BMW 新型3シリーズ「330i M Sport」試乗│計り知れない潜在能力を持ったスポーツセダンの新たなる指標(2/3)
- 筆者: 飯田 裕子
- カメラマン:和田 清志・小林 岳夫
エクステリア以上に細部までに新しさが感じられるインテリア
室内の広さも全体のサイズに対し満足度は高い。後席の足下や膝周りの余裕も同クラスのモデルと同等かそれ以上。肩周りにも十分な余裕が取られている。
そんな室内でも特に注目すべきは、新型8シリーズから導入された“BMW Operating System 7.0”を採用したBMWライブ・コクピット。
タッチパネルを採用した大型コントロールディスプレイをセンターに、またコクピット前にはフルデジタル・メーターパネルを配置。インテリアの見栄え的にも質感向上を引き立てているだけでなく、インテリア全体の洗練ぶりと最新モデルらしさを表している。
運転席前のデジタルメーターは様々なカスタマイズができるのはもちろんだけど、試乗時では地図の上に情報メニューが載り、メインの地図部分は中央にフォーカスを当てて表示する。他のクルマのような項目毎に窓が仕切られているタイプと異なる感覚も新鮮、ワイド画面ぶりも共感しやすく視認性を兼ね備えたソレは誰にとっても使いやすいのではないだろうか。
メーターパネル右画面のタコメーターのメモリが反時計回り=下からビヨビヨビヨ~と回転が上がっていく感覚は他メーカーのモデルにも希にあるけれど、こちらも新鮮だった。
ただそれだけではなく、メモリが上方向に上がっていくという感覚は視覚的にも回転向上の様子が認識しやすく、ひいては画面全体の情報がより把握しやすいというメリットもある。
他にもシフトレバーまわりのパネル上に配置されたスイッチ類のデザインの統一感や質感も向上。基本的なデザインのみならず、細部にまで新しさが感じられる印象はエクステリア以上にインテリアのほうがより強いと思えた。
新型3シリーズに搭載される3つの特筆すべき新機能
長距離/中距離/周辺監視(広視野角)を役割分担する「3眼カメラ」
機能装備面でも特筆しておきたい機能を3つ取り上げておきたい。
まず日本で初導入となる3眼カメラを採用する運転支援システムを320iスタンダード以上の量産グレードに標準採用している。
これによって長距離/中距離/周辺監視(広視野角)を個々のカメラに役割分担でき、レーンキープの正確性やこれまでよりも遠方や広い視野での周辺の危険予測の精度が向上。それに伴い運転支援技術の性能面もこれに対応するように進化。全面的な性能向上に繋がっている。
バックが苦手・不安の方の味方「リバース・アシスト機能」
二つ目は新型8シリーズから採用している“リバース・アシスト機能”。
これは車両が直前に前進した最大50mまで、時速35キロ以下で走行した走行軌跡を記憶し同じルートをバックで走行できるという機能。例えば駐車場内でスペースを探していたけれど見つからず、バックで戻らなければいけない・・・というときや、狭い路地ですれ違いが不可能な場合にどちらかがバックして道を空けなければいけないという場面での助っ人機能。
リバースギアに入れるとタッチスクリーンにメニューが現れ、後退アシストという項目にチェックを入れたら、はい、スタート! 前述のとおり最大50m、速度9キロ以下で直前の前進走行軌跡を辿ってくれる。バックが苦手な方、不安なのは私も同様。ボディサイズが若干大きくなった分も含め、このアシスト機能の存在は意外と大きいかもしれない。作動中、様々なセンサーが安全確認を行ってくれるが、過信をせずドライバーも安全確認を行いながら活用することをおすすめします。
所有する楽しさに繋がるAI音声会話システム「BMWパーソナル・アシスタント」
最後はBMW初搭載となる、「OK BMW(オーケー ビー・エム・ダブリュー)」などと呼びかければ「ご用件をどうぞ」と、クルマと会話することで車両操作が行えるAI音声会話システム“BMWパーソナル・アシスタント”。
これはメルセデスがAクラスから採用を開始したMBUXと同類のもの。実際に人間同士で会話をするようにスムーズにとは正直まだいかないものの、クルマとの会話は案外楽しいものですよ。
「iPhoneのSiriが初期から現在へと進化しているようにBMWパーソナル・アシスタントも進化していく」とBMW担当者の方も言うがその通りだろう。使うほどにAIが学習し進化するという点では他の音声アシスタントと考え方は同様だ。この先のクルマの自動化に向かう進化を考えれば、メーカーのみならずユーザーにとっても採用をスタートさせることに意義がある、と考えたい。
ちなみに、システムを呼び出すワードは他の言葉を登録することもできるらしい。「YUKO(ユウコ)」と登録すれば、ユウコがエアコンの温度調整などを行ってくれるのだとか。AI技術が進んで、様々な忖度や大阪弁なども学んでいるという。クルマのパーソナライズ化も進めばますます所有する楽しさに繋がる機能ではないだろうか。
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