BMW 新型 Z4 sDrive35is[2013年マイナーチェンジモデル] 海外試乗レポート/萩原秀輝(2/3)

BMW 新型 Z4 sDrive35is[2013年マイナーチェンジモデル] 海外試乗レポート/萩原秀輝
BMW 新型 Z4 sDrive35is デザイン・ピュア・トラクション[2013年マイナーチェンジモデル/ボディカラー:ヴァレンシア・オレンジ(新色)] BMW 新型 Z4 sDrive35is BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア・フロント正面 BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア(オープン) BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア(クローズド) BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア・リアビュー BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア・リア正面 BMW 新型 Z4 sDrive35is BMW 新型 Z4 sDrive35is BMW 新型 Z4 sDrive35is リトラクタブル・ハードトップ開閉シーン1 BMW 新型 Z4 sDrive35is リトラクタブル・ハードトップ開閉シーン2 画像ギャラリーはこちら

ドイツ・ミュンヘンの清々しい風をロードスターで堪能

BMW 新型 Z4 sDrive35is 試乗レポート10BMW 新型 Z4 sDrive35is 試乗レポート6

今回試乗したBMW 新型 Z4「sDrive35is」にも、新たに加わったデザイン・パッケージが装備されていた。試乗の舞台となったこの季節のミュンヘンは天候が定まらず前の週には雪が降ったとのことだったが、当日は快晴で気温も20度まで上昇。もちろん、ハードトップを開け放つ。

走行中は、ウインドー越しではなく素通しの景色が視界に入るので開放感は抜群だ。室内を通り抜ける風は清々しく、郊外路を走る速度域であれば気流の乱れは少ない。驚いたのは、乗り心地が一段と快適になっていたことだ。発表資料には機能的な変更が記載されていなかったが、継続的な進化が繰り返されてきた結果と考えられる。

特に、ダンパーの減衰力を連続可変制御するアダプティブMサスペンションとエンジンやダブル・クラッチ式7速DCTなどを統合制御し走行モードの選択ができるドライビング・パフォーマンス・コントロールをコンフォートに切り替えたところ、乗り心地のしなやかささえ確かめられるのだ。路面の継ぎ目などの強めの入力でも、タイヤの接地感の硬さを意識することはあっても不快な突き上げを伴うことはなかった。

気分を高揚させるダイレクトな走り

BMW 新型 Z4 sDrive35is 試乗レポート7BMW 新型 Z4 sDrive35is 試乗レポート4

その一方で、Z4のピュアスポーツぶりは相変わらずだ。走行モードをスポーツにするダンパーの減衰力が高めの領域を保つので、ステアリング操作に対する応答性にダイレクト感が加わってくる。なおかつ、コーナー進入時には長いボンネットが進行方向を示す矢印のようになりイン側にズバッと向きが変わる実感を際立たせてくれる。このあたりは、ステアリングの手応えが60km/hあたりから重めになってくることの相乗効果ともいえる。

さらに、コーナー脱出時にはステアリングを戻しつつアクセルを踏み込むと、エンジンが溢れんばかりのトルクを発揮。そして、リアタイヤが路面をガッシリとつかみながら強大な力で蹴っている様子が腰のあたりに伝わってくる。こうした走りの臨場感が得られるのは、乗車位置のすぐ後にリアタイヤがあるロードスターならではの特長だ。

アクセルを踏み続け7速DCTをマニュアル操作すると、適度な変速ショックをあえて残すことでステアリングと同様に応答性のダイレクト感を演出。そればかりか、シフトアップの瞬間にはエンジンが“ババッ”という感じの排気脈動音を響かせる。逆に、アクセルと戻したときには“ボボボッ”という感じの吸気脈動音が聞こえてくる。とにかく、Z4は走りの気分を盛り上げ方が巧みだ。それでいて、つねに安定感の高さが確かめられるので余計な緊張感に縛られずに済んだ。

[次ページへ続く]

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萩原 秀輝
筆者萩原 秀輝

在学中より自動車レポーターとして活動をスタート。 同時期から多くのツーリングカー・レースに参戦。多数の入賞や優勝経験もある。 こうした経験を生かし「クルマの走り」と「ドライビングの理論」 について深い洞察力を持つ。 現在では有力な紙媒体をはじめ、WEBにも執筆するなど、 その活動は多岐にわたる。 また、クルマに対する知識とドライビング理論に基づき、 自動車メーカーなどが主催するセーフティ・ドライビング講習会のインストラクターも務める。特に、輸入車メーカー主催のドライビング・スクールでは、 日本への導入開校時の1989年から現在に至るまで、累計で10000人を越える受講者を集め、その指導に携わっている。記事一覧を見る

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