BMW 新型X2 海外試乗|ブコツさを残しつつも先進的な「旧カッコイイ」BMWの全く新しいSUV(2/2)

  • 筆者: 今井 優杏
  • カメラマン:ビー・エム・ダブリュー株式会社
画像ギャラリーはこちら

やっぱりとにかくトルクフル!

試乗車に用意されていたのはX2 xDrive 20d MスポーツXのみ。

しかしこれが、最果ての地・ポルトガルの海岸線を駆け抜けるにふさわしいものであった。もう、めちゃんこパワフルなのだ。

X3のエンジンがより軽量なX2に乗っかるんだから考えなくてもアタリマエなんだけど、とにかくトルクフル!

リスボンの街中にはトラムが走っていて、日本の路面電車と同じく自動車と道路をシェアしている。ほとんどの市街地は石畳になっていて、坂道に張り付くように、蜘蛛の巣状の道路が入り組んでいる。イメージとしては長崎とか尾道みたいな感じ。海のある坂道の港町って、本当にロマンティックだ。

それにバス、観光用のトゥクトゥク(ピアッジオのバイクを改造したもの)、モーターサイクルなどが加わるのだから、ロマンティック気分とは裏腹に交通渋滞は甚だしいのだが、このストップ&ゴーが頻発するシチュエーションにおいて、うかつにアクセルを踏み込もうものならギュン!と飛び出してしまうくらいのトルクである。

若々しくて挑戦的なクルマだからこそ、ある程度のエンジン音も気にならない

しかし、一歩郊外に出ればなんという爽快感! クルーズを始めると少しの踏力でグイグイ前に進んでくれるからとっても楽チン。九十九折りのようなワインディングロードも走行したが、これも言わずもがな。静粛性に関してはまあ、それなりにディーゼル音と振動を感じなくはないけれど、ラジオをONにし、ポルトガル民謡「ファド」に車内を浸らせれば、ほとんど気にならない。

それに、これくらい若々しくて挑戦的なクルマだからこそ、ある程度エンジン音がドライバーの耳に届くくらいがキブンだ。

さらに言えば、試乗車にはピレリのランフラットタイヤが装着されていて、ロードノイズのほうが気になった。むろん、スペアタイヤの装着が必要ない分、ラゲッジの容量は増えるという利点はランフラットにもあるのだが、どうしても気になるなら、静粛性はタイヤの選択次第でいくらか改善出来そうだ。

X1由来のFFベースのプラットフォームゆえ、X3に比べれば“やや”ルーズ

パワフルなエンジンと同時に、サスペンションも程よく締められている。よってこれまたワインディングでのハンドリングはなかなか愉しい。

なかなか、というのは、X3の滑らかなステアフィールに比べて、コーナリング後半にややルーズさを感じたからだ。この理由を現地エンジニアに聞いたところ、やはりX3にはFRベースのプラットフォームが、X2にはX1由来のFFベースのプラットフォームが使用されているためだという。

しかし、ヨーロッパ大陸最西端の地であるロカ岬に到達するまでの間、海岸線道路には砂が吹き上げられ、タイヤの左右でμが異なるようなシーンにも度々遭遇したのだが、xDriveの信頼性はそれをドライバーに微塵も感じさせないほど安定しているし、あくまでもアニキ分であるX3と比べれば、というルーズさだから、さほど神経質になるほど悪いわけじゃない。

先進安全技術も運転支援技術もばかすか投入されているので、もしオーナーになれば気にならない程度でもある。性格が違うね、という感じだ。

日本の立体駐車場にも納まる!

特筆すべきは日本の駐車場事情にもフレンドリーなボディーサイズだ。

全長4.360mm×全幅1.824mm×全高1.526mm。そう、日本の立体駐車場にも納まる!

きっと日本のユーザーはこういうの、待ってたと思いますよ!と伝えたら、「知ってる、タワーパーキングのことでしょう!」とプロダクト・マネージャーも言っていたので、グローバルでのマーケティングリサーチがちゃんとなされているということでもある。

果たして日本の道、そしてパーキングスペースでの使用感はどうか。日本導入を超絶楽しみに待ちたい。

[レポート:今井 優杏/Photo:ビー・エム・ダブリュー株式会社]

BMW X2 xDrive20d

全長x全幅x全高:4360x1824x1526mm/ホイールベース:2760mm/乗車定員:5名

前へ 1 2

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

BMW X1の最新自動車ニュース/記事

BMWのカタログ情報 BMW X1のカタログ情報 BMWの中古車検索 BMW X1の中古車検索 BMWの記事一覧 BMW X1の記事一覧 BMWのニュース一覧 BMW X1のニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる