シトロエン C4ピカソ・グランド C4ピカソ 新型車解説/森口将之(1/2)

シトロエン C4ピカソ・グランド C4ピカソ 新型車解説/森口将之
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より差別化が図られた新型「C4ピカソ」と新型「グランド C4 ピカソ」

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我が国でいちばん売れているシトロエンでもあった「C4ピカソ」の新型が上陸した。旧型ともっとも違うのは、2種類のボディを持つこと。いままでと同じ3列シート7シーターは「グランドC4ピカソ」と名を変え、C4ピカソは2列シート5シーターとして生まれ変わった。でもヨーロッパでは以前から5シーターと7シーターがあった。後者に絞っての販売だった日本が異例だったのだ。

そもそもピカソという名前のクルマは、C4以前にもあった。「クサラ ピカソ」だ。このクサラ ピカソは2列シート5シーターのみ。だから5シーターのほうが本流とも言える。

ヨーロッパの人たちは、年に2~3度しか使わない機能はいらないという合理主義の持ち主がフツー。だからボディを2つ用意したし、ユーザー層も違うから、長さだけでなくサイドウインドーやリアコンビランプのデザインも変えていた。

シトロエン グランド C4ピカソ エクスクルーシブ

新型はそれ以上の差別化を果たしている。もっとも目立つのはサイドウインドーまわり。5シーターは前後ドア窓周辺をシルバーの帯で取り巻くことで、ハッチバックっぽいコンパクトネスを強調。Aピラーからルーフレールを通ってDピラーまでをグレーのモールで連続させた7シーターからは、キャビンの広さが伝わってくる。

テールゲートの傾斜は見てのとおり違うし、リアコンビランプも別物。ドアパネルを走るキャラクターラインも違っていて、5シーターは軽快感、7シーターは安定感をアピール。よく見ればドアの前の三角窓の形も微妙に異なる。

エクステリアでも細かい差別化

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エクステリアにおけるもうひとつの特徴は、フロントマスクだろう。横長のダブルシェブロンの両端に細長いLEDランプをつなげ、下に本来のヘッドランプを据えた顔つきは、旧型以上に鮮烈。独創のブランド、シトロエンの面目躍如だ。実はここも、バンパー内のグリルやフォグランプホルダーなどを、5シーターと7シーターで変えている。

嬉しいことに、ボディサイズはいままでと大差ない。旧型も日本で販売されていたグランドC4ピカソで比較すると、4600㎜の全長がわずか10㎜長くなっただけで、全幅の1825㎜は5㎜、全高の1670㎜は15㎜、ダウンサイジングしている。似たようなフォルムのホンダ「オデッセイ」より大幅に短く、少し低いという寸法だ。

5シーターのC4ピカソはどうかというと、全幅は同じで、全長はマツダ「アクセラスポーツ」とほぼ同じ4430㎜、全高は1630㎜になる。

フランス車と言えばホイールベースの長さが自慢。その伝統も受け継いでいる。プラットフォームが新型「プジョー308」にも使われる新世代のEMP2に切り替わったこともあり、7シーターのホイールベースは一挙に110㎜も長い2840㎜。5シーターでさえ2780㎜と旧型7シーターより長くなったのだ。軽量化も自慢で、グランドC4ピカソの車両重量は1550㎏と、旧型より50㎏も軽くなっている。

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森口 将之
筆者森口 将之

1962年東京都生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。自動車専門誌の編集部を経て1993年フリーに。各種雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで活動。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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