BMW i3 装着 超低燃費タイヤ ブリヂストン「ologic」レポート/岡本幸一郎(1/2)

BMW i3 装着 超低燃費タイヤ ブリヂストン「ologic」レポート/岡本幸一郎
(右)「ECOPIA EP500 ologic」、(左)スタッドレスタイヤ「BLIZZAK NV ologic」 「ECOPIA EP500 ologic」 「ECOPIA EP500 ologic」 「ECOPIA EP500 ologic」 「ECOPIA EP500 ologic」 「ECOPIA EP500 ologic」 「ECOPIA EP500 ologic」 スタッドレスタイヤ「BLIZZAK NV ologic」 スタッドレスタイヤ「BLIZZAK NV ologic」 スタッドレスタイヤ「BLIZZAK NV ologic」 スタッドレスタイヤ「BLIZZAK NV ologic」 画像ギャラリーはこちら

狭幅・大径の特殊なサイズには大きな意味が!

(右)「ECOPIA EP500 ologic」、(左)スタッドレスタイヤ「BLIZZAK NV ologic」

2014年5月、東京小平のブリヂストン技術センターにおいて、「BMW i3」に採用された次世代低燃費タイヤ「ologic(オロジック)」の技術説明会が実施された。

カーボンファイバー強化樹脂製ボディや独特の内外装デザイン、二輪車用エンジンを用いたレンジエクステンダー、再生可能エネルギーにこだわった生産設備など、BMW i3は話題に事欠かない次世代モビリティだが、実はOEM装着されるタイヤも非常に奥が深い。かつてない斬新なコンセプトを実現したタイヤであり、ブリヂストンが唯一のサプライヤーとなる。

タイヤの銘柄は「ECOPIA EP500 ologic」で、サイズは155/70R19となる。

「ECOPIA EP500 ologic」オロジック資料

低燃費タイヤブランドとしておなじみの「ECOPIA(エコピア)」に続く、新たに与えられた「ologic(オロジック)」のネーミングは、タイヤの基本的な性格を示す「eco」と、超低燃費を実現する理論「logic」を組み合わせたものだ。

サイズが非常に特殊で、幅は軽自動車なみ、外径は高級サルーンなみとなっているが、それには大きな訳があるのだ。

ブリヂストンでは、自然との共生や、資源を大切に使うこと、CO2の削減などを長期目標として掲げている。そのうちCO2排出量の削減のためには、低燃費タイヤが有効であることは明白だ。

そして、従来の低燃費タイヤが追求していたのは主に転がり抵抗係数の低減だったところ、オロジックではさらに空気抵抗の低減に取り組んだのが特徴だ。

「ECOPIA EP500 ologic」

そのために、かつてなかった「狭幅・大径+高内圧」を採用したのであり、これにより「断トツの低燃費性能」を実現したというわけだ。

さらには、狭幅によるスペースユーティリティの向上や、大径にすることで、将来的なインホイールモーターにも対応できるなどといった次世代自動車に相応しいメリットもある。

転がり抵抗係数の低減についても、コンパウンドの改良によるエネルギーロスの低減のほか、大径化による曲率緩和でトレッドの変形量が抑えられることや、さらには内圧を高くすることで相乗効果が得られるのだという。

特殊なタイヤという感覚は薄い

自動車評論家の岡本幸一郎さん
オロジック資料「ECOPIA EP500 ologic」

オロジックでは、抵抗係数と空気抵抗の大幅な低減を図りながらも、十分なウェットグリップ性能を確保しているのも特徴だ。

狭幅で接地面が縦長となり、接地圧が高くなるオロジックは、本来的に排水性の面では有利な方向となることに加え、従来のエコパターンではなく、新しいオロジック専用パターンと専用トレッドゴムを採用することで、さらなる排水性と接地グリップの向上を図り、旋回性能と制動性能を向上させることに成功したのだという。

実際に、オロジックを装着したBMW i3をドライブしたところ、フィーリング面では、そうした特殊なタイヤを履いて走っているという感覚はあまりなく、ごく自然にドライブできることが印象的で、ウェット路面を走った際にもまったく不安なく走ることができた。

走行イメージ1走行イメージ2走行イメージ3走行イメージ4自動車評論家の岡本幸一郎さん
オロジック資料オロジック資料

ただし、そんなオロジックにも課題もないわけではない。

最大の難点は、いうまでもなく従来のタイヤとあまりに幅と径の比が異なるところだ。

既存の車両に装着する場合、仮に物理的には履かせることができても、ステアリングがちゃんと切れないといったことが往々にして起こりうる。

あるいは、大径だから横から見ると見映えがよいものの、狭幅なので後ろからだと物足りない感じに見えるところも普及の妨げになりそうだ。

また、高内圧であることは乗り心地の悪化要因となる。だからサスペンションも専用にチューニングする必要がある。

これらの要因を鑑みると、現状はゼロから新規に開発したクルマでないとオロジックの装着には向かないのではないかといわざるをえない。

スタッドレスタイヤ「BLIZZAK NV ologic」

ブリヂストン自身も、この先、自動車メーカーとの共同開発を積極的に進めることで適用車種の拡大を図りたいと考えているようだ。

なお、会場には4月に発売されたばかりのスタッドレスタイヤ「BLIZZAK NV ologic」の実物も展示されていた。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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