BMW M3クーペコンペティション 試乗レポート／岡本幸一郎(3/3)
- 筆者： 岡本 幸一郎
- カメラマン：オートックワン編集部
その仕上がりは想像よりもドライビングプレジャーを感じさせる
同モデルの追加は、すでに登場から時間の経過したBMW3シリーズの頂点たるM3のカンフル剤として、あるいはラストを飾るに華々しく、といった意味合いもあるのだろう。
そして、とかくこの奇抜な色に目が向きがちながら、いざ走ってみると、なかなかどうして、標準のM3との装備差から想像するよりもずっとドライビングプレジャーを感じさせてくれる仕上がりである。
標準のM3は、もちろん相当に高性能だが、ややグランドツーリングカー色が濃く、落ち着いた乗り味となっていたところ、同モデルではタイヤの性能の上がり幅をダイレクトに感じ取ることができ、全体的にスポーティな感覚がグッと増している。
また、軽量化を心がけたとはいえ、決して軽くはない車体ながら、驚くほど俊敏な操縦性を身に着けているのだ。
前述のEDCというのは、乗り心地とスポーティな走りの両立を図るべく、コーナリング時、制動時、加速時などの車両の挙動をモニターしながら、無段階にダンパーの減衰特性を最適に自動調整するシステムである。
そして同モデルでは、そのスポーツモードにおいて、自動調整される中でも、よりスポーツ走行よりに特化した専用のチューニングが施された。
同モードを選択すると、そのままサーキットに持ち込んで楽しく走れそうなフットワークに変化する。
今回は一般道のみでの試乗であったが、機会があればぜひその本領を発揮した走りを体感してみたいところである。
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