BMW 新型 Z4 sDrive35is[2013年マイナーチェンジモデル] 海外試乗レポート/萩原秀輝(3/3)

BMW 新型 Z4 sDrive35is[2013年マイナーチェンジモデル] 海外試乗レポート/萩原秀輝
BMW 新型 Z4 sDrive35is デザイン・ピュア・トラクション[2013年マイナーチェンジモデル/ボディカラー:ヴァレンシア・オレンジ(新色)] BMW 新型 Z4 sDrive35is BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア・フロント正面 BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア(オープン) BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア(クローズド) BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア・リアビュー BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア・リア正面 BMW 新型 Z4 sDrive35is BMW 新型 Z4 sDrive35is BMW 新型 Z4 sDrive35is リトラクタブル・ハードトップ開閉シーン1 BMW 新型 Z4 sDrive35is リトラクタブル・ハードトップ開閉シーン2 画像ギャラリーはこちら

M3にも匹敵する圧倒的な高性能を発揮する新型 Z4「sDrive35is」

BMW 新型 Z4 sDrive35is 試乗レポート3

アウトバーンでは、Z4の安定感が本領を現す。追い越し車線で先行車が視界から消えたのを機会に、7速100km/hで2100rpmからアクセルを踏み込む。7速DCTはDレンジのままでもアクセル操作に即応し、速やかに3速までシフトダウン。エンジン回転数が一気に上昇し、グレーの文字盤を持つ35is専用のタコメーターの中で白い針が跳ね上がる。シフトアップは7000rpmで繰り返され、直列6気筒ならではの“クォーン”という抜けのいい快音も楽しませてくれる。

4速から5速にシフトアップされても加速の勢いは衰えず、200km/hオーバーの速域にもあっけないほど当たり前に到達。そのままクルージングに入ると、エンジン回転は7速200km/hで4200rpmとなり余裕は充分。追いついてしまった先行車が車線を譲るのに合わせてアクセルを踏むと、ペダルが床まで達するまでもなく胸のすくような加速を開始。Z4にはMモデルが存在しないが、35isで十分と思えるトルクが立ち上がるからだ。

フル加速時にはオーバーブースト機能が作動

BMW 新型 Z4 sDrive35is 試乗レポート2

それもそのはずで、35i用の6気筒をベースに吸気系に手を加え専用設計のエキゾースト・システムを採用した35is用のエンジンは34psが上乗せされ340psを発揮し、最大トルク450Nm(45.9kgm)に到達。この数値は、4リッターのV型8気筒エンジンを搭載する「BMW M3」の400Nm(40.8kgm)を超える。加えて、フル加速状態ではターボの過給圧を一時的にさらに上昇させるオーバーブースト機能が働く。トルクは500Nm(51.0kgm)に達するため、アクセルを踏み込むと高速域でも周囲のクルマを置き去りにする加速を示すのだ。

こうした速度域でも、手に汗握るような感覚とは無縁でいられる。さすがに、走行モードをコンフォートにしたままでは路面のうねりを越えた後にボディのピッチングが残ることがあるが、だからといって進路が乱れることはない。走行モードをスポーツにすれば、ボディはフラットな姿勢を保ち続けた。

主力モデル「sDrive20i」もさらにバリュー度アップ

BMW 新型 Z4 sDrive35is

ちなみに今回は「sDrive35is」に試乗したが、Z4の主力モデルは「sDrive20i」だ。最高出力は184psとかなり控えめに思えるが、日本の速度域であれば力強さの不満を感じることはない。4気筒エンジンを搭載することによりフロント回りの荷重が減っているので操縦性の軽快さも楽しめる。しかも、LCI前のモデルと比べエアコンをマニュアルからオートにするなど装備を充実させているにもかかわらず、価格が据え置かれたことも見逃せない。

[レポート:萩原秀輝/Photo:BMW]

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BMW 新型 Z4「sDrive35is」[日本仕様] 主要諸元

BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア(クローズド)BMW 新型 Z4 sDrive35is エクステリア・リアビュー

全長x全幅x全高:4255x1790x1285mm/ホイールベース:2495mm/車両重量:1600kg/乗車定員:2名/駆動方式:後輪駆動(FR)/エンジン種類:直6 DOHC 直噴ガソリン パラレル ツインターボエンジン/総排気量:2979cc/最高出力:340ps(250kW)/5900rpm/最大トルク:45.9kg-m(400N・m)/1500rpm(注:オーバー・ブースト機能により一時的に500Nm〔51.0kgm〕まで引き上げられる)/トランスミッション:電子油圧制御式7速DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)[シフト・パドル付]/荷室容量:180-310リットル/タイヤサイズ:(フロント)225/40R18(リア)255/35R18/車両本体価格:819.0万円[消費税込み]

(※デザイン・ピュア・トラクション・パッケージは+9.2万円)

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萩原 秀輝
筆者萩原 秀輝

在学中より自動車レポーターとして活動をスタート。 同時期から多くのツーリングカー・レースに参戦。多数の入賞や優勝経験もある。 こうした経験を生かし「クルマの走り」と「ドライビングの理論」 について深い洞察力を持つ。 現在では有力な紙媒体をはじめ、WEBにも執筆するなど、 その活動は多岐にわたる。 また、クルマに対する知識とドライビング理論に基づき、 自動車メーカーなどが主催するセーフティ・ドライビング講習会のインストラクターも務める。特に、輸入車メーカー主催のドライビング・スクールでは、 日本への導入開校時の1989年から現在に至るまで、累計で10000人を越える受講者を集め、その指導に携わっている。記事一覧を見る

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