318iと340iはどっちがエライの!? BMW 3シリーズに追加されたベーシック版の魅力とは

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BMWの代表格といえば昔も今も3シリーズ。国内で売られる輸入車のランキングでもベスト5入りの常連だ。定番は4ドアセダンだが、ワゴンモデルの「3シリーズツーリング」も根強いファンを持つ。今回はそんな3シリーズの中でも最もベーシックなグレード、318iツーリングを詳しくチェックする。

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“バイエルンのエンジン工場”が生み出す代表選手、3シリーズ

ドイツ語で“バイエルン州のエンジン工場”を意味する「バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke GmbH)」の頭文字から取られた社名のためか、BMWはドイツメーカーの中でも特にエンジンの性能向上にかける情熱が強い。

2019年春より導入が開始された新世代の7代目BMW 3シリーズ(G20型)も、やはりその傾向は変わらない。3シリーズは同社の中でも最も売れ筋のモデルであることもあって、ガソリンエンジンのほかディーゼル、そしてプラグインハイブリッドなど、多彩なパワートレインの選択肢が用意されている。

そんな3シリーズの中でも最もベーシックなグレードが「318i」となる。

先代318iは3気筒1.5リッターだった

先代(F30型)の318iは、BMW 1シリーズやミニといった小型車シリーズに積まれる直列3気筒 1.5リッターターボ(136ps/220Nm)が搭載されていた。

3シリーズは、もともとBMWファンの間では直列6気筒エンジン搭載のイメージが強いモデルだった。ただ実際のところ、F30型の頃には直列4気筒ターボが主力モデルへ搭載されるようになっている。従来より小排気量化し効率を高めながらターボ化することで出力も担保しつつも、時代が求める環境性能も同時に向上させたのだ。この辺りの対応の早さもまた“エンジン屋”のBMWらしい。とはいえ、さすがに6気筒の半分のエンジンとは想定外で、先代318iはBMWファンの間でも賛否両論があった。

意外!? 新型は4気筒2リッターにアップサイズ

そして2020年8月、現行G20型に追加された新型318iでは、一転して直列4気筒 2.0リッターターボエンジン(156ps/250Nm)が搭載された。

G20型で大きく進化した先進運転支援機能や衝突安全性能の向上に伴い、約1.5トンに増えた車両重量にマッチした出力特性を持ち、燃費性能も従来同等の13.4km/L(WLTCモード燃費)を実現できたことから、今の時代では珍しい排気量アップとなった。

そして9月にはワゴンボディの「318iツーリング」も追加。2つのボディタイプから選択出来るようになった。

ベーシックな318iでも、BMWの楽しさは味わえるのか

上級モデル特有の重厚感も捨てがたいが

せっかく乗るならエンジンの性能をたっぷりと堪能したいBMWだが、ベーシックな318iでもその魅力は味わえるのだろうか。

3シリーズ上級モデルの320d(直列4気筒 2リッターディーゼルターボ:190ps/400Nm)やM340i(直列6気筒 3リッターガソリンターボ:387ps/500Nm)の場合、負荷がかかる高速道路や登坂路などでアクセルを踏み増しても、重厚な手応え(足応え?)と共に、さらにグングンと力強く速度を増していく感覚が得られて、これがなんとも気持ちが良い。このフィーリングは、従来のBMWにも通じる古典的な特性ともいえる。

ベーシックモデルの軽快さは上級モデルとはまた違った美点

筆者は新しい318iを都心部周辺で、318iツーリングを勾配のきつい箱根の山道でそれぞれ試してみた。上級モデルの力強さとはどのように違うのか、特に山岳路ではちょっと心配だったが、1名乗車で乗る限り全く過不足ない性能を発揮してくれた。

なによりこの318iが良いのは、気負わず軽快に吹けあがってくれるアクセルの感覚にある。圧倒的なパワーで押し切るほどのエネルギッシュさはないが、なんとも心地良く、しかもあまり肩に力が入り過ぎていない。318iとM340i、どっちがエライとかエラくないとか、そんなヒエラルキーなどまるで気にしていないかのよう。

むしろこんな318iのほうが、今の時代の気分ともマッチしているようにも感じたのだ。

気後れする必要など全くなし! むしろ積極的に選びたい318i

もちろん、山岳路の高速道路(関東周辺ならば関越道や上信越道、中央道など)を日常的に往復するような使い方をするのなら、出力に余裕のある320dのディーゼルターボが扱いやすく疲れにくい。ドイツの高速道路“アウトバーン”で速度無制限区間を超高速でぶっ飛ばす! という使い方ならきっと、M340iガソリンターボのほうがおススメだ。

そんなハードな使い方はせず、たまの週末にドライブを楽しみ普段は主に街中で多く活躍する、というのなら、積極的に318i/318iツーリングを推奨したい。

廉価グレードだからと言って、318iにも新型3シリーズから採用されるハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能や、BMW コネクテッド・ドライブは省かれずしっかり装備されている。プレミアムな輸入車に対し使う言葉ではないのかもしれないが、3シリーズの中で一番の『お買い得モデル』だといえる。

[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)]

BMW 318i 主要諸元(スペック)

ボディサイズ:全長4715mm×全幅1825mm×全高1440mm/ホイールベース:2850mm/車両重量:1540kg/排気量:1998cc/エンジン種類:直列4気筒ガソリンターボエンジン/最高出力:156ps(115kW)/4500rpm/最大トルク:250Nm/1350-4000rpm/燃料消費率:13.4km/L(WLTCモード燃費)/メーカー希望小売価格:489万円(消費税込)

BMW 318iツーリング 主要諸元(スペック)

ボディサイズ:全長4715mm×全幅1825mm×全高1470mm/ホイールベース:2850mm/車両重量:1540kg/排気量:1998cc/エンジン種類:直列4気筒ガソリンターボエンジン/最高出力:156ps(115kW)/4500rpm/最大トルク:250Nm/1350-4000rpm/燃料消費率:13.3km/L(WLTCモード燃費)/メーカー希望小売価格:523万円(消費税込)

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筆者トクダ トオル(MOTA)

昭和44年生まれ。週末は愛車に乗って(時に鉄道に乗って)家族とともにドライブやキャンプを楽しむ1児のパパ。自動車メディアに携わるようになってから15年余りが経過。乗り換えに悩むユーザーの目線に立った平易なコンテンツ作りを常に意識し続けている。記事一覧を見る

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