令和の今でも乗りたいオシャレな軽スポーツ! 1990年代に登場した「軽ABCトリオ」を振り返る
- 筆者: 篠田 英里夏(MOTA編集部)
- カメラマン:本田技研工業/マツダ/スズキ
現在ではもうすぐ生産を終了するホンダ S660と、2014年に2代目へとフルモデルチェンジしたダイハツ コペンが人気の軽自動車スポーツ。かつては今よりも軽スポーツは若者に人気があった。
左右のドアにガルウイングを採用したマツダ(オートザム)AZ-1
そんな1990年代に相次いでデビューしたのが、それぞれの車種の頭文字をとって「軽ABCトリオ」と呼ばれた3台だ。A=マツダ(オートザム) AZ-1、B=ホンダ ビート、C=スズキ カプチーノを紹介したい。
当時、マツダは5チャンネル化しており、軽自動車や小型車を中心に扱っていたのがオートザム店だった。AZ-1はそのオートザムの名を冠し登場した軽2シータースポーツだ。
最大の特徴は左右のドアにガルウイングを採用していたこと。ガルウイングドアを採用した国産量産車はAZ-1とトヨタ セラの2車種のみだ。
シート後部に搭載されるエンジンはスズキのアルトワークスに搭載された直3ターボを採用し、足回りもアルトワークスから流用されていた。
ただ特殊なクルマであったことから販売台数は伸び悩み、ABCトリオの中で最も希少性が高い。現在の中古車価格は190万円〜356万円となっている(MOTA調べ・以下同)。
一般道でも走る楽しさを味わえたホンダ ビート
1991年から1996年まで販売されていたビートはオープン2シーターの軽自動車だ。量産車としては世界初となるミッドシップでフルオープンモノコックボディを採用。軽自動車として初めて四輪ディスクブレーキや前後ともストラット式サスペンションを用いた。
ビートに搭載されたエンジンは、8100rpmで自主規制いっぱいの64馬力を発生するパワーを発揮。一般道でもエンジンを回して走る楽しさを味わえるモデルだった。
その結果、軽ABCトリオの中で最も販売台数が多いモデルとなった。現在の中古車価格は49万円〜364.3万円となっている。
チューニングのベースとして今でも人気のあるスズキ カプチーノ
スズキ カプチーノは軽自動車の中では珍しいFRスポーツで、スポーツカーの伝統であるボンネットが長いロングノーズ・ショートデッキなスタイルが特徴だ。
搭載エンジンは1991年のデビューから1995年4月までは3代目アルトワークスと同じ、1995年5月のマイナーチェンジで4代目アルトのワークスRS/Zが採用するオールアルミ製ターボエンジンに変更された。
またエンジンを縦置きすることで生まれた左右スペースを活かし、サスペンションは軽自動車初の四輪ダブルウィッシュボーンを採用していた。
前期型も車両重量700kgと軽ABCトリオの中で最軽量だったが、マイナーチェンジで車両重量は690kgまで軽量化され、チューニングのベースとなることが多い。そのため、今でも人気のモデルのひとつで現在の中古車価格は70万円〜215万円となっている。
【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】
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