲で、走行状況によっては、ターボの実用燃費がノーマルエンジンを上まわることも考えられます。
新型ムーヴキャンバスの価格、おすすめグレード紹介
新型ムーヴキャンバスは安全装備も進化して、後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットモニターがディーラーオプションとして用意されます(発売は2022年10月頃)。
また車間距離を自動制御するアダプティブクルーズコントロールなどを含んだ運転支援機能も、標準装着、あるいはメーカーオプションとして設定しました。
新型ムーヴキャンバスのグレードと2WDの価格は、ストライプス、セオリーともにベーシックなXが149万6000円、上級のGは167万2000円、Gターボは179万3000円です。
セオリーは同じ価格で2トーンカラーにならない代わりに、ボディサイドのピンストライプとボディ後部のメッキリヤバンパーモールが加わり、GとGターボについてはステアリングホイールも本革巻きになります。
新型ムーヴキャンバスのベストグレードは、フルLEDヘッドランプなどを標準装着するGです。長距離を移動する機会が多いユーザーには、Gターボも推奨できます。
Gターボの価格は、Gに比べて12万1000円高いですが、Gに4万4000円でオプション設定される運転支援機能を含んだスマートクルーズパックが標準装着されます。従ってターボの正味価格は7万7000円です。この価格には、先に挙げたD-CVTの搭載も含まれるので、ターボは実質的に6万円で装着されています。
街中を中心に使うならG、バイパスや高速道路を走る機会があるならGターボという選び分けが良いでしょう。
このほかディーラーオプションとメーカーオプションのパーツを組み合わせたオシャレな「アナザースタイルパッケージ」として、ストライプスには「リラックススタイル(8万4964円)」、セオリーには上品な「エレガントスタイル(11万8800円)」と、渋い雰囲気の「ビタースタイル(12万406円)」も設定されています。このように新型ムーヴキャンバスは、グレードを選ぶ時から楽しめる軽自動車になっています。
【筆者:渡辺 陽一郎 撮影:MOTA編集部】
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