もう一度観たい! おすすめクルマ映画 Vol.2『ジャッカルの日』|イラストレーター・遠藤 イヅル編

  • 筆者: 遠藤 イヅル
  • カメラマン:プジョー・シトロエン・ジャポン イラスト:遠藤 イヅル

原題は「The Day of the Jackal」、暗殺者と警察、息詰まる戦いの日々

原作はイギリスの小説家フレデリック・フォーサイス。1971年に刊行、映画化は1973年。英仏合作で、原題は「The Day of the Jackal」です。

1960年代初頭のフランスを舞台に、時の大統領シャルル・ド・ゴール暗殺を企む犯罪組織とそれに雇われた狙撃のプロ暗殺者「ジャッカル」、そしてジャッカルに立ち向かう警察との息詰まる戦いを描いています。

フランスをメインに進む話ですが、ジャッカルは目的遂行のためにイタリアなどにも移動します。

登場するクルマたちはフランス車ファンには嬉しい古いルノー、プジョー、シトロエンのオンパレードですが、ジャッカルがイタリアで調達するクルマは初代ジュリエッタ・スパイダーだったりして、イタリア車ファンも見逃せない映画です。

>>歴史的名車「シトロエン DS」をフォトギャラリーでも見てみる[画像集]

>>ジャッカルの日 [DVD]の購入はこちらから

シトロエンDSって、フランスではクラウンみたいなクルマだった!?

ストーリーを書く紙幅を持ちませんので、注目ポイントを。それは「シトロエンDS」です。同車は1955年にハイドロニューマチックという当時としては画期的な油気圧サスペンションを装備し、当時最先端の前輪駆動を採用、ボディ構造もバスタブ状のシャーシに骨格を組み上げ外皮を貼るというこれまた驚きの設計を持つクルマで、20世紀を代表する1台にも選ばれた名車です。

映画内では1960年代初頭を再現すべく丸目2灯のいわゆる「フロッグアイ」が数多く活躍していますが(うっかり1967年以降の猫目4灯式が出て来るシーンもありますが)、1960年代に想像された宇宙船のような極端にリアトレッドが狭く尻下がりのスタイルは世界的に見ても当時からエキセントリックでしたし、日本では変わったスタイルに見えるクルマのひとつです。

でも、この映画では実に頻繁に出て来ます。黒塗りのDSはVIPや大統領を乗せて、組織側も犯罪の実行に用います。ボロボロのタクシーまで出て来ます。DSはシトロエンのフラッグシップであると同時に、フランス車の中でも上位に位置するモデルでした。それが装備を簡略化した仕様(厳密にはDSではなく“シトロエンID”など別の名称を持つ)がタクシーになったり、装備テンコ盛りの仕様ではVIPを乗せたり……となると、「日本にもそういうクルマあったよね」とピンと来る方がいるかも。そう、トヨタ クラウン、日産 セドリック/グロリアなどの高級車と同じような存在だったのですね。

DSはあまりにもエキセントリックに見えるため特殊に思われがちですが、当時のフランスではDSの存在は当たり前でした。日本でクラウン、セドリックが街中に溢れていたように。

その証拠がシトロエンDSの生産台数です。1975年の生産中止までの台数はなんと約145万台。これを20年で割り月平均にすると月に約6000台(2017年のトヨタ ノア/ヴォクシーが同程度!)も売れていたことに!この映画からはそうした1960年代のフランス自動車事情も垣間見えるのが興味深いのです。

[イラスト&レポート:遠藤 イヅル]

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

シトロエン DS5の最新自動車ニュース/記事

シトロエンのカタログ情報 シトロエン DS5のカタログ情報 シトロエンの中古車検索 シトロエン DS5の中古車検索 シトロエンの記事一覧 シトロエン DS5の記事一覧 シトロエンのニュース一覧 シトロエン DS5のニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる